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花吐き病パロ<その後>
「んんっ!レインく……っちょ……まって……!」
レインくんがものすごい勢いで僕の唇に噛み付いてくる。さすがにキャパオーバーで頭パンクしそう。
「ッ……すまない、まだ体が本調子ではないのに」
「え、全然平気ですけど」
病気が治って、ものすごく体が軽くなり、元気なのだが、レインくんは申し訳なさそうにしょんもりしていた。
「そんなわけないだろう……お前、最近食事を抜いていだろう」
「あぁ……確かに」
花吐き病にかかっていた時は凄く食欲不足だった。大好きなシュークリームだってまともに食べれてなかったし、食べたとしても結局戻してしまうのだ。
でも全然お腹が空かなかった。
そんなことを考えてるとなんだかお腹が空いてきた。
「レインくん、お腹すきました。シュークリーム食べたいです」
「いや、ダメだ。ただでさえお前は今栄養不足なんだぞ。しっかり食事をしろ」
シュークリームは完全栄養食ですが?と言いそうになったが、レインくんの顔が怖くていえなかった。
「少し待っていろ、今胃に優しいもの持ってくるからな」
そう言ってレインくんは立ち上がり、僕の傍から離れようとした。
僕は咄嗟に、レインくんのローブの裾を掴んでいた。
「マッシュ……?」
「ぇあ……ごめんなさい……」
掴んでいた手を離すと、レインくんは微笑み、
僕の頭をワシワシと撫でた。
「安心しろ、キッチンで粥を作ってくるだけだ。すぐに戻ってくる」
「……はい…」
小さく返事をするとレインくんはバタンと扉を閉め、言ってしまった。
なんだか恥ずかしい。
さっきの自分は子供みたいだった。
暫く経つと、カツカツと廊下を歩く音が聞こえ、体を起こす。
お茶碗片手に入ってきたのはレインくん。
「またせたな。これ、食べれるか?」
「あ、ありがとうございます」
渡された茶碗に目線を落とし、お礼を言う。
「わぁ……美味しそう……」
ほくほくと湯気がたち、美味しそうなお粥の匂いが空腹をさらに誘った。
栄養面を考えてか、しっかりと卵が入っている。
「いただきます……」
あむっ……と口にすれば暖かくて、優しい味が口の中に広がった。
でもなんだか変だった。
しょっぱい水?
「お前……なんで泣いてるんだ?」
レインくんの指摘で気づいた。
僕、泣いてたんだ。
「え、わかんなッ……急に」
戸惑ってる僕にレインくんの腕が伸びてくる。
レインくんの太くて綺麗で角張った指が僕の涙を拭った。
「泣くほど美味いか」
ふっ……と笑うレインくんに
僕はもっと涙が溢れた。
「うん……ッ凄く美味しい…っ美味しいよ、レインくんッ」
泣きながら食べる、レインくんの作ったお粥は今まで食べてきたお粥の中でとても幸せな味がした。
「ごちそうさま……」
「あぁ、お粗末さま」
食べ終わったあとも幸せな感じがして、
いつまでも余韻に浸っていたかった。
「マッシュ、少し寝るか」
「え、でも……」
「学校は心配するな。さっきすれ違った教師に今日は休むと伝えておいた」
おお、これがスパダリって言うのですかな?
「じゃあ今日はレインくんと寝ていたいです」
「ん、そうするか」
そう言ってレインくんは僕を抱え、ベットへ移った。
「重いでしょ」
「いや、全然だな。もっと肥えさせねぇとな」
それから僕にキスをして
僕達は暖かい眠りについた。
コメント
2件
尊いッッッ…!