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私は、みんなとは”違う”世界で生まれた
言語はみんなと同じ
二足歩行なのも同じ
哺乳類なのもみんなと同じ
なのに、みんな私を仲間外れにするの
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私は、学校にドレスを着ていくことが普通
みんなは違うみたい
私は、耳が大きいことが普通
みんなは私よりも小さいみたい
私は、髪が白いことが普通
みんなは黒色みたい
私は能力が使える
みんなは使えないみたい
みんなみんな、私と違う
同じ、人間なのに
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「君が、新しく来た子かい?」
最初に日本の学校に来たのは小学四年生だった気がする
先「なぜ、ドレスを着ているんだ」
先「しかも、耳に飾りをつけて!」
先「すぐに取りなさい!!」
初っ端から先生に怒られた
私にとっては普通だったから、意味が分からなかった
「ドレス以外に着替えました」
ていとうに、近くの服屋で買った変な服を着てきた
そうしたら先生はこんなにおかしな服でも許してくれた
先「耳飾りを取っていないじゃないか!」
耳飾り…?
今日はピアスを付けていない日だったはず…
先生が強引に私の耳を引っ張ってくる
先「なんで外れないんだ!」
何を言っているの?
それは、私の耳だよ?
「それは、本物の耳です…」
先「早めの中二病か?やめろ」
ちゅーにびょー?
知らない言葉で混乱しながらも説得を続ける
「ただの耳です、痛い…やめて…」
先「嘘を付くな!早く外せ!」
母「ちょっと!何をするの!」
父「娘に手を出すな!!」
お母さん…、お父さん…
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先「家族揃って中二病なのか」
父「これは飾りではなく、本物の耳です」
母「だから、さっき引っ張っても取れなかったんだよ!クソ教師!」
父上は冷静に会話をしていて、
母上は怒り狂った表情で話していた
難しい言葉ばっかりだったけど、
私のために怒ってくれていることは分かった
先「そんなわけがない」
父「〜〜っ!!」
父「……こっちに来い」
「う、うん?」
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父「使える魔法は、『幻』だったよな?」
「うん」
父「なら、幻で耳を小さくできないか?」
「できるよ」
父「なら、これからはそうして学校に行ってな」
「分かった」
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どういうことか分からないけど、幻で小さくして先生の前に行った
先「やっっと、取ったか」
先生は耳を見て、おこることをやめたみたい
先「よし、ガトー?だっけ?」
先「こっちについて来い」
これから教室に行けるのかなぁ!
新しい友達、できるかなぁ!!
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先「席に着け」
先「転校生だ」
先「ガトー・ブライアンだ」
先「仲良くしてやれ」
「よろしくお願いします」
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私の席はここかぁ!!
後の席で嬉しいな…!
そう思っていると、隣のお友達が話しかけてくれた
友「おい、お前、ブライアンだよな」
「うん、よろし…」
友「なんで、カタカナなの?漢字は?」
「か、漢字…?」
漢字ってなんだろう
わたしは、ひらがなとカタカナしか知らない
ク「あとさ、なんで髪が白色なの?染めた?だめだよ、染めたら」
「あ、あぁ…そうだね…っ!」
ク「なんでみんなと違うの?」
「違う……」
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それから私は、みんなに合わせるように
漢字を覚えて、
能力で髪を黒く見せて、
耳を小さくした
大好きなドレスだって我慢した
なのに、まだ違うって言われちゃう
今度は、目の色が違うみたい
みんなと違うから、避けられていた
一人ぼっちの学校生活だった
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なんだかんだで高校生
改名もして、みんなに馴染むようになってから、
お友達も増えた
でもね、お友達の一人は変な子だったの
友「優香ってさ、なんか隠してる?」
「……え?」
友「いや~、何かさ、溜め込みそうな性格してるから」
よく分からないことを言ってきた
友「何かあったら相談してよ〜?」
「ありがとう」
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家に帰る途中で
さっきのことを思い出す
「相談…か…」
辛い
辛いよぉ…
でも
相談していいのかなぁ…?
「うぅっ……ぐすっ……」
涙がほうを伝う
友「ほら、やっぱり」
え…?
友「溜め込んでるじゃん」
友「何かあったら相談しなって言ったでしょ?」
友「いいよ、何でも受け止めるから」
今の言葉で、我慢の糸が切れた
「あのね…私、みんなと違うくて…」
友「うん」
「本当はね、髪が白くて、名前に漢字が使われてなくって、」
「能力が使えて、変な見た目なの…」
「そして、耳が大きくて、エルフみたいな気持ちが悪い形をしているの」
「それを隠してたの……」
幻の能力が解けて、本当の姿が現れる
友「違くないよ」
友「だって、今、こうやって話してるじゃん」
「うぅ…うあぁああん!!」
私は人目を気にせず、懸命に泣いた
私は…
私は…
みんなと同じなんだ