テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
圖阿です!!
なんか思いついたので、🦁🐇♀️で書きました!
どうぞ!!
・・・
突然だが、俺の幼馴染はもの凄くモテる。
小中、そして高校の現在でもその勢いは止まらない。
そんな幼馴染を俺はいつしか自分とは違う遠い存在のように思った。
しかし、毎朝一緒に登校したり、休みの日には泊まりに来たりと……今でも関係は良好だ。
そんなある日。
いつものように泊まりに来た幼馴染が不安そうな顔をして俺に相談してきた。
🐇「あんさぁ…悠くん?」
🐇「ちょっとご相談がありまして…」
🦁「なんや?」
🐇「ウチの……恋人のふりをしてくださッッッッ!!!」
🦁「……………」
🦁「は????」
何を言われるのかと思えば、恋人のふり???
理解が追いつかず放心状態になっとると初兎はことの経緯を話し始めた。
初兎はモテるため、告白されることも頻繁にあり その度に人気のない所に呼び出されるらしい。
しかし、そんな初兎は男嫌いなため、毎回行くのも、断るのも精神的に結構きついとのこと。
そこで、恋人がいればそんな思いをすることはないと考えたが、恋人どころか好きな相手もおらんため、俺に申し出たらしい。
🐇「悠くんさえよければお願いできひんか…?」
🐇「勿論ッ!悠くんに恋人がおるんなら他の人にでも頼むし!!」
他のやつ。
んなもん駄目に決まっとるやろ。
🦁「恋人なんておらんし、初兎がそれで少しでも楽になるんなら、ええよ。恋人ごっこしようや♪?」
🐇「ッッ!!✨✨…悠くん!!ほんまにありがとう!」
そう言って抱きついてくる初兎を受け止める。
ほんま…ちっさい体やな。
その体を優しく抱きしめ返すのがとても幸せやった。
翌日になり、俺らはいつも通り一緒に登校した。
ただ、手を繋いだりと恋人のふりを意識しながらの登校。
当然、俺らのことをよく知る同級生たちは目を見開いて驚いとった。
初兎と教室に入り、自分の席に鞄を置くと、クラスメイトの何人かが初兎のもとに向かった。
クラスメイト『初兎ちゃん!もしかして、獅子尾と付き合ってるの?』
🐇「付き合っとるで」
初兎がそう言うと、クラスの奴らは笑った。
クラスメイト『有栖、お前冗談きついってw』
クラスメイト『そうだよ!w初兎ちゃんと獅子尾じゃ釣り合ってないってww』
釣り合っていない。
まぁ、無理もないか。
初兎は大きな目に柔らかく白い髪、明るい顔。
対する俺は、女子のように長い髪を下ろし、眼鏡をかけて顔を隠しとる。
アニメや漫画に出てくるThe陰キャって感じなんやろうなぁ。
そんなことを考えていると、初兎たちの方から何やら先ほどとは違う空気を感じた。
見てみると、初兎が見たこともない顔でクラスの奴らを睨んどった。
驚いて開いた口をふさげなかった。
クラスメイト『な、何よ?本当のこと言っただけでしょ?』
🐇「釣り合ってないってあんたらに決められないとあかんの?」
🐇「悠くんはあんたらが貶していいような人やない!!なんも知らんくせに、ウチの幼な…恋人をバカにせんといてッッ!!/////」
🦁「…ッッ!!///」
やっぱり初兎はかっこええな。
そんな人やから俺も初兎に惚れたんや。
自分の意見を言える、他人に流されないお前に。
俺は幼少期から長い髪が好きやった。
テレビで見たバンドのボーカルがロングでその人があんまりにもかっこよくて、俺は髪を伸ばし始めた。
しかし、そんな俺は周りの奴らは変な奴と言って近寄ってこなかった。
子供『あの子ってなんであんなに髪が長いんだろう?』
子供『ねぇー…まるで女の子みたいだよね?』
子供『えーでもあいつって男なんだろう?』
子供『変なのーー』
幼少🦁「聞こえてるっての…………髪切ろうかなぁ」
幼少🐇「切ってまうの?」
突然後ろから声がし、驚いて振り向くと知らない女の子が立っていた。
見たこともない子やなぁ……誰やろ?
