ある所に、残酷で知られる王様がいた。
王様は気に入らない者を大きな競技場に連れていき、2つの全く同じ扉の前に立たせ、どちらかの扉を開くように言っていた。
この王のなにが残酷かと言うと、
その扉の片方には、国で1番の美女、
もう片方には、ライオンが入っているのである。
美女のいる扉を選んだ者は、その美女と結婚することができた。
しかし、ライオンを選んだ者は、その場で食べられてしまう。
王様は椅子に座って見物し、とても楽しんでいた。
そんな王様には、一人娘の美しい王女がいた。
少し気は強かったが、王様とは違って優しい1面もあった。
そんな王女には、恋人がいた。
しかし、その男は、王様がおさめる国の国民だった。
もちろん、王女が結婚を許されるのは、貴族だけである。
王女と男は、付き合っていることを秘密にしていた。
そんなある日、男との文通をしていた王女は、王様に文通の内容を見られてしまった。
「お前はこんなやつと付き合っていたのか?!」
「お父様に知られてしまっては仕方がありません。
私はこの方と結婚するつもりでした。」
もちろん、王様はこの男が気に入らなくなった。
そして、あの恐ろしいイベントが開催されることとなった。
王女は、ある計画を立てた。
事前にどちらの扉にライオンがいるかを調べたのである。
そして王女は、どちらに女がいて、どちらにライオンがいるかを把握することができた。
イベント当日、王様と王女はいつものように椅子に座り、男がどちらの扉を選ぶか見ていた。
男はまっすぐ、王女を見つめた。
王女は、右の髪を耳にかけた。
男はそれを見て、迷わず右の扉へと向かった。
そして
勢いよく扉を開いた。