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6

第6話 残された三人。

♥

128

2022年08月11日

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ほんっっっっっとに遅くなりました……

正直な話忘れかけてましたが、残された3人🍌☃️🐷のお話、書いてきます!

かなりつらいお話になります……( ¨̮ )

それでは。


🍌side↓


今日は撮影の日だ。

集合時刻の10分前には、と思ってディスコードに入る。


ピコン


珍しく今日はまだルームに誰もいなかった。

絶対自分より先にいるドズさんもいなくて、少し心配になる。

何が心配って、昨日かなりの長時間配信をしたから体調崩してるんじゃないかってこと。

長時間配信、久しぶりに5人でできたのはすごく嬉しかったけど。


ピコン


「あ、あー」


ドズさんではなく、おらふくんがきた。


「おらふくん、聞こえてるよー」

「あ、良かった」

「おはよぉ」

「おはよ、おんりー」

「そういえばね、ドズさんがまだ来てないの」

「え、あのドズさんが?!」

「そう、まぁまだ集合時刻前だし、昨日結構大変だったからゆっくりしてるのかなぁって思ってる」

「あー、それあるな。俺昨日テンション上がりきっちゃって、全然寝れんかったんよ……」

「自分もそんな感じ。ドズさんもギリギリまでゆっくりしてるんじゃないかなぁ」


なんて普段と何ら変わりない会話をして、時間はちょっとずつ過ぎていった。

他のゲームの話とか、今日の企画の話とか。

そうして集合時刻3分前。


「あっぶねーギリギリセーフ!!」

「あ、MENや!!」

「おはよぉー」

「おはよー……ってまだこの2人しか来てないの?!」

「そうなんよ……ドズさんとかいつも絶対自分より先に来とるんやけどなぁ」

「今、長時間配信の疲れが出たんじゃないのって話してたの。」

「あー、それは普通にあるなぁ。いや今日まじで寝坊した焦ったぁ……」


今度はMENも含めて普段通りの会話をする。

まぁドズさんはいつも早すぎるぐらいだし、

なかなか来なくてもなんやかんやで時間内にはくるだろう。

ぼんさんはまぁ、2分ぐらい遅れてくるんじゃない?笑。

そんなことを考えたり、話したり。

気づいたら集合時刻から4分もすぎていた。


「え、待って!もう10時34分なんやけど!」

「え、はや」

「まだ来てねーじゃんあの二人……」

「でも、スマホ見ても体調不良のLINEは来てないね、」

「うーん……」


ぼんさんでも、そろそろ来ていい頃なはず。

ドズさんにしては、遅すぎる。

でも撮影時刻の勘違いとかかもしれないし、昨日疲れすぎて長時間寝てるだけかもしれない。


そうやって心のどこかにある嫌な予感を覆い隠すように。



「……みんなこの後予定ある?」

「俺は……昨日帰宅部の撮影あったけど今日はなんもないね」

「僕も今日めずらしくなんも配信予定ないわ」

「あ、ならさ。自分も予定ないしもうちょっとだけ喋っとく?寝坊とかならもうすぐ来たっておかしくないし。」

「そやね、ゆっくり待とっか」

「そだね」


また話すことにした。

2人との楽しい会話が進んで、時間が少しづつ経っていく。

たまにちらっと覗き見る部屋の時計の秒針が1周する度、心の奥深くで不安が膨らむ。

でも、きっと来るはず。遅くなりましたって言いながら。


「……」


少し会話が途切れて。


話を切り出そうとしたら、おらふくんが先に口を開いた。


「……さすがに遅ない?」

「……だね」

「……体調不良で倒れてたら心配だし、家行く?」

「それいいね、行こっか」

「あの二人ルームシェアしてたでしょ?だからすれ違う心配もないし」


ルームシェアなんて回りくどい言い方になったけど、あの二人が付き合ってるのは3人とも知ってる。

僕達以外誰にも言っていないけど。

ルームシェアって言ったのは、何となく気恥ずかしい感じがしたから。


