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─翌朝
バッと飛び起き、スムーズに支度する。
そして、毎日のお弁当の具を詰めていく。ピンクのお弁当箱で可愛い花柄の蓋をはめる。
少し歪な卵焼き、ちょっと可哀想なタコさんウィンナー、唯一被害なしのミニトマト、切り方をミスって細々したリンゴ。
絵面は地獄である。
(こりゃ、神様もビビるお弁当だ、、、)
そんな、最悪なお弁当をカバンに入れ家を出る。
(いい天気だな〜!)
ルンルンで見慣れた景色の道を歩いていく。
家からは徒歩で通っている。歩いて片道20分程度。体力はそこまで無いので、少し歩いただけでも、ヒーヒー言っている。
目的地まで歩き、校門をくぐる。
「おはようッッッ!!!!!!!!」
─────クソデカボイスの先生が現れた──────
▶逃げる
▶攻撃する
▶︎挨拶を返す
「おはようございます。」
私は挨拶を返した。
って、思考がゲームみたいになってしまった。
あれは、学校名物先生の、大木先生だ。
毎朝校門の前に立ち、ああやって、でっかい声で挨拶をする。
私の学年の体育を担当する先生で、熱血派。おまけに、生徒思いな先生でもあるため、暑苦しいのだ。
別に嫌いじゃないよ!!!?
ただ、少しうるさいかもしれないって思うだけだ、うん。
そんな、先生の熱い視線を軽くスルーし、教室へ向かう。私のクラスは3階だ。
4階まである学校なので、登るのはまだマシな方。
教室へ入ると、キャラ弁の男の子、そう私が探していた『春川』さんだ。
相変わらずの、怖い顔で、スマホをいじっている。
話しかけるのはハードルが高そうだ。
(どう声をかけたらいいものか、、)
考えを、募らせたまま、授業をボーッと乗り越え昼休みに入る。
友達のサナは、図書委員の仕事があるため向こうで食べるとのこと。
はてさて、私はどこで食べようか、、、、。
屋上へと登り、重たく古びた扉を開ける。
「!?!?」
そこには、あの『春川』さんが、ひとりで座っていた。
「……」
一瞬こちらを見たものの、ふいっと直ぐに目を逸らし、お弁当を食べ始めた。
チャ、チャンスターイム!!!!!
足早に行き、声をかける。
「こ、こんにちは!!」
「…………ん。」
無視されるかと思ったが、小さく頭をペコッと下げてくれた。
(こ、怖い、、、さすがの噂通りの迫力さ、、、、)
次の言葉が出てこず、黙っていると
「………………お前、話しかけといて、なんだよ、、、」
まさかの呆れられた、、、。
ど、どうしたらいいだろうか、、、、なんか出ないのか!?私!!!!
良くないところだ。私は考えより先に行動が出てしまう、、、。
だから、突っ走ってしまう。なおしたいところだけど、なおる気配は今のところ無さそうだ。
俯き、目線を下にずらすと、春川さんのお弁当が目に入った。(あっ、、、)
今日もキャベンだったが、小さいボール状のご飯が3つ、ミートボールや、可愛らしいネコのピックに刺さったチーズとハム。バランもネコ柄といった感じで、テーマはネコなのだろうか。
春川さんの見た目からは想像できないくらい、カラフルで可愛らしいお弁当だった。
そ、そうだった!!お弁当のこと!!!!!
「凄く可愛いね!お弁当!!」
「……?」
「キャラ弁、、美味しそうだなって!」
「……………………」
春川さんは黙り込んでしまった。顔を逸らしている。よく見ると、少し頬や耳あたりが、ほんのり赤く染まっていた。
「えっと、、、、自分で作ってるの?」
なんの返答もなかったため、思わず質問してしまった。
もしかして、、シカトされてる?、、、、、、
「ぅるっせ、、、バカにしてんのかよ、、、、ふん。」
「ええ!?そんなんじゃないよ〜!!!ただ、美味しそうだったから聞いてみたくて、、、」
「…………sかけるな」
「え?」
「…話しかけるなって言ってんだよ。」
どうやら、不機嫌になってしまったようだ、、、、怒らせてしまうのも、怖すぎるので、、大人しく撤退することにした。
「ご、ごめん。」
「………」
私はそっと、屋上を出て、他に食べれる場所を探しに歩いた。
─────────
────
──
結局、教室に帰ってきてしまったので、そこで、ひとりで食べることにした。
相変わらず、美味しくはなかったが、そんなことはどうでもよかった。
この先、どう声をかけたらいいのだろうか、、、。