テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
※剣持のメンタルが現実より結構弱い
※剣持のリスカ描写あり
※左右固定せずに書いてるけど人によって剣持右かもしれない
※数ヶ月メモで眠ってたので誤字あるかも
伏見はいつも通り
今、僕は相方であり恋人の伏見ガクの家にいる。
何故かと言われれば少し回答に困るが、恋人だから、が理由になるのだろうか。
気が向けば咎人でコラボ配信をするし、2人でゆっくりしたい時は配信をしない。
僕は、今日はあまり配信をしたい気分ではないけれど、ガクくんがどう思っているかは聞きたかった。
「オレはそろそろやりたいっすよ〜
とやさんはどうです?」
「そうだね、僕もリスナーがやれってうるさくって笑」
「じゃ、決まりっすね!」
ああ、言ってしまった。
別に配信をしたくない訳では無い。だけど、最近はリスナーの声を聞くのが怖くなっていて。
いつものノリで書かれる僕へのメッセージ。この1ヶ月ほど、忙しくて何も言わずに配信をしなくなってしまって。
配信をしないことに対する、少し過激な僕へのマシュマロが増えてきて。僕はそれを自分の許容量を少し超えた量を見てしまって、久しぶりに配信に対するモチベが下がっていた。
期待に応えて配信しても、一旦は落ち着くだろうが、2週間程経ったらまた同じことになるのではないか?同じことの繰り返しになるのなら、もういっそ配信をしなければいいのではないか?
そんな、普段の僕だったら考えないようなことをずっと考えていて、頭が疲れていたんだ。
それで、
たまたま机の上にあったカッターに目が止まって、自分の体を傷つけた。
思ったより深く切りすぎてしまったが、それで良かった。
いつもする怪我よりももっと強い痛み。それは考え続けることに疲れた僕の脳には酷く効いたんだ。痛みのお陰で少しの間だとしても、思考することを手放せた。その時の感覚がきっかけで、毎晩自分の体を傷つけてしまう。駄目だって分かっているのに、もう僕にはこれ以外の方法が思いつかなくて。
「今ツイートしちゃいます?」
「今7時前くらいだし丁度いいっすね!」
ガクくんのその言葉を聞いて、ツイートの文を適当に考えて打ちこむ。
そういえば、このアカウント動かすのっていつぶりだっけ…
いや、そんなこと、今はいいや。
『本日
24時くらいから
咎人で心理テストの予報です』
これでいいか、ツイートと。
すぐにいいね、リプが着く。
『待ってました』
『これが剣持1ヶ月ぶりの配信ってマ?』
『この日を本当に心待ちにしていた』
反応は様々だけど、とりあえずみんなが喜んでくれてるようで良かった。
「ツイートしました〜
みんな喜んでくれてるみたいですよ!」
「嬉しいっすね〜」
なんて言いながらがっくんは僕の左手に手を伸ばしてきた。
そこはまずい。包帯と袖で隠しているけれど、触られたら痛んでガクくんにばれちゃう。
ガクくんにばれたら、なんて思われるか分からない。きっと悲しい顔をさせてしまうだろう。きっと僕のことを心配して、励ましてくれるだろう。でも、ガクくんにはそんなことをさせたくない。ガクくんのそんな顔を、見たくは無い。
咄嗟に素早く手を引っ込める。
ガクくんの手の行き先はどうやら僕の左手の先にあった飲み物らしかった。少し怪訝な顔をされたけど、とりあえずばれはしなかった。
「配信時間まで大分暇ですけど、何やります?」
「って言いながら僕が送ったチョコの箱出してこないでよ笑
食べたいんでしょ?」
「いや〜 もちさんが来るまで開けずに取っておいたんですよ!
2人でゆっくり開けたいじゃないですか!
こういうのって!」
「そうだね〜」
なんで他愛もない会話をしながら、ガクくんは僕に膝の上に乗れというジェスチャーをしてくる。
「ガクくん…開けづらくないですか?この体勢…」
「開けづらくてもオレがこうしたいんでこれでいいっすか?」
「まあガクくんがいいならいいけどさぁ…」
「ちょっ、と、耳を喰うな!!
お前こっちの方がメインでこの体勢にしただろ!!」
「はて?」
「……でも、ここ最近会えてなかったんですよ?このくらいいいじゃないっすか〜」
「まあ、それはいいとして…」
「わ、委員長のシークレット出た〜!!!」
「うるせえ!!!!!」
少し経って…
「とやさん、そろそろお腹とか空きません?」
「そういえば、チョコの効果も大分薄れてきましたね。」
「そうっすよね!
おにぎりとか握ってきますよ〜」
「僕もやりますよ!」
「じゃ、一緒に下行きますか」
「そういえば僕たちってさ、恋人っぽいことあんましてなくない?」
「そうっすか〜?
