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おれの至福

1 - おれの至福〜猫の日〜

♥

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2023年02月23日

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わんくっしょん

💮この作品は、ご本人様とは一切関係ありません。💮ご本人様の目に届くようなことはしません。

💮作者の完全なる妄想物語です。


どうも、投稿速度🐢の深尾と申します。

今回は、遅刻しましたが猫の日ということで、書かせてもらいました。

駄文だし季節感無視ですが、読んでもらえると嬉しいです。

どうぞ。


✂︎—————–㋖㋷㋣㋷線——————-✂︎


「はああああっ……」

目の前の光景に、思わず声がもれた。

季節外れな陽気に誘われて近所の公園まで散歩に来た悠佑。しばらく歩いたあと、休憩しようと近くのベンチに腰掛けスマホをいじっていたら日差しの暖かさについうとうとと微睡んだ。

どのくらいそうしていたか、ふと膝に温もりを感じて意識が現実に戻される。温もりの原因を確かめるため膝の上に目をやると、そこには茶色と黒の縞模様の塊が鎮座していた。

悠佑の声に反応してその塊がピクっと動いたのを見て、あわてて口を手で抑える。幸い、塊はそのまま動くことなくまた丸まった。

膝の上に乗っている茶トラのネコ。この子は、知っている。この辺を通る度に見かける野良猫だ。ここはこの子の縄張りだったのか、はたまた絶好の日向ぼっこスポットにこれまた絶好の暖かい座布団がわりの人間がいて、ラッキーとばかりに乗っかってきたのか。いずれにせよこんな機会、滅多にない。いや、もう二度と無いかもしれない。

写真撮りたい…でも、シャッター音で起きてまうかも。そしたら今度こそどっか行っちゃうかも…

極力膝を動かさないようにしながら悶える悠佑。

もう、このまま一生ここにいる。そろそろ腰が痛くなってきたけど構うものか。

マスクで隠れていることをいいことにニヤける口元を自覚しつつひたすらこの幸せを噛み締めていた。と、スマホの着信音が鳴った。茶トラの耳がピクッと動く。慌ててスマホを確認すると、メンバーからのメッセージ。

そうだ、今日リモート会議やった。

時計を見ると、予定していた時間の5分前。そろそろみんな集まってきているようだ。


ああ、まだもう少しこの幸せに浸っていたい…。まあ、毎回遅刻してきているヤツがおるから、今日も時間通りには始まらないのだろう。今日くらい、少し遅れてもええかな?

なんて思っていたのに、今日に限ってみんな時間通り集合したらしい。悠佑の願い虚しく、時間は来てしまい会議は始まってしまった。

‪”‬あれ?あにき?‪いる?”‬

軽い挨拶を交わしたあと、ないこに呼びかけられた。会議に参加はしたものの茶トラを起こさないようにと一言も発しなかったため疑問に思われてしまったらしい。

「……おん、居るで。」

茶トラの様子を気にしながら囁くように答える。

‪”‬どないしたん?なんか…元気ない?‪”‬‪

”‬え、あにき、体調悪いの?‪”‬

「いや、そんなことないで。…別になんでもないから、会議、始めようや。」‪

”‬…そう?‪”‬

訝しがりながらも、会議を始めるメンバーたち。

起こさないように、と気を配って会議に参加していたが膝の上の茶トラの耳は、次第に頻繁にピクピクと動くようになってきた。

今にでも膝から飛び降りて行ってしまいそうな茶トラに気をとられて正直会議どころではない。

‪”‬…あにき、やっぱりおかしくない?大丈夫?‪”‬

とうとう、りうらから心配そうに聞かれてしまった。

「え、な、なにが?全然大丈夫やで。」

ちょっと焦って、少しどもってしまった。あ、と思ったがもう遅い。

‪”‬え、ほんとに大丈夫?なんかあった?‪”‬‪

”‬あにき、正直に言って!もしかして具合悪いとか?‪”‬

「いや、違うって!ほんまに別に何も…あっ!」

つい大声を出してしまうと、とうとう茶トラが動いた。悠佑の膝から飛び降り、1つ欠伸をして去っていってしまった。咄嗟に茶トラへ向けて手を伸ばせば、手がベンチの手すりにぶつかってスマホを落としてしまう。

カシャン、と音を立てるスマホ。直ぐに拾おうと腰を屈めると、長時間同じ姿勢でいたせいでピキっと痛みが走った。

「ゔっ…!」

思わず声が漏れる。途端に、スマホから聞こえてくるメンバーたちの焦った声。

‪”‬ちょっと、あにき?あにき!‪”‬‪

”‬どうしたの?何があったの?返事して!‪”‬‪

”‬悠くん!なあ、悠くんて!‪”‬‪

”‬あにき!今、行くから!待っとって!‪”‬‪

”‬あにきぃぃ!僕らを置いて行かないでえぇ!”‬

「ちょっ‪…、みんな、待っ…!」

慌ててスマホを拾うも、すでに通話は切られていた。

ああ…やってもうた…とにかく、謝らなな…

これから起こるであろう惨劇(喜劇?)にゆううつになりながらもここまで心配してくれるメンバーに少しの喜びを感じながら、悠佑は家への道を急いだ。


1時間後、肩で息をしながら駆け付けたメンバーに事の次第を話した結果、手料理を作らされた悠佑だった。


𝑒𝑛𝑑

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