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コメント
1件
今回も最高すぎる😔💕
⚠︎日アメ
退院してから、アメリカさんの生活は大きく変わった。以前のように自由に動くことはできない。
移動も、仕事も、日常の細かなことも、誰かの助けが必要になる。
そのほとんどを、私が引き受けていた。
最初は周囲も交代で手伝っていたが、いつしか、 常に私がそばにいる状態になっていた。
🇯🇵「それくらい私がやりますよ」
私は自然な顔で言う。
書類の受け渡しも、移動の補助も、仕事の調整も、全部。
アメリカさんは最初、申し訳なさそうにしていた。
🇺🇸「悪いな、付き合わせて」
🇯🇵「気にしないでください。暇なだけですよ」
私は淡々と答える。
嘘ではない。
だが、本当の理由も口にはしない。
自分を頼らなければ生活できないアメリカさんを見ると、 胸の奥が静かに満たされることを。
⸻
日常は、思っていたよりも早く落ち着いた。
朝、日本が迎えに来る。
移動を手伝い、仕事の補助をし、帰りも一緒。
気づけば、それが当たり前になっていた。
ある日、親父に声をかけられた。
英国「今日は私が送りましょうか?日本さんも、疲れているでしょう?」
だが、日本は先に口を開く。
🇯🇵「いや、私が行きますよ」
自然すぎて、誰も違和感を持たない口調。
親父も「そうですか。なら、お願いします」と引き下がった。
俺も特に気にしなかった。
最初は。
⸻
しかし、少しずつ気づく。
日本がいるのが当然になっていることに。
一人で移動しようとすると、誰かを呼ばなければならない。
以前なら気にも留めなかった距離。
今は、簡単に越えられない。
そして、日本はいつもすぐそばにいる。
先回りして手を貸し、
「無理しないでください」と言う。
優しさのはずだった。
だが、ある時ふと思う。
(……俺、日本がいないと困るな。)
その事実に、胸がざわついた。
⸻
ある日、ドイツが仕事の補助を申し出た。
🇩🇪「今日は俺が付き添う。日本も毎日はきついだろ」
その時も、日本は即座に言った。
🇯🇵「問題ないです。私がやります」
少し強い口調だった。
場の空気が一瞬だけ止まる。
だが、日本はすぐにいつもの調子に戻る。
🇯🇵「気にしないでください。慣れてますよ」
ドイツもそれ以上言わなかった。
俺も、その場では何も言えなかった。
だが、その日の帰り道。
ふと口をついて出た。
🇺🇸「……なあ、日本。」
🇯🇵「なんですか」
🇺🇸「お前、なんでそこまで面倒見るんだ?」
日本は少しだけ考え、 軽く笑って言う。
🇯🇵「放っておけないだけですよ」
それ以上でも、それ以下でもないような声。
だがアメリカの中に、小さな違和感が残る。
放っておけない。
それは、善意のはずなのに。
なぜか息苦しく感じた。
⸻
夜、一人になって考える。
日本は助けてくれている。
それは事実だ。
だが同時に、気づいてしまう。
自分は今、日本がいないと日常を回せない。
逃げたいわけじゃない。
けれど、もし距離を取りたくなっても、 今の自分には、それが難しい。
その現実に、背中が冷える。
そして翌朝も、当たり前のように日本が迎えに来る。
ドアを開けると、 いつも通りの顔で言う。
🇯🇵「行きますよ」
アメリカは、何も言えず頷く。
頼るしかない。
それが現実だった。
***
私は、歩調を合わせながら思う。
(もう、離れられないでしょう)
その考えが浮かんでも、罪悪感は湧かない。
むしろ、安心している自分がいる。
囲い込んでいる自覚も、 ちゃんとある。
それでも、
手を離す気にはなれなかった。
日常は静かに続いていく。