今回は、
‘‘☔︎Ame.様と大神優香様の合同コンテスト‘‘
に参加させて頂きます。
「君の小さな手を握る_。」
※ご本人様とは関係ありません。
キャラ崩壊⚠️
🩸表現あり。
(朝)
ピピッピピッ_
りうら)うぅ…朝…
ズキッ!…
りうら)ヴッ…
最悪だ…。頭痛い…。
俺は朝起きるのが苦手だ。 なのに、そこに頭痛まで加わると、 最悪な気分になるのは当然だろう。
りうら)いったぁ…
頭痛薬でも飲もう。それでなんとか乗り切らなければならない。
だって今日は、
ないくんと歌ってみたの収録をする予定があるから。
俺は最年少だ。
コロナ禍で無気力になっていた俺を救ってくれたないくんには恩がある。
その恩は頭痛なんかで予定をキャンセルできるようなものではないのだ。
ないくんの家に行く約束の時間は1時間後にせまっている。
顔を洗って、髪をセットして、朝ごはんは…食べる時間がないから薬だけ飲んで…
ズキッ_
りうら)ぃ”ッ…
起き上がろうと体を動かす度に激しい痛みに襲われる。
が、そんなことを言っている時間は無い。
りうら)…さっさと支度しよ…
どうせいつもの偏頭痛的なものだろう。
薬を飲めばなんともないはず、
だと思ったのに…_
すべての支度をして家を出る。
ズキズキ_
りうら)っ…
まだ薬が効かない…。
というか、さっきよりも酷くなっている気さえする。
りうら)フラフラ_
足元がおぼつかない。視界が恐縮してくる。
激しい頭痛に加えて、なんだか吐き気まで
込み上げてくる…。
りうら)ない…く…
……トサッ_。
薄れていく意識の中、俺は今一番会いたい人、会わなければならない人…○○して欲しい人の名前を呼び、
なにか温かいものにその身を任せた_。
りうらが遅い。
いや、まだ約束の15分前ではあるんだが…!
ないこ)よし、良いこと思いついた…!
玄関の門に隠れて、りうらが来た時びっくりさせてやろう!
いつもみたいに「ないくんきもい」という 罵倒を浴びるのか、はたまた、怖がって抱きついてくれたりするのだろうか…
などと、都合のいい妄想をしていたら、向こうから金色の髪がちらちらと見えてくる。
ないこ)……ん…?
だが、明らかに様子がおかしい。
金色の髪は左右にフラフラと揺れ、
足元もなんだかおぼつかない。
ないこ)…!りうら…!
気付いた時にはもうすでに、
俺の体は走り出していた。
トサッ__。
ないこ)おっ……と…
りうら)ハァハァ…
熱い体に火照ったほっぺた…。
俺の腕の中に横たわる小さな体の異常さに
思わずおでこを触る。
ピトッ_
りうら)ビクッ!…ハァハァ…
ないこ)…熱い…
明らかに元気な人の体温ではない熱さが、小さな体を抱いている腕から全身に伝わってくる。
発熱に加えて、意識も朦朧とし、体全体の力が抜けてぐったりとしている。
むろん、歩ける状態ではない。
俺はその小さな体を抱え、自分の部屋へと運んでいった。
パチッ_。
目を開けるとそこには知らない天井があった。
ここは一体どこなのか…
りうら)ッ…ゥ…ハァハァ…
そんなことを考える暇もなく、すぐに気を失いそうなほどのしんどさが体中に伝わってくる。
??)りうら…?
りうら)ぇ…
朦朧とする意識の中、聞き覚えのある優しい声がはっきりと聞こえてきた。
ないこ)りうら、まだしんどい?
どこか痛いところある?
りうら)…ない…くん…
ポロポロ…
思わず涙が溢れた。
頭が痛い、足が痛い、腕が痛い、めまいがする、体中が熱い……
体は悲鳴をあげていた。今まで経験したことがないくらいしんどかった。
りうら)ない…くん…、
ごめんなさい…ポロポロ
なのに、出てきた言葉はこの一言だけだった。
りうら)ごめんなさい…ポロポロ
とっくに限界を超えているらしい体から聞こえてきたのは、弱々しいこの一言だけだった。
もちろん最初は怒るつもりだった。
なぜ無理をしたのか。なぜ起きた時に体調が悪いことを連絡してくれなかったのか。
なぜ「助けて」って言ってくれないのか_。
りうら)ハァハァ…ポロポロ
しかし、息を切らしながら、涙を流すりうらに怒れるはずもなく、ただ俺は声を掛けることしかできなかった。
ないこ)りうら、大丈夫、
俺がそばにいるからね…
りうら)ハァハァ…ビクビク…
しんどさと寒気からだろうか、体が震えている。
掛け布団から小さな手がはみ出ている。
いつもは生意気な態度をとるりうら。歌も上手いし絵も上手いし…
だからこそ忘れていた。
りうらは最年少だ。いれいすに入った時は、まだ高校生だった。大人になりたての、俺から見たらまだまだ子供だ。
ギュッ_
俺は思わず小さな小さな手を握る。
発熱のせいで冷えたその手を優しく握る。
俺の体温を伝えるように…
朦朧とする意識の中、冷えきった手に温もりが伝わる。
俺よりも大きくて優しい手…
俺はこの手にずっと触れていたい…
安心した俺は、また、意識を落とす_
夜
りうら)スースー_
ピトッ_
りうら)ビクッ!…
…ないくん…?
