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『出会いはオプチャの中で』
真夜中。スマホの画面に映るのは、アニメキャラクターのアイコンが並ぶ賑やかなオプチャの画面だった。
唯奈（ゆいな）は、推しのキャラになりきって入室し、どきどきしながら書き込みを始めた。
『みんな、こんばんは！〇〇ちゃん好きな人いる？』
他の参加者たちが次々と反応する中、ある一つのコメントが唯奈の目に留まった。
「〇〇？まあまあかな。」
そのコメントの主は永愛（とあ）。彼女も別のキャラになりきっていて、少し塩対応な書き込みだった。
唯奈は少し戸惑いながらも、負けずに返す。
『まあまあって…そんな冷たいこと言わないでよ！』
すると永愛から、すぐに返事が来た。
「別に冷たくないし。」
その言葉に、唯奈はむっとしたけど、どこか気になるものがあった。
やがて二人は、そのオプチャで少しずつやりとりを増やし、趣味の話や好きなキャラの話で盛り上がった。
「絵も描くんだ？」
「うん。暇なときだけど。」
「見てみたいな。」
そんなやりとりを交わすうちに、唯奈は永愛のことをもっと知りたくなった。
ある日、永愛がふと書き込んだ。
「ゆいな、なんか話しやすい。」
その一言が、唯奈の胸にぐっと刺さった。
それから二人は、オプチャよりも個チャで話すことが増え、互いに少しずつ距離を縮めていった。
♡ ↺10
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