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(⚠️読み切りです)
_ 4月16日 午後4時11分
成歩堂法律事務所
「お … おいおい、なんで我が物顔でくつろいでいるんだ?御剣…」
ぼくが出先から帰ってきた頃には、真宵ちゃんと御剣が何やら会話をしていた。真宵ちゃんが
「ああっ、なるほどくん遅いよー!」と怒っているが、今のぼくはそれを受け流す。
「ああ、遅かったな。」
「遅かったな、じゃなくて!御剣、なんの用だよここに来て 」
呆れていると御剣はフッと微笑んだ後、机に何かを滑らせるようにしてぼくにみせた。なにかのストラップのようだ
「それ…トノサマンのストラップか?」
「あたしのお土産用かなーって思ったんだけど、違うんだって!〇〇ちゃんに渡されたらしいよ」
「へぇ…最近”お気に入り”のあの子か」
御剣は紅茶を吹き出しそうになり、すんでで止まった。ガチャりと音を立ててティーカップを置くと、法廷で見せるような指さしをぼくに突きつける
「お、お気に入りとはなんだ”お気に入り”とは!」
「いや、だって事実だろ?」
「そうですよー、この前だって御剣検事、あの子と話せたって浮き足だってたじゃないですか」
「むグッ、うううう……」
真宵ちゃんの指摘に御剣は固まり、耳を赤くさせる。やっぱり照れてるじゃないか、隅に置けないよ全く
「それで、わざわざジマンしに来てどうしたんだよ」
「ち、ちがう、これは余興に過ぎない」
「余興?」
御剣は視線をそらすと、意を決したように言葉を漏らした
「その…。女性というのは、どんなところに連れていけば喜ぶのだ」
「……………。」
「…………………。」
「き、キサマら…何とか言わんか!私は真剣に聞いているんだぞ!」
「なるほどくん、これは…」
「ああ、春が来たんだね」
「いいなあ、デート!」
「デートではない!」
御剣は身を乗り出してぼく達の会話を聞いていたが、諦めたようにソファーに座り直した。
「以前、言われたのだ。普段どんなところに出かけるんですか、と」
「はぁ」
「こ、これは私のプライベートを知りたいということだろう?」
「うん」
「だから連れていかねばならんのだ!」
「……。はぁ??(とんだ思考回路だな…)」
「き、キミたちならなにか知っているのではないかと、私がわざわざここに足を運んで…」
ぼくが呆れたように息を吐くと、真宵ちゃんがいそいそと紅茶を注ぎ直す
「いいじゃないですか!御剣検事とその子とデート!そして最後にはコクハク、とか!」
「い、異議あり!待ちたまえ、何故そのような報告に話が展開するのだ」
「でも期待してると思うなあ、コクハク」
「……。」
御剣はなにか言おうとしたが、顔を真っ赤にして押し黙った。時折こういう姿を見ていると知らない面もあるんだな、と再認識させられる。
ぼくはゆっくりと御剣の隣に座り、頬ずえをついた 。
今御剣は迷っている、御剣にとっての最大の窮地に陥っているのだ、なら親友としてかける言葉は…
「カフェ」
「か、……カフェ、だと?」
「お前、行きつけの喫茶店があっただろ?そこに連れていったらいいんじゃないかな」
「そう、か」
目を伏せていた御剣が、ぼくの話を聞いて少し口角を上げる。
「たまにはありかもしれん、それに彼女はスイーツが好きだからな」
「よく見てるんだね」
「当たり前だ」
御剣は意を決したように立ち上がる、ジャケットを整える御剣の姿は、親友ながらカッコイイなと、そう思えた
「お!その意気ですよ!頑張ってくださいね!」
「ありがとう真宵くん、いずれ吉報をお届けしよう」
「その人に勢い余って異議あり!とか突きつけるなよ」
「私は成歩堂ではないのだ、そんなことはしない」
(ぼくをなんだと思ってるんだよ!あとさっき思いっきり異議ありって言ってたけど)
kaiko.
34
充電器:アダギ
381
ヨラ@低浮上
181
(ㅣωㅣ)
219
御剣は法律事務所の扉を開けかけて、ぼくに振り返った
「……。ありがとう」
あの自信満々な表情は少しムカつくけど、まあ、そういう所もお前っぽいな、御剣。
ぼくはいい知らせが届きますように、と心の中で祈った。
コメント
1件
読みました…!逆転裁判の世界観すごく好きなので、冒頭から引き込まれました〜! 御剣検事がデート相談に来るの可愛すぎますよね…!「デートではない!」って否定しながら顔真っ赤にしてるところとか、もうツンデレの鏡です🥺 なるほどくんと真宵ちゃんが温かく見守ってる感じも、原作の空気そのままで、「あ、この人たちそのままだ」って安心しました。 短いお話なのにキャラが生きてて、読んでてずっとニヤニヤしちゃいました!素敵なお話をありがとうございます✨