ないこ)あ、りうら、
起こしちゃってごめんね
りうら)…
ないこ)熱は昼間より下がったっぽいな…
しんどいところある?
りうら)…頭…
ないこ)そっか…ナデナデ
りうら)ぅ…
ないこ)俺もそろそろ寝ようかと思ってね、
もし、夜中体調が悪くなったら、
ちゃんと言うこと
りうら)…
ないこ)うーん、そうだな…
あ、ピアス…!
ないこ)しんどくなったら俺のピアスを
引っ張って、
りうら)…
…痛いよ…?
ないこ)大丈夫!
遠慮なく引っ張ること!分かった?
りうら)…コクッ…
ないこ)よし…!
じゃあ、おやすみ
りうら)おやすみ…
夜中
ズキッッッッ!!!!_
りうら)い”ッ…!!
ヴッ、ァ”ゥ…ハァハァ…
突然、激しい痛みに襲われた。鈍器で頭を殴られたような、そんな痛みだ。
りうら)ヴッ、ヴァ…ハァハァ…
どう…しよう…
痛い痛い痛い痛い痛い痛い___
「しんどくなったら俺のピアスを引っ張ること」
「遠慮なく引っ張るんだよ」
りうら)でも、ハァハァ…絶対…ぅッ…
ズキッッ_!!
りうら)ッ……
クイッ_
クイッ_
ないこ)…っ…
耳に違和感があった。
と、同時にすぐに起き上がり、
頭を抑えてうずくまるりうらに急いでかけよる。
ないこ)りうら…!
りうら)ない…くん…ぅ…
頭…割れそう…ッ…ポロポロ…
ないこ)っ…
ギュッ_
りうら)うぅ…
俺はその小さな体を抱きしめる。
ないこ)大丈夫、大丈夫だよ
ギュッ_
りうら)っ…ポロポロ
助け、て__
ないこ)っ…!
やっと言ってくれた。
その言葉の通り、俺はずっと、りうらが落ち着くまで抱きしめた。
りうらの震えが止まるまで…
りうら)スースー_
ないこ)ナデナデ_
やっと落ち着いてくれた。安心して眠れているみたいで良かった…
ポタポタ_
ないこ)ぇ…
違和感の正体…。
耳から血がたれていた。
ないこ)…やば、止血…
ギュッ_
ないこ)…ぇ…
りうら)ギューー…!
ないこ)……笑
これじゃ、止血できないな…笑
小さな手が俺の服の裾を弱々しくも強く握りしめている。
朝
パチッ_
りうら)ぅ……
…ぇ…
目が覚めると、隣には、血だらけの枕で寝るないくんがいた。
りうら)うぇぇぇぇぇ!!!!__
りうら)うぇぇぇぇぇぇ!!!!
ビクッッ…!
ないこ)り、りうら…?!?!
どうした?!?!
りうら)…血が…
ないこ)…
…ぁ…
そこには真っ赤に染まった枕があった。
昨夜、りうらに服を握られ、そのまま寝てしまった。
何も知らない他人から見ると○人現場に見えなくもない…。
ないこ)えーと…これは…
りうら)…りうらのせい…?
ないこ)違う!!!(即答)
ギューー!!!
俺は反射的に抱きしめる。
りうら)うぅ…ないくん…
ないこ)ギューー!!
頼ってくれてありがとう_。
りうら)…ぇ…
俺はいれいすという、いずれ誰も見たことがない、大きな夢を叶えるグループのリーダーだ。
もっと、頼りになる存在になる_。
そう心に誓い、さらにいっそう、腕の中にいる小さな体を抱きしめる。
りうら)うぅ…
…ないくん、きもい…
ないこ)え、
こうやって、頼られるリーダーは今日もまた最年少からきつい罵声を浴びるのだった。
_end_
素敵なコンテストを開催してくださり、
ありがとうございました🍀*゜
コメント
6件
参加ありがとうございます🥹💖 見るの遅れてしまってすみません😖🙏🏻 すっっっごく素敵な作品でした…✨ 好みすぎましたぁぁぁ😭 神作ありがとうございます🫶🏻
え、最高すぎ… 逆にどうやったらこんなに書けるのか不思議なんだけど…。 ((↑めっちゃ褒めてるつもり!!