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【 天 Ψ コ ン ト ロ ー ル ! 】
⚠︎︎ 斉木 攻 / 鳥束 受 ⚠︎︎
⚠︎︎ メタ発言的描写 有
地雷さん、またの機会にお会いしましょう👋
帰りのホームルームが終わり、僕は足早に図書室へと駆け込む。何でも、今日は図書室での大事な用事があるからな。挨拶が終わって早々、燃堂や海藤たちに捕まっては話にならない。なるべく人と会わないように気配を薄くし、一人で図書室に足を踏み入れることに成功した。
…さて、上手くいっているだろうか。
お目当ての時が来るまで大人しく読書をすることにしよう。
読書を始めてから五分ほど時間が経っていた。僕は高揚感を胸に抱き、ふと時計に目をやる。そろそろ向かってくる頃だろうか。
千里眼でちゃんと図書室まで辿り着けるのか見ようとしたが、その姿を肉眼で見るための楽しみに取っておいた。待ち遠しく思いながら再び本へ視線を戻すと、静かにドアを開ける音が遠くから聞こえた。
ちゃんと来た…。鳥束だ。
まだこっちの様子には気づいていないようだな。予想通り、人がいない本棚へ鳥束が向かうことを確認すると僕もそれについて行く。
彼がある本を見つけ、興味を持ち始めているところでそっと近づく。本を取ろうと彼が手を伸ばした瞬間、僕もその本に手を伸ばした。そう、あくまでも”偶然”手が触れるように。これはわざとでは無い、偶然だ。僕の演技力が試されるところだな。
「 あ、すみませ… 」
互いの手が触れ合ったところで、鳥束は勢いよく手を引っ込めた。俯きがちに謝罪をしてから顔を上げると、驚いたようにして彼は相手が僕だったということを認識する。
「 え、斉木さん…? 」
そして僕も当然、偶然彼に会ったという体で話を進める。
『 鳥束も本とか読むんだな 』
「 えっと…、なんか今日は読みたくなったっていうか…?」
自分でも分からない、と困惑したように彼は説明した。まぁ、こういう風に言うのは当然だろう。 だって僕がそう”コントロール”したんだからな。
〝上手くいっているだろうか〟とか〝予想通り〟だとか、まるで僕が最初から鳥束が図書室に来ることが分かっているような言葉。これを読んでいるそこの君も思っただろう?タイトルから見て察していた人もきっと少なくはないはずだ 。僕には都合の良い事に超能力というものがある。これは恋愛をするにおいて非常に役に立つ能力だ。例えばテレパシーで相手の気持ちを読み取ったり、マインドコントロールで思考を乗っ取ったりとか。 僕は生涯恋愛なんてする訳ないと思っていたからこんな能力必要ないと思っていたのだがな。 どうやらいつしか鳥束零太とかいう奴に好意を抱いてしまったようだ。
おっと、一人で画面の向こうの君に語りすぎてしまったな。戻るとしよう。
「 斉木さん、このあと時間あるッスか? ちょっとゆっくりしていきません…? 」
そう言い彼は人気の無い図書室の端の二人席に僕を案内した。
《 さっきの、少女漫画みたいだった… 》
触れ合った手を見つめながら、彼はそんなことを考えている。 窓からよく外が見える席に鳥束が座ると、僕はその目の前の席に腰を下ろした。
『 最近、お前と会うことが多い気がするな。運命なのか? 』
知らないふりをして少し微笑みかけると、耳まで赤くした鳥束が慌てたように視線を逸らす。
「 運命…!? いや、どうなんスかね… 」
すぐに照れてしまう君はからかっていて面白い。
「 でも確かに…。人混みの中で偶然ぶつかっちゃった相手が斉木さんだったり、廊下の角で鉢合わせたり… 」
今までのその展開を作ったのも全部僕だ。
《 あれ、でも斉木さんなら超能力で全部回避出来るはずじゃ…? 》
彼の頭に疑問が浮かんだ。やれやれ、お前がその思考に辿り着けるまでどれだけわざとらしい展開を作ってやった事か。恋愛脳のお前ならすぐ気づくと思っていたが意外と鈍感なんだな。本当は、鳥束の方が先に僕に好意を寄せていたようだから待とうと思っていたんだが。
彼の色白な手を握り、綺麗な瞳を見つめた。
もうこれ以上もどかしい関係はあんまりだ。
『 好きだ、鳥束 』
顔を真っ赤にして固まっている彼はまだ状況が飲み込めていないようだった。
「 本当ッスか…? からかってる訳じゃなくて…? 」
まさかこの僕が鳥束に疑われるなんて。心外だな。握った手にそっとキスを落とす。
『 これが嘘に見えるか? 』
少し間が空いたものの、返事をそっと待っていると彼は口を開き頬を緩ませた。
「 俺も好きッス..! 今日から恋人ッスね 」
笑みを浮かべた彼の顔に愛おしさを覚える。
「 一緒に帰らないッスか? 」
彼の誘いに乗り、荷物をまとめて二人で図書室を出た。やれやれ、僕が恋愛のために超能力を使うことになるとは生まれて死ぬまであると思わなかったぞ。恋は盲目とは本当のことだったんだな。
「 それにしても、会うことが多かったのってやっぱり本当に運命だったんスかね! それともまさか、斉木さんが全部超能力で仕組んでいたりして… 」
核心を突いてきた唐突な鳥束の言葉に体が固まる。なんだ、こいつもテレパシーでも使える超能力者なのか…?
『 そ、そうかもな 』
今は敢えて匂わせ程度にしておこう…。僕が超能力を駆使して鳥束との距離を縮めようとしてた、だなんて知られてしまったら恥ずかしくなって、鳥束を一生喋れないようにしてしまうかもしれない。だから今はまだ〝ナイショ〟だ。
画面の前でニヤニヤしているそこの君も、この事は誰にも言うんじゃないぞ?
これは僕と君との秘密に留めておくんだ。
お久で書いたから結構下手かもです (泣)
この事は楠雄くんと、あなたの秘密にしてあげてくださいね🤫💕︎