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更新遅れて本当にごめんなさい!💡が病んじゃう話です本人とは全くの無関係です。
スクショ、拡散、全てNG。ルールを守ってお楽しみください。
例えばつい最近の任務
KOZACA-Cから市民を守れなかった。もう少しオレが早く走れていれば、助けれたのに。
例えば少し前の配信
いつもより、アンチコメントが多かったような気がする。少し心に来てしまって、配信を中断してしまった。もっとオレが強かったら、最後まで配信が出来たのに。
例えば、今この瞬間
同期と喋っていても、自分だけ取り残されたような感覚になる。いつも謳っている“みんなのスーパーヒーロー”には程遠い、そんな自分に嫌悪感を抱く。
こんな感覚が常時心の中に住まうようになったのはいつからだろう。昨日な気がするし、一昨日な気もする。或いはもっと、ずっと前。
『知ってる?機械を使うヒーローが居るんだって』
『うわ、それ知ってる、そんな汚いモン東の地で使うなって話だよな』
聞こえてるよ。全部。任務の報告に本部に出向けば、聞こうとしなくても入ってくる陰口。そんな事、オレが一番わかってる。オレは無能で、嘘つきで、場違いな人間。そう、ただの一般人に過ぎないロウみたいに妖術が使えるわけでも、マナみたいに軽い身のこなしが出来るわけでもない。ただ、機械に頼って、縋っているだけの、一般人なんだ。
この日の報告も散々だった。そんなものを使ってまでヒーローをしているのにこの出来かね、とか口に出すのも億劫になるとびっきりの悪口。今日もこれか、と思いながら綺麗な笑顔を貼り付けた。
やっと家に帰ってきた、と言ってもまだすることは終わっていない。大学のレポートも機械の点検も配信も、毎日毎日嫌気がさす程の多忙に足元がフラつき始める。全部やると決めたのは誰でもないオレなのに
「はいみんなのスーパーヒーロー伊波ライでーすどうもー」
いつもと同じように配信を始める。今日もいつもと同じように配信を進めて、いつものように配信を終わろう、そう思っていた。なのに、やっぱり近頃アンチコメントが目立つように思う。いや、目立つなんて生易しいものじゃない、アンチコメントしか目に入らない、寝不足の原因でもある配信に救われていた自分がいた、ここでは少なくとも肯定してくれる人がいる、そう思っていたのにアンチコメントが目に映る度息が速くなる。あ、ちょっとまずいかも
「ごめん、ちょっと気分悪いから、配信終わるね」
そう口から発して、すぐに配信を切った。エンディングなんて流す余裕も、流そうという意志もなかった。さっきまで稼働していた機材の音がなくなり、自分の荒い呼吸音とやけにうるさい鼓動だけが聞こえるのが気持ち悪くて、雑にベッドに身を投げて布団で耳を塞いだ。それなのに、それで得た静寂は返ってアンチの声を増幅させた。オレは機械がないと何もできないただの人間で、居なくても何も変わらない。この前も、あまり役に立てなかった気がする。それどころか、足手まといだった気さえしてくる。ヒーローという、大切で、重要で、ミスが許されない職業において、オレのような異端に手をかける時間なんて惜しすぎる、オレなんて死んでしまえばいいのに、これ以上ない罪悪感がオレを襲う。いつまで経ってもそれは収まらなくて、オレはいつかの体調不良の時に買って引き出しの奥に眠っていた睡眠薬を取り出し、何錠かを雑に口の中に放り込んだ。
朝。といっても日は登っていない、あの日から、睡眠薬は使っていない。だが最近は寝ようとしても一向に眠れなくて、頭の中で永遠に自己嫌悪の言葉が浮かぶだけだった。自己嫌悪を続ける長い長い夜が明けると思うとどこか嬉しかったが、また散々な1日が始まるのかと思うと一気に心が沈む。
その日は任務で機械を触る度、見る度、自分がこれを使わなければ戦えないただの人間であることを突き付けられた気がして、戦闘に集中できなかった。
今日も、役に立てなかった。この前まで役に立てなかったかもしれないと思っていただけなのに、それはいつの間にか確信に変わっていた。自分が嫌いだ、今日も、明日も、ずっとこんな日々が続くのかと思うと嫌になって、死にたくなる。死にたくなるという気持ちはあっても本当に死ぬことはできなかった。この根性なし、同期には好かれているとどこかで期待している自分が、どうしようもなく嫌だった。嫌い、嫌い嫌い嫌い嫌い!!!
頭の中が、罵倒で騒がしくてたまらない、沸騰しそうな程の自己嫌悪は言葉では足りない。ふとカッターが目にうつる。気付けばそのカッターを手にとり自分の腕を切っていた、切っても切っても自己嫌悪がなくなる事は無かったが皮肉にも、痛みが一番の安心をくれた。
続きます