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第十話 疾走する雷鳴
夜の街を切り裂くように、二台の車が猛スピードで走り抜ける。ネオンの光が路面を照らし、タイヤが悲鳴を上げて曲がりくねった道路を駆け抜ける。
主人公の運転する黒いスポーツカーの後方には、敵の追跡車両がぴったりと張り付いていた。
「奴ら、離さない…!」
サイドミラー越しに迫る敵の車。冷たい視線が感じられる。
「ここで振り切らなきゃ、全てが終わる。」
主人公は急カーブに差し掛かると、ハンドルを切りつつアクセルを踏み込む。タイヤが滑り、車体がわずかに横を向くが、巧みなハンドリングで車を立て直した。
追跡車は容赦なく接近し、接触を狙ってサイドから押し寄せる。だが、主人公は咄嗟に車体を寄せてかわす。
「このままじゃ捕まる…!」
次の交差点で、主人公は思い切って信号無視を決断。赤信号の交差点に突っ込むと、対向車が急ブレーキを踏んで避ける。悲鳴とクラクションが鳴り響き、混乱の隙に一気に加速。
だが、敵も執拗だった。路地裏に入った瞬間、敵が仕掛けた障害物が待ち構えている。
「罠か…!」
炎と鉄の破片が飛び散り、道は一瞬にして地獄絵図に変わる。主人公は冷静に障害物をかわしながら、限界ギリギリのスピードで疾走を続けた。
「絶対に、ここで終わらせるわけにはいかない!」
轟音と共に車体が振動し、アクセル全開で追跡を振り切るその瞬間、主人公の目に未来への希望が微かに映った。