※ス/ト/ロ/ウの曲パロ
※R18あるので、この曲を綺麗なままで終わらせたい人は読まないでください
※攻めフェラあり
桃くん視点
ご本人様とは関係ありません。
もう何年前かなんてわからないほど前のこと。あの日の秘密は死ぬまで一生、橙色に隠したまま
昼休み、校舎裏。久しぶりに2人でゆっくりしたいねと、ここに来ることにした。
賑やかな教室とは違い、放課後の教室のように静かだ。ただ人通りはあるわけで、注目を偶に浴びることがあるのが欠点。
『ないくん、手握ってもいい?』
「え、まあいいけど」
いつもの事だし、と思い許可してしまったが、横目に女子達からの視線を感じて、少し躊躇う。
「…りうら!やっぱりやめない? ここだと人いそうだし…」
『えー、わかってるけど…りうらは今繋ぎたいな』
必死に説得させるが、りうらは止める気が無いらしい。上目遣いでお願いされたら、断れる訳がなく…
「じゃあ、ちょっとだけね?」
俺が妥協して言うと、りうらは俺の手をぎゅっと握った。
と、同時に遠くから見ていた女子達の叫び声がうるさいくらいに聞こえてくる。やっぱりそうなると分かってはいたが、煩わしいのに変わりは無い。
正直言うと馬鹿だな、と思う。これはただの見世物に過ぎない…と言ったらあれだけれど、本当の俺達はこんなものでは無いし。
りうらも『あっち行こっか』なんて小声で言ってくる。俺も無言で頷いて校舎裏を去った。
俺達は何をしたって、世間の玩具になる。 物珍しい目で見てくる社会の目。どうにか俺らを普通にしようと、泣きながらお願いしてきた親。そして、遠くから好奇の視線を向けてくる同級生。
いつか引き離されてしまう運命なら、俺達しか知らない秘密で繋がっていよう。
───────────────────
すっかり夕暮れに染まった放課後の教室。
誰にも邪魔されない、今度こそは2人だけ。
ここからは2人の時間。
遠くから見つめているだけのような人は、ここでお帰り。
向こうの校舎の音楽室からピアノが嘶いていて、この時間が来たのだと知らされる。これから起こることを待ち望んでいる自分がいてなんだか少し恥ずかしい。
『ここ座って?』
そう言ったりうらが差し出したのは机で、俺はその上に座らせられた。一方りうらは跪き、まるでプロポーズのような体制になる。
それから俺の手を優しく手に取ると、 ちゅ、と手の甲に何度も唇を寄せてきた。
「っ…」
少しくすぐったくて、声が漏れる。
長いキスの後、 りうらはまっすぐな目で俺を見ながら、口を開いた。
『一生、りうらがないくんのこと守るよ』
本当にプロポーズのようなセリフを口にしたものだから、思わずクスッと笑ってしまった。
「それは、プロポーズとして受け取っていいの?」
『当たり前じゃん。…そのつもり』
ちょっと照れながら言うりうらも可愛くて自然と笑みが零れる。
と同時に、俺はトサッと机の上に押し倒された。
『いつか、本当に結婚しようね』
そう囁かれて嬉しいはずなのに、どこか寂しい気持ちになった。 何故なのかは、俺自身にも分からなかった。
───────────────────
音楽室からはあいも変わらずピアノが聞こえてきて、まるで甘い甘いボレロを踊っているようだ… なんてことを思っていると、すぐに次の口付けが落とされる。
「…っは…ん… 」
手の甲にしてもらったキスとは違う。唇の隙間から舌を入れられ、口内を犯されるような濃厚なディープキス。俺はそれに答えるように舌を絡ませることに必死だった。息ができなくて、でも気持ちよくて。1度口を離したと思うと、再び角度を変えて舌を入れられる。
「…りうら、愛してる……っ」
『ん……りうらも…っ愛してるよ…』
お互いに愛の言葉を伝え合いながら、口づけを続ける。吐息がかかりあい、心臓が脈打つのが早くなっていくのがわかる。俺の鼓動が聞こえちゃうのが何となく恥ずかしくて、どちらの鼓動か分からないように身体を密着させた。
くちゅ、くちゅ、といやらしい音が教室内に響き渡る。
頭は興奮と快楽でクラクラしていたが、もうそろそろ息が苦しくなってくる頃。
「はぁ……は」
『っはぁ…』
やっとの思いで口を離すと、閉め切っていないカーテンの隙間から夕日が漏れ出して俺たちを照らし、口と口に銀色の糸が張った。
『ごめん、今日…我慢できないかも』
そう言って俺の着ているシャツを激しく脱がしてきた。優しいりうらも好きだけど、強引で余裕が無いようなりうらだって好きだから嬉しい。
2人ともシャツ1枚の状態になると、俺の首筋に口を付けられた。キスされるのかと思ったが、そのまま軽く吸われた。いわゆるキスマというもの。
『あ、跡つけちゃった…』
「いいよ別に」
そんなこと気にしなくていい。忘れられないように、傷をつけて欲しいから。
「りうらとの跡なら、いくらでも欲しいな♡」
上目遣いと甘えた声で言ったらもっと余裕無くなっちゃうかな?なんて思い少しおちょくってみた。
『…そういうこと言うから、歯止めが効かなくなるんだけど』
案の定余裕の無くなったりうらは、首筋から下腹部まで口付けしてくる。
「ん…っ…」
焦らして欲しくなくて、もっと触って欲しくて、声が溢れ出す。
