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集会にて


万次郎))たけみっち、缶珈琲いる?

武道))…ん…くれるんですか?

万次郎))コクッ)うん。

堅))お前用だって。真一郎くんが昼に買ってくれたんだよ。

武道))そうなんッスね!頂きます!お礼言わないとな

千冬))トントンッ)たけみっち

武道))千冬?

千冬))手話)バジさんがペヤング食うかってさ

武道))ん〜、ごめん!俺お腹いっぱいだから今回はいいかな。また誘ってって言っといて?

千冬))はいよ。

隆))たけみっち、ボタン少しほつれてる……

携帯)『ボタンほつれてる。着たままでいいから座って。縫う。』

武道))え?……あぁ、ほんとだ…ありがとうございます!お願いします。

一虎))携帯)『漫画ありがとな!続き気になってたから助かった!!』

武道))いえいえ!!それに、返してもらった時も言われたのでもう大丈夫ですよ💦やっぱ最終回泣けますよね…。


俺の周りには優しくて、温かい人ばかり。

実際、初めてみんなと会った時本当のことを言えば怖いなって思った。

顔怖いし。ピアス開けてる人多いいし。タトゥー入れてる人も多いいし。

けどね、本当に………本っ当に優しいの。

そんな人達に囲まれて、俺は幸せものなのだと本気で思う。


けどたまに…、いや、よく思う。

本当にここに居ていいのだろうか……


俺は不良なんかじゃないし、喧嘩とか本当にできない。

それなのに、どうしてここまで優しくしてくれるのだろうか?


それだけが気がかりで良く悩んでしまう。


同情なのだろうか……

耳が聞こえないと俺に対しての同情から来る優しさなのだろうか……

もし、

もし仮に、耳が聞こえていたら皆はこんな俺を見てくれるのだろうか……。


もしこの空間が……同情から出来た空間だったら?


怖い…。


いつか捨てられるのでは無いだろうか……

いつか飽きられてしまうのではないだろうか……


只々、怖いんだ


この不安が消えることは無いのだろうか…。

実際不安がってる事が起きないとこの気持ちは消えてしまわないのだろうか…。


俺はこれから先も、いつそうなってもいい様に…、皆から飽きられても良いように準備しないといけないのだろうか…?


少し疲れてしまう。気付かれないようにしないといけない。

これが理由で嫌われる事もある事を俺はいつの間にか知っているから……。




万次郎))たけみっち?


顔をひょこっと目の前に向ける万次郎。

きっと、三ツ谷君が縫ってくれている間ぼーっとしていたのだろう。


武道))ぁ、ごめん!少しぼーっとしちゃってた、!!

堅))そろそろ始めるか。

万次郎))うん。


集会が始まると、武道は部下が居る同じ場所の隅でただぼーっと眺める。



マイキー君は一体何を話しているのか。ここからでは分からない。

声を荒げている。ただそれだけが分かる。

だけど分からなくてもいいのだろう。

俺は東卍の一員では無いのだから。不良でもそもそもなくって、ただの一般人。ここに居ていい人間では無い。



武道))……(そっか。俺は本当はここに居たいんだ……これからもずっと、皆と居たいんだな…。これから先も皆と笑っていたいんだ…。本当は、耳が聞こえなくてもいい、皆と居れるなら…。………本当…は…、)



1滴、涙が落ちる感覚があった。

慌ててそれを脱ぐう。少し歯を食いしばって涙が止まることを自分自身に命じる。




バレなかっただろうか。少し不安があるが早く帰ろう。

集会はもう終わったんだ。



武道))マイキー君、俺少し用事思い出したので帰りますね!

万次郎))え…送るけど?

武道))大丈夫です!少し散歩したい気分ですし。

堅))でも今の時間帯からは不良が、

千冬))そうだぞ。危ねぇし送って貰えって

武道))……、


こんなに一気に言われたら誰の口を見ていいか分からない。

けど、心配されている事だけはわかった。


武道))ありがとうございます。でも、本当に大丈夫です!

(早くこの場から逃げたい……)

万次郎))ダメだ。危ない。

武道))ッ……、


万次郎の圧に負け、結局送って貰うことに。




バブ〜🏍】



正直既に涙目になってしまっている。

少しして家から1番近い公園が見えてきた。

やっと帰りつく。そう思った時だった。


万次郎はバイクを止める。


武道))…?……??


万次郎はバイクからおり、武道の目の前に立つ。


万次郎))……泣いてんの?なんかあった?

武道))……へ、

万次郎))いや……、俺の服強く握ってたし、手、震えてたし……目…少し赤くなってるし。


その言葉で涙が溢れ出る。

ヤバいと思って慌てて目を擦る。

だけどすぐに万次郎はそれを止める。


万次郎))擦ったらダメ……たけみっち、何かあったの?教えてよ。俺、なんでも聞くから、話してよ。たけみっち……。

武道))いや、ちが……ごめんなさい…グズッ……

万次郎))ギュッ)……


武道が泣いている間、万次郎はずっとハグをして背中を撫でてくれていた。


少しして落ち着いた武道。


万次郎))……ま、無理には聞かねぇよ。

武道))………


その場で2人は別れた。それは、武道のお願いだった。

もう大丈夫だと言って聞かない。

万次郎はそれに応え、『気をつけろよ』と最後に言葉を放つ。



武道家・部屋にて


武道))はぁ……やってしまった…(恥ずかしい…人前で泣くなんて……。も〜〜……気まずくなる……)


そんな気持ちをグルグル考えている時、マイキー君からメールが来た。


万次郎))『なんかあるんなら早めに言えよ。何があっても俺は絶対お前の味方だから。まぁ、なんか思い詰めすぎるなよ?お前そういう所あるから。』

武道))『ありがとう、マイキー君。』

万次郎))『うん。』



苦しいな……。

こんな苦しい思いは過去にも数回あった。

イジメとやらをされてた時。

自ら命をたとうとは思ったことは無いが、もう全てやめてしまいたい気持ちにはなる。

いつからか慣れてしまっていたけど、いざそれが頂上に来ると耐えられなくなる。

涙すら出ないほどだ。

本当に、本当に全てがどうでもいいってなる……

この先、どうなっていくのだろうか。

俺はあの人達の中で笑っていられるの?笑っていていいの?近くに居ていいの?

こんなに人を好きになってしまうなんて、思っても居なかった。


苦しいよ……





今回も出すの遅くなってしまった!!

ごめんなさい!


































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