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【 ものまね 】



朝起きたら制服がなかった。

おかしい。僕はちゃんと昨日ハンガーにかけてクローゼットにしまったはずなのに。何度見返してもクローゼットには入っていないし、机やベットの下、本棚とかも探したけれどもちろんない。なくした?制服一式全部???そんなわけないだろ。

まあ、最悪ズボンは冬服用使えばいいし、シャツも他に何枚かある。ネクタイは付けなくてもどうにかなる…が、ベストがない。あれがないと落ち着かないのに。

その後もあれこれさがしたが結局見つからなかったので、とりあえずネクタイとベストは諦めて学校へ行くことにした。半分に割られたみかんを口に放り込んで、家の鍵を引っ掴んで学校へ急いだ。

それにしても、制服は一体どこに?明日もド平日で通常通り学校なのだから、親が勝手に洗濯した可能性は考えにくい。第一自分で定期的に洗濯しているし、片付けだって自分で日常的にしているから、親が僕の部屋に出入りすることはほとんどないのだ。…じゃあなんで?どこに行ったというのだろうか。

重い気分で教室の扉を開ける。この件は一旦置いておいて自分の席に着こうと自分の席に移動すると、そこには。


「……アカネ?」

「あ、茜!おはよ!来たんだね。来なくても良かったのに」

「何してんだよ…というか、僕の服に来て何してんの」


そこには、僕の制服を着たアカネ……僕とそっくりの男がいた。昨日まで長かった髪は僕と同じ長さにまで切られていて、さっき僕を視認するまでは、表情、口調、リアクションに至るまで、僕の生き写しのようで。……気味が悪かった。


「んー。茜って人気者でしょ?だから、茜になりたいなあって。」

「は?」

「だっておかしくない?僕たちは見た目がおんなじなのに、茜は色んな人に好かれてて、覚えてもらえてて。」

「でも僕は、誰にも覚えてもらえない。……見てもらうことすら出来ない。」

「……っ」

「僕が歯車で出来てるのが悪いのかな?茜みたいに、骨と筋肉と皮で出来てたら、僕も皆に見てもらえる?」

「っ知らないよそんなの」

「でしょ?茜も知らない。僕だって何が原因か分かんない。だったらさ、試してみようよ!」


試す。……試す? 入れ替わるってことか?……いや、


「無理でしょ」

「なんで?」

「僕がお前になるのはまあ……可能ではあるけど、アンタが僕にはなれないだろ。他の人からは見えないんだから」

「……確かに」


アカネがキョトンとする。もしやコイツ考えてなかったな。


「ほら、ベストとネクタイ返せ!」

「うわあ!酷いよ返して!」

「元々僕のだ馬鹿」


アカネは不服そうな顔をする。人のものは取らない、一般常識だと思うが。


「……茜くん?さっきから一人で喋ってるけど、大丈夫…??」

「え、ああ大丈夫!なんでもないよ!」

「それならいいんだけど……体調悪かったら言ってね!」

「うん、ありがとう!…………お前のせいだぞ」

「しーらない!」

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