「じゃあ、○○駅のあのでかい木のとこに11時20分集合で」

「「はーい」」


こういうときに冷静に仕切ってくれるMENには、ほんと感謝しかない。

急いで支度をして、走って駅に向かった。


「はぁ、っはぁ……っ」

「あ、おんりーきたきた」

「時間間に合ってる、?っはぁ……」

「間に合ってる、大丈夫よ」

「良かった、」

「まだMENも来てな、」


「よぉ」

「!!びっくりしたぁ……後ろにいたんだ」

「さ、全員揃った事だし……」


そう言ってドズさん達の家まで向かった。


着実に道を歩み進めるも、ずっと嫌な予感が頭を渦巻いてて、足は酷く重たい。

ただの予感。正体は欠片も分からない。

こんなふうに思っているのは自分だけかと思っていたが、

他のふたりもどうやら同じ心境だったらしい。


「……」


深い暗い沈黙。おかしなぐらいに晴天な空と真反対。

気まずい話すことの無い沈黙じゃなくて、あえての沈黙だ。


そんな空気感を全員感じ取って、一言も話さぬまま着いた。


「ここであってるよね。」

「うん、あってるよ」


大きく息を吸い込んで、呼びかける


「ドズさーん」


「……」



「返事ないね、んー……」


そう言いながらおらふくんがドアノブに手をかけた。



がちゃり



「っ?!」



開い、た……?

どうして?ドズさん達が中にいたとしてもいなかったとしても、鍵が空いてるなんておかしい、


「は、? なんで開いて……っ」

「まさか侵入されて、とか…?!」


血の気が引いた。


鍵が空いてるってことは、誰か他の人が。


その事実を想像して、足が固まった。


なのに。



「…っ!」


「「おらふくん?!」」


おらふくんだけはそのまま部屋に入っていった。

ちらっとしか見えてないけど、おらふくんは涙目だった。


おらふくんだって同じ思いだ。多少の恐怖心は抱いているだろう。


「俺達も、行こう」

「うん……!」


MENがそう言ってくれて、中へと駆け込んだ。




「……はぁ、良かった…っ」


部屋には誰もいなかった。

ひとまず、悪い人たちに侵入されて……ってことはなさそう。


がたんっ。


「……?!」


何の音かと思えば、おらふくんが床に座り込んでいた。

正確に言えば崩れ落ちたような、そんな感じ。



「おらふくん、大丈…… 」


1番に勇気を振り絞って部屋に入ってくれたおらふくんに、感謝を伝えようとしていた。

そのとき、おらふくんの手に握られたものが見えた。



「「え」」



遺書だった。

まっさらな白い紙に、ドズさんの綺麗な字で「遺書」と書かれていた。



「え、なんでこんなの……」


誰の口も全くと言っていいほど動かず、呆然とMENの口から出た言葉もそれだけだった。

ただただ衝撃だった。この情報を、脳が嫌って飲みこんでくれない。


「……!!」


部屋を見渡して、気づいてしまった。

シャットダウンしてるかと思いきやスリープ状態のドズさんのパソコン。

起動してみたらドズさんが頑張っていた形跡があった。

ゴミ箱に大量に捨てられたエナジードリンクの空き缶。

ダブルベットのシーツは右半分だけくしゃっとなっていて、もう片側はぴん、と張っている。

枕元を見る限り、左半分がドズさんだ。寝ていた形跡はない。徹夜……。

そして、


窓際に脱がれたスリッパが2つ。


認めたくなかった。信じたくなかった。


それでも神は残酷だ。受け入れるしか方法は残されていなかった。






🦍🍆見えちゃった。

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コメント

4

ユーザー

まってやばい…泣きそう…

ユーザー

あぁ...!?え、最高過ぎる... 毎回神作あざす...

ユーザー

あああああああああもとめていたものああああああああ…………………()

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