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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「ダマッテホシイ 」

君にも黙って欲しい。なんて言うのは、多分怪物のやることのはずだ。それより、三枝が今知りたいのは、なぜ人間が怪物になってしまったかだ。三枝は顔を伏せた。気分が悪い。彼等の顔を見ただけで吐き気がする。恐ろしい、おぞましい、憎らしい、いっそこの手で崖にバーンと……。そこまで嫌っちゃいないんだ。

 時計の針が8時20分になってチャイムは鳴った。この時間は本を読む時間だろうに、彼等はまだうるさく鳴き喚いている。ああ帰りたい。

「ネエ、三枝」

話しかけるな。とは言わない。三枝はそう心に決めていた。三枝は人間だからだ。

ああ、帰りたい。

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