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4日目 ✺ 熱
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1ヶ月経った今、これまでも私は毎日欠かさず屋上へ行き先輩と話す日々を送っていた。だけれどやっぱり先輩が休んでいたり私が休んでしまったりと会えない日もあった。6月の上旬に入ったそんな中、先輩がこんな事を言ってきた。
「俺…修学旅行行かないでおこうって思ってんだよねぇ、」
「え!?なんで!?」
「だって、友達向日葵ちゃんだけやし…普通に行きたくない…金もかけたない、」
「事前に先生に伝えとくってこと?」
「うん…」
何か上の空になりながら会話をしてくる先輩。合間に方言もちょこちょこ顔を見せているし、少し顔が赤いようにも見える…もしかして、
「先輩ちょっと」
「ん?」
焦点が合ったり合わなかったりしてる…これ本当に、
「熱じゃ、?」
「え、なんで、?」
「おでこ貸して」
「え…?」
私は自分の手を先輩のおでこに置いて熱があるか確かめた。
「…熱い、やっぱり熱じゃん!」
「えぇ、そんなことないよ、?」
「会話もちょっとふわふわした感じだし…とりあえず、保健室_」
私が立ち上がると腕を引っ張られて尻もちを思わずつく。
「いたっ、」
「やだ、置いてかんとって…」
「え、」
「いやや
、ごめんなさい…ごめんなさい、こんな子でごめんなさい、お願いやから置いてかんで…ダメなところあったら治すから、お願いします、」
情緒が不安定になってしまったのか遂には泣き出してしまった。謝ってばっかりで、自己批判のような言葉を並べて…
「と、とりあえず水でも飲んで!身体熱いでしょ、!」
「んーん…要らん、俺なんか…このまま、」
「こ、のまま…?」
「ん、」
突然力が抜けたかのように先輩は私の腕から倒れて私の膝に乗る。さっきの続きの言葉が気になる…しかも動けない、どうしよ…私に友達なんて居ないからどうすることも出来ないしぃ、!
「先輩、先輩ぃっ、!せめて保健室、」
先輩は以外にも重く、あんなヒョロイ体してるのになんでこんな重いんだよっ、と思いながらもどうするか悩む。一度しっかりと膝枕をするももうすぐ昼休みが終わってしまう。せめて次の授業の先生になんか言いたいんだけど、
「友達居ないんだってぇ、」
スマホを取りだしても意味な_
「あ、」
連絡アプリを開くと初めに目に付いたのは母だったがその下に先輩、父、佐倉さん。
「い、いた…」
でもどうする?対して1日くらいしか話してない相手にこんなこと頼むのも気まずい…し、しかも先輩に一目惚れしてた人だしぃ…
「でもなぁ、」
無断欠席なんてしたくない、見てくれるかわかんないけど、
『佐倉さんごめんなさい…ちょっと色々あって次の授業の先生に私が授業受けれないこと言っといてくれたりしませんか、?代わりに何かお手伝いやらしますので、お願いします🙏』
連絡アプリということで一応スタンプも付けておいた、引かれてないかな…
そうこうしていると直ぐに既読が付き、
『了解!』
とぐっとマークの可愛らしいスタンプが送られてきた。ほっと息を付きながら先輩に目を移す。やっぱり顔が赤くて汗も多く出てる。かと言って屋上は先生に立ち入り禁止と言われている場所。だから先生は呼べない…今あるものでどうにかするしかないようだ。
「…なんで、謝ってきたんだろうなぁ…」
先輩のさらさらとした前髪を右にずらしながらそんなことを呟いた。
時間は長くもなく短くもなく過ぎ、5時間目終了のチャイムが鳴った。そのチャイムで目が覚めたのか、先輩は目を開いた。
「あ、おはよ」
「…んん、?」
「ほら、早く起きて」
「ん…はよ、明日香さん…」
「あ、明日香さん…?誰それ、」
「んぇ、あれぇ…向日葵ちゃんがいる、」
「はいなんですか」
「まだ夢、?」
「現実です」
この人、寝起きこんなのなのか…と呆れながら冷たく返事を返す。
「えへぇ、やった…夢でも、ひまりちゃんに逢えた、」
「先輩。現実。いい加減目覚まして」
「うぅ、いつもより冷たいぃ…」
まだ本調子は戻していないようで情緒不安定なままだ。
「んっしょ、ほら…起きたなら保健室行こ」
「んぇー、やだぁ…ずっとひまりちゃんといる」
「また今度一緒にいてあげるから、ね?早く立ってー」
「ほんと!?うそじゃないよね!?」
