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初めてあったのは高校生の時、といっても廊下で何度がすれ違ったくらいだった.同じクラスになることはなかったし話しだことも勿論なかった.

大学生になったはじめの頃、たまたまネットニュースを観ていたら彼の画像が載っているのを見た.そこに映っている彼はキラキラしていてとにかく輝いていた、その画像1枚で私は彼の虜になった.

それから彼の情報を集めた.アイドルであること、次のライブはいつやるか、グッツ情報など

勿論、ライブも観に行ったしグッツも部屋いっぱいが彼で埋め尽くされてしまうほど集めた、私は完全に彼を中原中也を推していた.これが不運な私にとって唯一の幸運な出会いだった.

だけど、今思えばこれが1番の不運でしかなかった


「中也〜!最高だよ〜〜〜!!」

右手にはウインクしてと書かれてあるうちわを、左手には推しカラーのペンライトを持って推しのライブを楽しんでいた.

周りには女子しかいないけど…そんなことは関係ない.私は今推しのライブをファンとしてみているだけなのだから.それにしても…かわいい!私の推し本当にかわいくてかっこいい!!

「…あ、ウインク…」

え!え!え!!!い、いいいいいいま私にしてくれたよね!だって私のうちわ…推しからファンサを貰えるなんて!今日はいい日だなぁ〜

握手会緊張する〜!えっと話すことは〜…

[次の方〜どうぞ]

「は、はい!」

「え、ええええっとあの!大好きです!!今日のライブみょ最高でしたッ!」

あぁぁぁぁ〜噛んじゃった噛んじゃった!!さいっあく!

「え、えっとそれで…あの…」

『ふはっ、そんな焦んなって』

「は、はひ!」

『いっつもライブ来てくれてるよな』

「えっ、」

『男性ファン珍しいからよ、せっかくだし名前聞いてもいいか?』

「あッ、はい!太宰治です!!」

『へぇ〜.治、な!また来てくれよ』

「は、はいッ!」

推しの手触っちゃった!それに名前呼ばれた!!しかも下の名前!!!

今年の運は今日で使い果たした気がする、本当に今日は最高の1日だったなぁ〜、家に帰ったらとりあえず今日買ったグッツを飾ってそのあとは〜

ドンッ

いきなりぶつかった、というかぶつかられた.もう、誰だいこんなときからぶつかってくるなんて、しかも後ろから…まあ今日は気分がいいし、私が謝ってあげようじゃないか.

「すみませ…」

『すまねぇ!ちょっと急いでてって…あ、』

「え、…え!?なんでここに中也が!??」

え、うそうそこんな偶然ある!?

『ちょ、俺の名前大声で言うんじゃねぇよ.バレちまうだろうが』

「…バレるって誰に?」

『今跡付けられてんだよ.ファンにな、結構前から付きまとわれてて…って、あ』

「そんな!そんなことをするファンが…」『手前!』

「は、い?」

『手前の家にしばらくいさせてもらえねぇか?』

「はい!………はいぃぃぃ!!?????」


そんなこんなでなんやかんや中也さんを家に入れることになった

「あの…散らかってますが…、」

『そんなこと気にしねぇよ、こっちが頼んで入れさせてもらってんだしな』

「はい…、あ………」

『うおっ!』

ああーーー!!推しに推しのグッツ見られてる!恥ずかしいッッ

「す、すみません…」

『俺のことめっちゃ好きなのな(笑)』

「はい!勿論です!!私、中也さんと出会えたことが人生で一番の幸運で…」

『ふはっ、なんだそれ大袈裟すぎるだろ.けどまあありがとな?』

…いま私…推しに頭を撫でられてる??…やばい、もう今日が命日でもいい.


そんなことを思った次の日から、私は誰かに後をつけられるようになった.ストーカーというやつだろうか?でも後をつけてくるだけで私に危害を加えてくるわけじゃないし、変な手紙を送ってくるわけじゃないから、最初は物好きな人もいるんだな〜と思うくらいでそこまで気にしてはなかった、だけど最近はだんだんすることがヒートアップしてきてる気がする.私の部屋にあるものがなくなっているのだ.それに写真、私の写真が入った封筒を送ってくるようになった.どうやら、盗撮もされていたらしい.そうなるとかなりやばいのではないかと思ったけれど相談する相手もいない、今はどうすることもできないのだ.

ドンッ

ぶつかってしまった、今度は私から.

「すみません、急いでいて…」

『いや大丈夫だって…』

「あ、中也………中也!?」

『声デケェって、奇遇だな』

「あ、き、奇遇ですね!!というかさっきはぶつかってしまい申し訳ありませんでしたッッ!!!」

『元気だな手前…、でもちょっと顔色悪いんじゃないか?』

「そうですか…?」

『嗚呼、ここから近いから俺の家来い.この間のお礼もしてぇしな』

「えっそんな!だだだだ駄目ですよ!!アイドルが一般人を自分の家に入れちゃ…」

『俺が良いって言ってんだからいいんだよ.いいからついてこい』

「はい…」


「お、邪魔します…」

こ、ここここが中也の部屋……、ていうか私、いま推しの部屋にいるの!?流石に夢だよね!?

「…いたい…」

ほっぺをつねっても痛い、ということは現実!!!どうしたんだろうライブの日から、もしかして私にも運が現れた!?!?

『なんか飲むか?』

「あ…いえ、お構いなく…、」

『…まあ、飲めよ.珈琲でいいか?』

「はい、…有り難うございます.」

お気に淹れた珈琲を飲む…最高だぁ

それにしても…広くて綺麗な部屋だなぁ…意外と生活感あるし…

『珈琲、暑いから気おつけろよ』

「あ、はい…ゴクゴク、美味しいです」

『そりゃよかった』

「…お手洗いお借りしてもよろしいですか?」

『嗚呼、そこでて右だ』

「はい」


「スッキリした〜…それにしても廊下広いな…」

部屋の電気が隙間からみえるからどこの部屋だったかはわかるけど…、・・・ん?

「なんだろうこの部屋、さっきの部屋じゃないよね…」

う〜…気になる、めちゃくちゃ気になる!!

「…ちょっとだけなら……」

ガチャ

「失礼しまぁ〜す…………え…?なんで…」

その部屋には私の写真が壁に貼られてあった.どこを見ても自分がいる.

「…これ…なくしたはずのハンカチ…」

そういえばストーカーに取られたであろうものがここに全部ある………どういうこと?

「もしかして中也さんが私のストーカ‐…ングッ 」

その時私は後ろからハンカチで口元を押さえられた、そのあとしばらくの記憶ない.

『はぁ〜あ、駄目だろ治?勝手に部屋の中覗いちゃ…でも覗いても逃げなかったってことは俺のこと好きだってことだよな?? 』

『嗚呼…安心しろよ治、手前の面倒は俺がこれから見てやるからよ.だから二人で暮らしていこうな?治❥』

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コメント

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あああああめっっちゃ好きです……!!!!そもそも太ちゃんが中也のオタクっていう時点で可愛さレベチすぎます!!だざちゃんの行動一つ一つ可愛好きで失神できます。神ストーリーをほんとありがとうございます😇😇

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