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『わあ〜っ!』人は、誰もいなかった。
それなりに、広い花畑。
ひまわり畑だ。
誰もいなくてよかったと、安心した。
2人は、楽しそうだった。
『転けないように、気をつけてね!』
僕も、ひまわりを見よう。
大きな花。
こんな花は、初めてだ。
花畑。
確か、昔に、
あのとき見たのは、コスモスだったかな。
本当に、大きいな。
でも、琥珀さんも、あの時より背が高い。
ま、当たり前か。
あの時はまだ、子供だったからな。
今は、16歳だったかな。
まだ、大きくなるだろう。
少しずつ、夢で思い出している。
でも、結局、
あの時と変わらず、差別される。
本当に、あの時と変わっていないんだ。
『あ〜まちゃん!写真撮ろ?』
『あぁ、撮ろう。』
3人で、写真を撮る。
茜さんも、鬼塚さんからスマホをもらっていた。
だから、3人で撮りあう。
『あっ、』
そうだ、
あの時はできなかったけど、今ならできるもの。
『どうしたの?』
『これなら…』
琥珀さんと茜さんが、不思議そうに見つめていた。
『花火を買おう。』
お店に行って、花火を買う。
お店なら、雑にはされるけど欲しいものは買える。
結局はお金さえ払えば、利益があるから、
買わせてはくれる。
花火と、ライターと、バケツを買う。
そして、夜まで家でゆっくりしよう。
花火は、今日じゃなくてもいい。
とにかく、楽しめるはずだ。
茜さんも、元気になれるだろう。
ザー
楽しそうな2人と、すごーく綺麗な、景色が見える、展望台で、‘星‘を、いっぱい観た夢。
あの時の茜さんの言葉を思い出した。
いつもと、話し方が違った。
所々で区切っているような、
最初の一文字だけ、少し強調していたような、
星。
これもだったような。
考えてみる。
たのしそうなふたりと、すごーくきれいな、けしきがみえる、てんぼうだいで、ほしを、いっぱいみたゆめ。
‘た’のしそうなふたりと、‘す’ごーくきれいな、‘け’しきがみえる、‘て’んぼうだいで、‘ほし’を、‘い’っぱいみたゆめ
‘たすけてほしい’
え、
なんだこれ…
たまたまだとは思えない。
でも、どういうことだよ。
僕は、茜さんを見る。
窓の先、どこか遠くを、寂しそうに見つめていた。
何かあったんだろうか。
でも、なんでわかりにくくしたんだろう。
それは、
訊かない方がいいのかもしれない。
でも、茜さんは…
助けを求めているんだ。
‘痛い、苦しい’
‘助けて欲しい’
『・・・』
怖くなった。
でも、本当に怖いのは、
茜さんだろう。
茜さんの頭を撫でる。
この先、何が待っているんだろう。
でも、どんなことがあろうとも、
絶対に、助ける。
人は、いずれ死ぬ。
でも、誰にだって、
幸せになる権利がある。
琥珀さん、ごめん。
でもやっぱり、これだけは譲れない。
自分が、犠牲になっても、
僕が、2人を…
幸せにするんだ。
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