テラーノベル
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朝8時。俺はなつとの待ち合わせ場所に行くために家を出た。
家から待ち合わせ場所に行くまでは徒歩5分くらい。大して距離もないしゆっくり行っても間に合うくらい。
「…ここか」
俺が待ち合わせ場所に選んだのは俺がなつに告白した思い出の公園だった。…確か蛍が綺麗に見えたはずだ。遊園地で夜遅くまで遊んだら公園に寄ってから帰ろう。なつも昔蛍見たいって言ってたし。最期の思い出づくりのために。
明日…なつは死ぬ…俺が死ねばいいか。そうすればなつは生きられる。…とにかく今日は楽しもう
〚いるまー!〛
「なつ!おはよ!」
〚おはよう!いるまから誘ってくるの珍しくてびっくりしちゃった笑〛
「確かに俺から誘うことあんまなかったもんな」
〚誘ってくれてありがとね!〛
「んや、全然笑」
〚早く行こ!〛
その後俺達は遊園地で遊びまくった。そろそろなつと別れる時間だ。
「なぁ、なつ」
〚ん?〛
「蛍、見に行かねぇ?」
〚え、覚えててくれたの?〛
「おう」
〚え、行きたい行きたい!〛
「じゃあいつものとこ行こうぜ」
〚うん! 〛
「蛍、綺麗だな」
〚ね〜!ここあんま街灯とかないから綺麗に見えるよね〛
「だな」
〚…ねぇいるま〛
「ん?どうした?」
〚蛍ってさ死んだら大切な人のところに帰ってくるらしいよ〛
「そうなん?」
〚うん〛
「へぇ〜…勉強になったわ」
〚それなら良かった笑〛
「さ、今日はそろそろ帰るか」
〚え〜…まだいるまと居たい…〛
「家まで送ってやる。それに、電話かけてこい」
〚ぱぁぁあ✨️じゃあ帰る!〛
「ふっ笑行くぞ笑」
〚はーい!〛
あの後なつと別れ家に着いた後なつから電話がかかってきた。これでなつとも話すのがもしかしたら最後になるかもしれないと思い俺は最期にこう告げた。
「大好き」
電話越しでもなつが照れているのはよく分かった。でも、これで最期だから。思い残すことはない。俺はどうなろうとなつのことが大好きだから。なつが2日後に死ぬって聞いた時はあ、そうくらいにしか思ってなかったけど。今思えばなつは俺の人生においてなくてはならない存在なんだよな。
コメント
1件
いるまくぅぅぅぅぅん…泣 切ない…けど最高…✨