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「それにね…!ドキドキしちゃうだけで、しゅんに意地悪されても、そんなに怒ってない…から」
そこまで言うと、急に敦に腰を抱き寄せられた。
「…はあ、可愛すぎでしょ」
「へっ?しゅ、しゅん?」
顔を上げると、眼前に敦の顔が迫ってきて。
「んっ…!?っ、んぅ……♡」
気が付けば敦に唇を奪われ、舌を口内で絡め取られながら蹂躙されていく。
「んあっ…♡♡しゅ、んむ……ッ、♡」
突然の深いキスに、身体に力が入らなくなり、必死に敦の胸元を手で掴む。
そして、しばらく口内を貪り合って、敦の顔が離れていく。
「はぁ……っ、はあ…待って、もう…っ、だめ…」
「……ごめん、ひろが可愛すぎて我慢できなくて」
自分の口元を手で抑えながら、そう言う敦の耳は真っ赤に染まっていた。
◆◇◆◇
翌々日───
僕は敦にとあるお願いをしていた。
「え、外でデートがしたい?」
「う、うん。僕が病気になってからしてなかったけど、その、外出も全然してないし…しゅんと久しぶりに買い物とか行きたくて…」
正直、我儘なお願いをしている自覚はあった。
病気が治ってもいないのに、外に出てまた幻覚を見たりしたとき
敦に迷惑をかけないのかと聞かれたら否定はできない。
それでも敦は、きっと迷惑だとか面倒だと思う人じゃないから。
だから真正面から、お願いしてしまった。
すると、敦は少しだけ考えるような素振りを見せたあとに僕を見据えた。
「いいけど、ひろは大丈夫?外に出るの、怖くない?」
「……正直ちょっと不安だけど…でもしゅんが一緒なら怖くないかなって。僕のわがままなんだけど…聞いてくれる……?」
敦は少しだけ困ったように眉を下げたけど、すぐに優しく微笑んだ。
「いいよ」
「本当…!?」
「うん。だけどひろはさ、もう少しだけ…自分を甘やかしてあげてもいいと思うな」
「え?」
予想外の返答に気の抜けた声を出すと、敦は続けた。
「ひろがデートしたいって言うのなんも我儘じゃないし。ひろはいつも我慢しがちなんだから、もっと我儘に生きてもいいぐらいだよ?」
「そ、そう…かな」
「うん。俺はひろにもっとワガママ言って欲しいし、なんでも叶えてあげたいから」
敦はそう言ってから、ぽんっと僕の頭に手を置いた。
「しゅん…っ、ありがとう…」
「ううん、教えてくれてありがとね。……それで、どこに行きたいとかリクエストある?」
「あ、えっと……服屋さんとか見て回りたいかも!あとカフェにも入りたくて」
「りょーかい。じゃあ明日行きつけのモール行こっか」
「うん…!楽しみ…!!」
敦と久しぶりのデートに妄想が膨らみ、口角が緩むのを抑えられない。
「ふふっ、二人きりでたくさん楽しもうね」
それは敦も同じなのか、嬉しさを噛み締めるように
僕の体を引き寄せて、優しく抱きしめてくれた。
「ひろ、大好きだよ」
「えへへ、僕も大好き…」
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