テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
夜。テソンの部屋は静かで、ほんのり熱がこもっていた。
ベッドに横たわる彼の頬はうっすら赤く、額には冷えピタ。
「……大丈夫?ほんとに熱、下がってないじゃん。」
そう言いながら、ジヨンはベッドの脇に座って、
濡れたタオルでテソンの額をそっと拭う。
「……うん、大丈夫……これくらい、平気……」
「平気じゃないでしょ。声もちょっと掠れてるし……今日はもう、寝よう?」
優しい声。
それだけで安心して泣きそうになるほど、心がほどける。
だけど──
身体のどこかが、どうしようもなく疼いていた。
「……ねえ、ジヨン。」
「ん?」
「……キス、してくれない?」
ジヨンが一瞬、目を見開く。
「……テソン?」
「だめ……?」
その声は、いつものテソンじゃなかった。
弱ってるのに、どこか切なくて、欲しがってて、
ジヨンの理性を一瞬で削った。
「……テソン、熱あるんだよ?そんな時に、そんな顔で誘うとか……ずるい。」
「……熱のせいにして、いいから。」
そう囁かれた瞬間、
ジヨンはそっとテソンの唇にキスを落とした。
最初は優しく、深く──
でも、触れ合うたびにお互いの温度が上がっていく。
「……やっぱ、やばいな……」
ジヨンの声が低く濁っていく。
「この顔……声も、全部……熱のせいなんかじゃないでしょ?」
「……ジヨン……もっと、して……」
「だめだよ。……そんな声出されたら、俺、止まれなくなる。」
テソンの身体をそっとベッドに押し倒す。
体調の悪い身体を気遣いながらも、
ジヨンの手は確実に欲望をなぞる。
「……苦しかったんだろ?ずっと、俺に触れてほしくて……」
「……うん……ずっと……」
「いいよ。じゃあ、ちゃんと俺が……感じさせてあげる。」
シャツの裾から忍び込んだ手、
熱の上に熱を重ねるように、
テソンの身体は微熱とは違う震え方を見せ始めた──
「……テソン、ほんとに、やめられないからな?」
耳元で低く囁くジヨンの声に、
テソンは小さく首を振った。
「……やめなくていい。……ジヨンが欲しい……」
その瞬間、ジヨンの瞳が獣のように色を変える。
「……もう、知らない。」
押し倒された身体に、ジヨンの手が迷いなく入り込む。
熱に浮かされた肌を、冷たい指先が這うたび、
テソンの喉からはか細い声が漏れる。
「っ……く、あ……んっ……」
「……声、我慢しないで。もっと聞かせて。」
優しく言いながらも、ジヨンの手はどこまでも強引で、
でも愛おしさが溢れていた。
「……ジヨン、そこ……っ、だめ、強く……っ!」
「……だめ、じゃなくて“してほしい”でしょ?」
わかってるくせに、わざと優しい声で責めてくる。
その声が、頭の奥まで溶かしてくる。
シャツはすでにめくり上げられ、
汗ばんだ肌をジヨンの舌が這う。
「……ほら、身体は正直だね。」
熱に濡れた瞳を見上げながら、テソンはかすかに震えた声で言った。
「……ジヨン……お願い……もう……奥まで……」
「──可愛すぎるよ、テソン。」
その一言のあと、
ジヨンはゆっくりと身体を重ねた。
最初は優しく、でも深く。
テソンの中へ、確かに、侵入していく。
「っ……んっ、ぁ……!」
苦しそうな声に一瞬手を止めるジヨン。
でも──
「……いい、動いて……ちゃんと、ジヨンのが、欲しい……」
その言葉が、ジヨンの何かを完全に解いた。
「……わかった。じゃあ、最後まで。」
ぐっと奥を突くたび、
テソンの身体が跳ねる。
「っ……っ、あ……ジヨン……っ、そこ……だめ、っ、熱くて……っ!」
「……泣いてる。」
「っ……だって……きもち、よすぎて……」
テソンの目元から、涙がすっと伝う。
「……かわいすぎるだろ……テソン……」
ジヨンの動きは止まらない。
むしろその涙に、もっと奥を、もっと深く──欲しくなる。
「……イきたい?」
「……っ、うん……ジヨン、もっと……」
最後の一突きで、
テソンは全身を震わせて達した。
「っ……ん、ぁ……ジヨ……」
そのまま、ジヨンも熱く果てた。
しばらく動けないほどに抱きしめ合いながら、
ジヨンはそっとテソンの髪を撫でた。
「……やっぱ、熱あったくせに……エロすぎ。」
「……熱のせいに、して……?」
「……無理。これは完全にテソンのせい。」
ふたりの間に、静かな夜が落ちた。
END