さっきだってとやさん膝の上に乗ってくれませんでしたっけ?」
「…………確かに…」
そして、24時前頃に。
「そっちちゃんと動いてますか?」
「もうばっちりですよ!!」
「じゃあ24時くらいまで待ちますかねぇ〜」
「そろそろいいんじゃないですか?」
「みんなめっちゃ来てますね〜
やりましょうか!」
配信開始。
「どうも〜咎人の咎の方、伏見ガクと〜?」
「咎人の人の方、剣持刀也です!」
「「よろしくお願いしまーす!!」」
「さて、やって参りました、咎人コラボ!
僕は久しぶりの配信ということでね、リスナーたちが沸き立っていますが!」
よし、普段通りにできる。
「いや〜、ここ最近ほんとにとやさん忙しそうでしたね!
家おいでよ!って言ってもなかなか来てくれなかったし…」
「それはほんとにごめん!!
色々あったんだって!!!!!!」
「まあね!今こうして集まれてるんでいいんですけれど!」
「前置きはこのくらいにして、心理テストやっていきましょうか!」
『もっと咎人エピソード聞かせろ』
『早い早い』
『あと30分ぐらい話してくれ』
「なんでみんなそんな聞きたがるんだよ!?」
「じゃあ、さっきあったことをひとつ…」
『草』
『草』
『まだ開けてなかったんだ…』
『相方好きすぎだろ』
『咎人運良すぎね?』
「今度こそもうやりましょ!!
もうエピソード尽きたって!」
「え〜
まだまだあるじゃないっすか〜
あんなこととかこんなこととか!」
「お前は一体どんな記憶があるんだ…?」
「咎人で心理テスト〜!!」
「話逸らしたな…」
その後の2時間と少しは本当に楽しくて、久しぶりに心から笑えた。
「お!全クリきた!!」
「いや〜、伏見ガクの知らない一面を沢山見れた配信でしたね!!」
「それはオレも一緒ですよ〜
とやさんの「恋人に対する扱い」酷すぎじゃないですか!?」
「あははっ、それを言ったらがっくんだって……」
「ということで!
今日の配信はこの辺りで終わりにしま〜す!」
「人の内面を見る時、人もまたこちらの内面を見ているのです。」
「じゃあな〜」
「「お疲れ様で〜す」」
「ありがとうございました〜」
配信終了。
終わりにツイートだけして、寝ようと思った時だった。
「ねえ、とやさん。
オレに何か隠してるでしょ。」
「え?なんで?」
まずい。非常にまずい。ばれたか?いや、まだ、まだ分からない。
「だってとやさん、オレが左手の近くの飲み物取ろうとした時、サッって手引っ込めてましたよね?
そもそも今日顔色悪いし、隈凄いし。
左手じゃないにしても何かしらあったでしょ。」
「…………………………はぁ……」
「ばれちゃ仕方ありません。もう全部話します。」
もう、ばれてるならどうなってもいいや。
僕は、ここ最近のことを洗いざらい全てガクくんに話した。
「そう、だったんですね、」
「すみません、今日配信させちゃって。」
「いや、今日は全然いいんですよ!
疲れが吹き飛ぶくらい楽しかったんで!!!」
「ならよかったです。」
「いや、良くないすね。」
「え?」
なんで僕はガクくんの腕の中にいるんだ?
「とやさん、よく頑張ってきましたね。
この活動に一生懸命向き合っているとやさん、オレはほんと大好きですよ。
よくこんな長い期間活動していて、とやさんほど楽しそうにやってるの、本当に凄いと思いますよ。」
気づけば涙が出ていて。でもそれは、拭うべき涙では無いと分かっていた。僕の中の悪いものが流れていってるように感じた。
「 ……ありがとう、ガクくん」。
「ガクくんのお陰で大分良くなってきたよ。」
「それはよかった!」
「そろそろ寝る準備でも…?」
「もう少し…もう少し、このままでいてもいい?」
「ふふっ、もちろんっすよ!」
書きたかったから書いたおまけ未満
「これからは考える事に疲れたらオレに頼ってくださいよ!」
「え、いいの?」
「もちろんっすよ!
大好きな人の相談に乗れないようなやつはね、人間じゃないんですよ!」
「んふふ、うれしい、ありがと。」
━━━━━━━━━━━━━━━
布団に入って消灯後…
「最近、どのくらい寝てます?
隈えぐかったんですけど…」
「おぼえてないな、多分1、2時間ぐらいじゃなかったかな?」
「じゃあ、今日いっぱい寝てくださいよ!
明日、確かとやさんオフの日だったでしょ?オレも暇な日なんで、これでもかという程に寝ましょ!!」
「たまには、遅起きもいいかもね…」
「ねぇ、がっくん」
「なんです〜?」
「そっちの布団入ってもいいですか?」
「もちろん!良いすよ!!」
「ちょ、抱き枕にすんな!」
「え〜、こんくらい良いでしょ〜?
とやさんがうちに来るのなんてまじで久しぶりなんすから〜」
「…………………………………しょうがない、許す」
「やった!
じゃ、とやさん、おやすみなさい。」
「ん、おやすみ、がっくん。」