おもちゃを買ってもらう時の小さい子供のようなキラキラした目でこちらを見てくる。何時もの先輩の目とは違い、活き活きしてるように見えるが…少し引く。
「ほら、もうそろそろ授業始まっちゃうから」
「ん、わかった…」
「保健室くらい一人で行けるよね?私流石に次の授業_」
「やだ」
「え?」
「ひまりちゃんがつれてって」
は?と思わず顔にも出してしまうがそんなもの気にしないとでも言うかのように私の腕を掴んだまま上目遣いでこっちを見てくる先輩に少し引き気味になるが必死にどうするか頭を回し、『今の先輩は精神年齢低いってこと???』など意味のわからないことを考えるが精神年齢低いならなんか約束とかした方がいい?とパニクったせいでそんな考えにたどり着き、先輩に条件を出した。
「じゃ、じゃあ一人で保健室行ってくれたら今度の休み私を1日貸してあげる!ね!?それならいい!?」
「ほんと!?ならがんばっていく、」
「ん、偉い!ほら先輩、立てる?」
「んー、立てる、」
思わず2つ目の約束事をしてしまった、まぁいい。きっとこんな調子の先輩なら忘れてくれるだろう。
「はい、3階まで降りるのは手伝うから…そこからは1人で頑張ってよね?」
私の教室は3階で、保健室は1階。流石に昇り降りを10分で終わらせれる気がしない。(運動不足な為)
「…」
「ほら、ちゃんと私は約束守るから」
「ぅん、」
先輩を強引に立たし、一緒に3階まで降りる。
「…もう次6時間目だし、先輩先帰るなら帰っててね。迎えに行ってもいいけど…」
「ん、なら…待ってる、」
「そ?なら、待っててね」
裾を掴んでいた先輩の手を握った。少し熱がまた上がっていたようにも感じたけど、時間が無いことを思い出し、すぐに教室に戻った。
「はー、ぁ…つっかれた、」
「大丈夫?」
「へぁっ!?」
「ぁ、ごめんごめん」
いつの間にか背後に佐倉さんが居た。気配消してたのかと疑う程私は気づかず、オーバーリアクションを取ってしまった。
「さ、佐倉さん…」
「もぉー、かったいなぁ…澪月でいいよ!私も向日葵って呼ばせてもらうね!」
「ぇ、えぇ…」
「折角頼ってもらえて私気分アガってるんだから!敬語も外して!」
「ぁ…うん、」
「ていうかなんで私にヘルプ出してきてくれたの?」
少し、私の中で言いづらい質問をされる。
スマホの連絡アプリを見て、同級生…クラスメイトの人の連絡先を持ってる人が佐倉…澪月ちゃん、しかいなかったなんていえない、!口が裂けても言えない…!
「あ、そっか。向日葵は友達私とあの先輩くらいしかいないのか」
「ひぅ゛!」
「何その声」
笑いながら私の反応を拾ってくれる澪月ちゃん…こういう人だからこそ人にモテるんだろうな、
「まぁ、これからも頼ってよ。友達なんだしさ!」
「と、もだち……」
「何そんな言葉で嬉しがってんの?」
「ぁ、いや…友達、ってあんまり言われることないから、?」
「変なの、でも…友達って言葉いいよね」
「うん、素敵な言葉」
「やばっ、チャイム鳴る!またね」
「うん!」
とは言っても時計を見るとチャイムのなる1分前で時計が壊れていたらしく、チャイムは既になっていたけれどそれまでに先生が来なかったのもあって私たちのクラスだけ休み時間が長くなっていたらしい。
先輩、無事に保健室着けたかな。
終礼が終わり、先輩が待っていることを思い出して保健室に直行した。
のだが、
「え?あぁ、碧山さんは随分前に帰らせましたよ」
「へ」
「流石にもう1時間だけですし、酷い熱でしたので親御さん…に迎えに来てもらいました」
「ぁ、あぁ……」
「勝手に帰らせたもので、わざわざ来てくれたのにごめんね」
「い、いえ……」
先輩が先に帰っていることを聞き、少し寂しいような気持ちを抱いた自分にまた違和感を抱き、不思議に思いながら家に帰った。けれど家に着いたにもかかわらず先輩のことが気になり、連絡しようとしたが迷惑かもしれないと辞めた。
「……そういや、”明日香さん”って……誰なんだろ」
ふと思い出したその誰かの名前を口にすると、少し胸が傷んだ気がした。
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後回しし過ぎた創作の物語……結構期間空いててすみません😢
なんだか早めの登場だった澪月ちゃん、笑
まさかの次の話に出すなんて思ってなかったです…🙃
お次は悠柊の家にレッツゴーです😼(もしかしたらその次…)
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