幼少🐇「なぁ、なぁ。髪の毛切ってまうの?」
幼少🦁「ぇ……あぁ……うん」
幼少🐇「なんで??」
幼少🦁「なんでって……やって…俺男何に……気持ち悪いやろ?」
そう言うと、女の子は目をパチパチと瞬きをした後、突然大きな声を出した。
幼少🐇「そんなことないで!!!」
幼少🐇「あんたの髪めっちゃ綺麗やん!それに、長い髪かっこええで♪!」
幼少🦁「……ほんま……に…?」
初めてやった。
親ですら、少し変だと言うこの髪を。
綺麗でかっこいいと言ってくれるなんて。
幼少🐇「めちゃくちゃかっこええで♪!」
幼少🦁「ッ……ゔぅッ……((ポロポロッ」
幼少🐇「ッッッ!!??え!?ご、ごめんなさい!!ウ、ウチなんか嫌なこと言ってもうた??💦💦」
幼少🦁「ちゃうよ…ちゃうッ……ありがとう((ニコッ」
その後、初兎は今日お隣に引っ越してきた家の子供だとわかり俺らは仲良くなった。
初兎のおかげで他人の目が気にならなくなった。
自分の長い髪がより好きになった。
🐇「はぁ………やってもうたッ」
あの後、お昼を食べに屋上に来たが、初兎はさっきからそれしか言っていない。
🦁「そんな気にするようなことか?」
🐇「気にするよぉ〜(泣)」
🐇「ウチだけならまだしも、あんな言い方やと悠くんにも迷惑かかってもうたし……はぁ……ごめんな…悠くん」
眉毛を下げて笑う初兎の頭をワシャワシャと撫でる。
なになにッッ!!??っと騒ぐ初兎を放って撫で回す。
満足して辞めると、初兎はぶつくさ文句を言いながら髪を整え始めた。
🐇「もー…なんなんよ悠くん…?」
🦁「……フッ……別に♪」
🐇「?」
初兎との恋人ごっこが始まってから早2週間。
俺は今、知らん奴らに校舎裏に連れてこられとる。
🦁「……なんか……用っすか…?」
生徒『あの有栖の彼氏って言うからどんな奴かと思ったら……ただの陰キャじゃねぇかよw』
生徒『こんな奴が好きって有栖も趣味悪ぃなww』
生徒『まぁ、どうやったのかは知らねぇけど……なぁ、あいつの胸ってやっぱ柔らかいのか?』
🦁「……は……??」
男たちはニヤニヤと気持ちの悪ぃ顔をし、一人の男は俺の肩に腕を回して話し続ける。
生徒『お前だってあいつの体目当てで付き合ったんだろ?』
生徒『なぁ、なぁ……金は払ってやるからお前の彼女俺等にも貸せよ♪?』
理解をした。
こいつらは初兎のことを気色の悪い目でしか見ていないのだと。
生徒『おーい……なんか言ったらどうよ?w』
バキッ
気づけば、男たちは地面に転がっていた。
🦁「………あー……やっちまった。……まぁ、ええか」
🦁「にしても、陰キャか………うーんッ……」
🦁「……やるか」
🐇「あ……え…??…えー????」
🦁「……w……なんやねんその反応?……おはよう♪」
🐇「お、おはよう?……やなくてッッッ!!ど、どないしたんや悠くん!!??」
初兎が驚くのも無理はない。
ピアスの穴を隠すために下ろしていた髪の毛を結び、顔を隠すためにかけていた伊達メガネをとった。
家でしか見せないその姿に初兎は困惑を隠せないでいた。
🐇「ほんまにどないしたん?」
🐇「悠くん、顔見せるのめっっっちゃ嫌がってたやん!」
🦁「あー……まぁ、ちょっとなw」
🦁「…………」
🦁「なぁ、初兎?」
🐇「なんや?」
🦁「変や……ない?」
🐇「………かっこええよ!!!!」
🦁「……良かった((ホッ」
🐇「………ブーーーーッッッ💢」
悠くんの席を囲うようにして話しかける女子たちを睨む。
学校に来て早々、悠くんのことを見たクラスの人たちは目の色を変えて悠くんに話しかけた。
今まで悠くんに話しかけることなんてなかったくせに。
掌返しもいいところだ。
