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/...みっどの人形も見てみたいっちゃみてみt(( rdか..?続きめっちゃ楽しみ!
インフルにかかって見るの遅れたッ……!! 最後のみどりくん怖くてめちょ良い!!!!!!!!! 続きが楽しみだ……、
薄暗い部屋の全体は青一色。何処を見ても青、青、青。
人形が身に纏っているドレスの色も、濃さや明るさの違いはあれど、全てが青だった。
「…キタナイ」
自分の中の大切な青を汚されたような気がして、思わずそう呟いてしまった。
「…扉…ソリャア、鍵掛ケルヨネ」
知ってた。
唯一の出入り口なのに、鍵をかけないわけがないよね…
八方塞がりの状況に困り果て、普段しないようなこともしてしまう時ってあるよね。
「…君ハ出口シラナイ?」
人形に話しかけたのは、少し疲れてたからなんだと思う。
というか、いくら元人間といえども、人形にされて死んだ者が話せるわけがない。
光を失った虚ろな瞳がどこか悲しそうに影を落としている。
「…ジャアネ」
それから部屋の至る所を探索してみるものの、出口や身を潜められるような場所は見当たらない。
時間ばかりがどんどんと無くなっていく。
「…〜ッ!」
扉の方から…足音……
あのキチガイ女の足音だ…!!
「隠レロッ……!」
ぐちゃぐちゃに乱れたベッドの上で狸寝入りしたところですぐバレてしまうのは分かりきったことだ。
ならば……ベッドの下に隠れればいい。
「妾の御人形?お顔を見せ……っ!?」
ベッドのほんのわずかな隙間から覗く白い脚が強く地面を踏み締めた。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も。
「妾の御人形は何処なのッ!?!?」
何処、何処…と虚ろに呟きながら部屋の中を探し始めた女の様子に、心臓がバクバクと激しく音を立てた。
口元を両手で押さえて、なるべく小さくなれるように手足を体に寄せる。
「逃げたな、逃げたなッ!?!?」
落ち着け、落ち着け心臓。
うるさいうるさいうるさいうるさい!!
やだ、バレたくない……怖い……!!
「…?」
バレた……?バレたの?
どうしよう、飛び出して逃げ出す?
扉の鍵は?開けたまま??
この部屋から飛び出して、それから?
その後は何処にいけばいいの?
「そこにおるのか……?」
ペタペタ足音を立てて、女の足はどんどんベッドに向かって近づいてくる。
浅くなる呼吸を押さえ、いつでもベッド下から飛び出せる準備をしてその時を待つ。
「隠れても無駄だ…すぐ人形に変えてやる」
女が地面に膝をついて、かがみ込み、ベッド下を覗こうと……
「ッ!?なんだ!!何事だ!!」
ベッド下を女が覗き込む直前、女は突然顔を上げて慌ただしく部屋を出て行った。
「………タスカッタ、ノ…?」
息を詰めすぎて頭が痛い。
耳鳴りと心臓の音ばかり聞こえていた耳を澄ますと、地響きのような音が聞こえた。
それが原因なのか、何処となく部屋の外の空間も慌ただしい。
「……ッ!鍵、掛カッテナイ…!!」
人は……いない…
逃げるなら今しかない!
混乱に乗じて逃げ出せば……!
……この混乱は、何故起こった?
皆んなが助けてくれたのかもしれない。
でも、総力戦ってそんなに早く始められるもの?
そんなわけないと思う、でも…まさか……
「………ラダオクン…?」
逃げるだけなら誰にでもできる…
俺は、俺自身にどんな価値を付けられる?
ラダオクンに、どんな利益を与えられる?
俺があの居場所で生きる価値、運営として生きる価値を…証明できる
「……ッ、ヤッテヤル…」
まずは……制御室を探そう。
制御室を押さえて、警報やらを切っておけばそれだけで後々の戦いでこちらの大きな利点になる。
「コッチカ…?」
ヒラヒラと鬱陶しい裾をたくし上げて、太もものあたりで結ぶ。
少し肌が出過ぎな気もする格好だけど、さっきより全然動きやすくなった。
…こっちから、音がする?
「おい、ドコ行くんだよ」
「…!」
刺青の男の手が伸びて、髪を掴まれる。
もう…手を抜いてやる理由は無い。
「オマエニ言ウ必要…アル?」
「は……?」
ネグリジェの裾を靡かせて、男の手を叩き落とす。
驚いたように後ずさる男の表情に、今までの苛立ちが少しだけ無くなった。
あとは残りの苛立ちを精算するだけだ。
「ダカラ…さっさと退けよ雑魚」