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ふたりの話

1 - 第1話

♥

11

2023年02月19日

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偶然、色が同じだっただけ。

高校を入学してすぐの新入生オリエンテーションでのこと。

特に列を作るでもなく車座になって座った私たちと、乱雑に置かれた筆箱たち。

「あ、ごめん、それ俺の、」

「え?…あっ!本当だ、じゃあそっちが私の?」

「うん…ありがと。良かったぁ変なもん入れてなくて」

「大丈夫、中見てないから…」

「そっか、とりあえずありがと」

「こちらこそ…」

にかっと笑った彼は一瞬にして、私を虜にした。





「うわー…そんなこともあったねぇ」

隣には当の本人がグラスを傾けている。

なかみは若者らしくビール。

テーブルの上には有り合わせのものでこしらえたつまみもちょっと。

「そうだよー?私その時から大輝のこと好きだったもん」

「そうだったの?俺そん時マジでゴミ入れてなくて良かったしか考えてなかったわ」

「まぁ、その後汚い普段の中身知ったから別に関係ないけどねぇ?」

「んはっ、まあねー?てか、その後紗和ちょっと話題なってたの知ってた?」

「え?知らない、なにそれ」

「いや、雄大たちが可愛いって言っててさー?そん時は別にだったけど後々おれめっちゃ牽制してたから、奴らのこと」

「そんなことあったんだ〜」

思わず口角が緩む。

「ちょっと嬉しがってんじゃねぇよ」

「いやー、高校に戻れたらもっと誇らしくしてたなあって」

「そんなんなったら俺紗和守ためだけに過労死する」

「遠回しに褒めてくれてありがとっ」

「あー、このぉ!」

「わー!髪ぼさぼさになるー!」

今日のビールは、いつにも増して美味しい。

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