ていうか、その人ウチの彼氏なんやけど!?💢
ごっこやけども!!💢
🐤「荒れてるねぇーw」
🐇「!…りうちゃん」
🐤「アニキ取られて不貞腐れてるんだぁー♪((ニヤニヤ」
🐇「………やってウチの彼氏やもん」
🐤「ごっこでしょ?」
🐇「うッ……そ、そうやけどさぁ…」
🐤「もー……素直に付き合ってくださいって言えばよかったのに」
🐤「なーんで…恋人のふりになっちゃうかなぁ??」
🐇「返す言葉もありませんッッッ!!」
🐤「……期限付きなんでしょ?」
🐇「……」
そう、この関係は期限付き。
期限は高校を卒業するまで。
お互いに好きな人ができたらその時点でこの関係は解消。
わかっとるよ。
ウチらはもう高3。
そして今は11月。
この関係は……もうすぐ終わり。
🐤「アニキに……告白しないの?」
🐇「…………悠くんは……ウチのこと…ただの幼馴染としか思ってへんから」
🐤「……それはわからないよ?(確実に両思いなんだけどなぁ……w)」
🐤「まぁ、告白するしないは初兎ちゃんの自由だけど……アニキかっこいいし……取られちゃうかもよ?」
🐇「ッ……りうちゃーーんッ((ポロッ」
🐤「!?……だ、大丈夫だからッ!!ね!?」
🐤「(お願い初兎ちゃん泣き止んで!!さっきからアニキからの殺気が怖いんだよッッ!!)」
🐇「………………」
🦁「…………」
いつもなら会話の弾む帰り道も、今日は初兎がずっとだんまりや。
朝りうらとなんか話してたみたいやけど……それが関係しとるんかな…?
歩いていると、初兎と出会った公園が目に入った。
初兎を誘い、公園のベンチに座る。
公園の中にあった自販機でお茶を買い渡すと、小さくありがとうと言われた。
少しの間、お互いお茶で体を温め一息つく。
🦁「なぁ、初兎?」
🦁「今朝りうらとなんか話してたみたいやけど……なんかあったんか?」
その質問に対し、初兎は少し体をビクつかせた後、小さく首を横に振った。
🦁「…………」
🦁「そんじゃぁ……俺……なんかしてもうたか?」
🐇「悠くんは…なんもしてへんよ……」
🦁「ほな、一体何があったん?」
🦁「俺、初兎の笑っとる顔が好きやから…笑ってへんと悲しいんやけど…」
🐇「…………」
🐇「ッッッ!!!??」
🦁「…………////」
耳まで赤く染めた悠くんはそれを紛らわすようにお茶を口には運ぶ。
なんでそんな………期待させんといてや…ッ…。
🐇「悠くん……あかんよ……そんなこと平気で言ってもうたら」
🦁「…………」
🦁「言ったらなんなんや?」
🐇「……勘違い……してまうやんッ((ニコッ」
🦁「………!」
初兎はあの日。
恋人ごっこを持ちかけてきた日と同じような不安そうな顔をしていた。
🦁「勘違い………してええよ」
🐇「へ……?」
🦁「せやから、勘違いしてもええって言ったんや」
🦁「初兎………俺はお前が大好きや」
🦁「恋人ごっこやなくて……この先…何年…何十年ってお前と一緒におりたい」
🦁「初兎!!……俺と……結婚してください」
🐇「…………」
🦁「……あ…!」
🦁「悪い初兎ッ!付き合ってもないのに、勢い余って結婚って言ってもうたッッ!!」
🦁「……はぁー……」
🦁「………俺……カッコ悪////」
自分の余裕のなさに呆れて顔を両手で覆うと、その手を退かされた。
🦁「……?…初兎?」
🐇「………」
🐇「ウチも……悠くんが…大好きです」
🦁「!」
🐇「ウチと…ッ…結婚してくださいッ♪((ポロポロッ」
涙をポロポロと流し、笑う初兎を優しく抱きしめる。
その顔に……もう不安なんてなかった。
終わり
・・・
読み切りにしようとしたら想像以上に長くなりました!
見てくださりありがとうございました!!