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夜、アメリカの家。いつものように食卓に並ぶ肉を前に、日本はフォークを手に取る。
だが、昨日までとは違う違和感が、胸の奥で小さくざわめく。
🇯🇵「……なんだか、この色……前より鮮やかすぎるような……」
赤、白、青――国旗のような色彩は、どこか不自然で、見ているだけで胸がざわつく。
香りも、昨日までより濃厚で、どこか鼻の奥に違和感が残る。
流石に、食べる気にはならない。
だが、残す訳にもいかない。
🇺🇸「どうした、日本?顔がこわばってるぞ」
日本は一瞬迷ったが、フォークを握り直して微笑む。
🇯🇵「い、いや……美味しそうだなぁと……」
だが、口に運んだ瞬間、身体の奥がざわりと震えた。
味はいつも通りなのに、どこか――おかしい。吐き気に冷や汗が止まらない。
アメリカさんがジッと見てくる。
🇺🇸「……残したいなら、残していい」
アメリカさんが、そう冷たく言った。
🇯🇵「いやっ…残したいとかそういうのじゃなくて……!」
必死に、取り繕う。
🇺🇸「……」
アメリカさんは、今まで明るい人だと思ってたがそうでも無いのか……?
🇺🇸「……そっか」
一言そう言い、席を離れた。
🇯🇵「こ、怖かったぁ…」
なんとか、夕食を食べ終わりアメリカさんに謝ることにした。
いくら、恋仲といえ礼儀はきちんとしないと。
🇯🇵「あ、アメリカさぁーん?」
扉をノックする。
🇯🇵「居ないのかな……」
ふと、悪い考えが頭をよぎった。
今まで、入ることを禁止されてたから
気になる……!
でも、礼儀…。まぁ、今日くらいはいいでしょう!
🇯🇵「よしっ、アメリカさんもいないから…
失礼します……」
ガチャ
扉を開けると、部屋の中は薄暗く、静まり返っている。
いつもとは違う、生臭い匂いが鼻をつく。
🇯🇵「……あれ?」
足を進めるたび、視界に異様な光景が広がった。
床に敷かれているシーツの下に、見覚えのある国たちの姿。
ドイツさんや、カナダさん――そして、
🇯🇵「パラオ…っ?」
皆、動かない。血で赤く染まった体が、不自然に並んでいる。
🇯🇵「……な、なにこれ……?」
言葉が喉に詰まる。
日本の頭が真っ白になり、目の前の光景が受け入れられない。
しかし、記憶の奥の何かが、ゆっくりと線を結び始める。
皿の上の、あの肉。
あれは……あの国たち……?
🇯🇵「……ま、まさか……」
息が詰まり、身体が震える。
🇯🇵「違う、違う、そんなはずは……」
心の中で必死に否定するが、全てが繋がる。
アメリカさんの料理、色、匂い、そして消えていった国たち――
今、目の前に全てが揃っていた。
🇯🇵「……あの、お肉……私、食べてた……?」
声は震えている。
胃がムカムカする。
頭の中で理解が遅れて追いつかない。
鈍くても、ようやく事実を察し始めていた。
その瞬間ーー
ドゴッ
🇯🇵「あ”っ……?」
視界が、暗転した。
🇺🇸「今日は、最高のディナーだな…」
俺は、”1人”で夕食を食べる。
🇺🇸「うまっ……」
🇺🇸「……やっと、全部俺のものだ」
フォークを手に取り、一口ずつ丁寧に口へ運ぶ。
柔らかい肉が舌の上でほぐれ、甘く、濃厚な旨味が全身を満たす。
噛むたびに、目の前にいた日本の声や表情が脳裏をかすめる。
あの小さな体、純粋な瞳、無邪気な笑顔。
俺は、それを独占したい。
誰にも渡したくない。だから、こうして、俺の中へと仕舞う。
俺の食卓に並んだのは
ーー日本だった
ちょ、意味わからん。それに、完結ですー
前回いいねくれた人や、コメントくれた人。
それに、ここまで読んでくれた人感謝です!
ではまた!