そして彼はそれを見透かしたかのように、既に勃ち上がっている俺のモノを、ズボン越しからゆっくりと触ってきた。布越しでもわかる手の感触に、熱が高まるのを感じる。
『…脱がすよ』
そう言って俺のベルトを抜き、ジッパーを下ろし、待ちきれないとでも言うように
奪うように脱がされ俺の下半身が露になる。
『足ほっそ…てかもうガン勃ちじゃん』
「…バカ……あんま見んな…」
急にそんなことを言ってくるものだから、恥ずかしくなって悪態をついた。がしかし、そんな言葉も今や興奮材料にしかならない。
『 ねぇ、ココ触って欲しい?』
そんなの言わなくても分かるだろうに、こいつは…と思う。 答えたくないけれど、黙ったままだと何もしてくれない…
プライドと快楽の欲がせめぎ合うが、俺は後者を取った。
「触って欲しいに、決まってる…っ」
『…よく出来ました♡』
満足そうな顔をしたりうらは、両足の間から顔を出して、俺のものをそっと咥える。すると、舌先で亀頭を刺激してきた。それが既に気持ちいい。
『ふふ、先っぽ気持ちいいね?』
「…きもち、い」
前より上手くなってんじゃん、なんて考えている余裕があるのは最初だけ。好きな裏筋を何度も舐められ、口をすぼめて吸われるようになると、あまりの気持ちよさに声が抑えられなくなってきた。無意識に腰を押し付けざるを得ないほど。
ソコからは、じゅぷじゅぷと淫らな音が聞こえてくる。
はぁはぁと呼吸を荒くしながら絶頂しそうになるのを耐えていたが、もうそろそろ限界 。
りうらの頭を離そうとして手を添えても、引き剥がす力が今の俺には無かった。
「っ…は、ぁも、イきそうだから …」
『あ、らひてひひほ?』
「ん…咥えたまま、喋ん、ないでっ…、」
どうやら最後まで離す気は無いらしい。最後に思いっきり吸われたことで、本当に限界を迎えた。
「ぁ、いっちゃうっ…から、っイ ッ~~~♡」
教室に一際高い嬌声が響いた後、 俺は呆気なく達してしまった。
肩で息をしながらその余韻に浸っていると 下でゴクッと飲み込む音が聞こえふと我に返る。
「バカ飲んじゃダメ…!」
『…ん、美味しい』
俺の言葉なんか聴いていないようで
べ、と何も残ってない舌を見せてきた。全くそんなことどこから覚えてきたんだか…
『ないくんのこと見てたら興奮しちゃった…♡ 』
覆い被さるように押し倒してきたりうらの下半身は痛いくらいに張り詰めていて、俺まで欲情がそそられる。
すると俺の後孔にりうらの細い指が入ってきて、 広げられ中で指を動かされた。 少しいいところに当たるだけで、腰がゆらりと動いてしまう。
さっきイったばかりだというのに、そんなことで簡単に勃ってしまうのだから、若さゆえの性欲は怖いものだ。
段々と指だけじゃ満足できなくなってきて、りうらのものが欲しいとナカがうずきだす。
「……はやく挿れて、…っ?」
『…ほんと、ないくんって煽る天才だよね』
俺の孔にりうらのものが当てられたかと思うと、ズプッと一気に奥へ入った感覚がした。
「ッ…ぁ゛!?♡」
『…っ……♡』
前立腺を押し潰されて、ばかになっちゃいそうなほど気持ちがいい。
腰の振りが止まらない。何度も何度も奥を突かれ、肌と肌が当たる音で教室内が満たされた。
もう外は暗くなってきており、顔がよく見えなくなってきている。
「り、ぅら…りうらッ……!♡」
『…な、いくっ…♡』
存在を確かめるように、名前を呼び合う。
もうそろそろ帰らなければならない。だけれど、まだ今のままでいさせてほしかった。
りうらは俺のものだ。一生、離さないで…
『…ないくんは……っりうらのものだよ』
俺達は、お互いを求め合うように激しく抱き寄せあった。強く、強く。
抱き合う度に奥に当たり、気持ちが良くてトびそうになるが精一杯りうらにしがみついた。
目には涙が滲み、視界がぼやけていく。
そんな中でも、爪を立ててぎゅぅっとりうらのことを抱きしめる。そして、りうらも同じように俺を抱きしめた。
いつまでも今日のことを忘れられないように、傷がつくように…
聞き慣れたスマホのアラーム音が、俺の耳に入ってくる。
寝ぼけ眼をこすり、辺りを見回す。もちろん教室や赤髪の彼の姿はある訳が無い。
まだぼんやりしている頭をフル回転させると、 さっきまでのそれは全て夢だったのだとわかった。
「……またか…」
高校を卒業してからというもの、このことをよく夢に見るようになった。 その度に 全部俺の空想だったのかも、と不安になる。
起き上がってパジャマを脱ぎ、鏡の前へと立つ。
後ろを振り向いて鏡を見ると、背中にはうっすらと残っている傷があった。
「っ良かった…」
ほっとため息をつく。夢が嘘じゃなかったと確認するのが俺の習慣になっていた。
背中についた傷跡はまるで羽みたいで…
俺達が社会へと飛び立ち、離れ離れになったことを示唆しているようだった。
俺は未だにあの夕暮れの時を忘れることができない。度々夢に見ては自分を慰めての繰り返し。
もう一度ベッドに寝転んで、それを忘れてしまわないようにりうらへ思いを馳せる。
「会いたい、なぁ」
__そう呟いて、枕を濡らした。