テラーノベル
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雨が激しく窓を打つ夜、ちょんまげはコンビニ袋片手に自分の住むアパートに戻ってきた。
鍵を開けて部屋に入ろうとした瞬間、背後に気配を感じる
「……ちょんまげ」
低く、掠れた声。振り返ると、森くんが立っていた。傘も差さず、びしょ濡れのまま
久しぶりに見た森くんの顔はあの頃と変わらず整っていて
「もしかして森くん……? どうしてここに」
ちょんまげが一歩、また一歩と後ずさる。
「ちょんまげが帰ってくるの、待ってたんだ」
「待ってたって……何言って…?」
「僕ね、毎日ここに来てる。ちょんまげのことずっと見てる。部屋の灯りがついてるのを見て、安心して帰ってる」
ちょんまげの顔が青ざめる。
ここ最近ずっと違和感があった、1人のはずなのに視線を感じる、消したはずの電気がついてる、私物がどこかに消えるなど
今思えば違和感しかないがその時は気のせいとして済ませていた。
「…な、なんでそんなこと……なんだかおかしいよ……」
森の目が、一瞬だけ暗く光った。でもすぐに、切なげな表情に変わる。
「怖がらないで?僕はただ……ちょんまげのことが好きなだけだよ」
森が一歩詰め寄り、ちょんまげの腕を掴む。力強い。逃げられない。
「覚えててくれただけで、嬉しかった。でもそれじゃ足りなくなった。毎日、頭の中はちょんまげのことばっかり。触りたい。俺のものにしたいって、狂いそうなんだ」
「やめ、て……森くん、離して……!」
ちょんまげの背中がドアにぶつかる。森は鍵を奪うようにして部屋に押し入り、ちょんまげを壁に押し付けた。
「逃げないで」
森の息が熱い。
「ちょんまげは僕のものだ。ちょんまげだけが僕のこと覚えててくれた、僕だけが、本当に好きなんだ」
森の唇がちょんまげの首筋に落ちる。強く吸って、歯を立てる。
その度にちょんまげの体が震える。
「森くん……っ、だめ……」
「だめじゃない」
森はちょんまげのシャツを乱暴に引き上げ、肌に直接触れる。
「ちょんまげのここ、俺が触っていいのは僕だけでいいよね?」
森の手が下へ滑り、ちょんまげの腰を強く掴む。抵抗する力を奪うように、体を密着させて
「僕のちょんまげ……ずっと、僕だけ見てて、?」
部屋に響くのは雨音と、ちょんまげの掠れた息だけ。
森は抑えていた欲望をすべてぶつけるように、ちょんまげを床に押し倒し、貪るように体を重ねた。
ちょんまげは怖さと、森の熱に飲み込まれながら、ただその腕の中に沈んでいった。
――この夜からちょんまげはもう、森の視線から完全に逃れられなくなった。
コメント
6件
めっちゃ好きです😭😭
まずはありがとう 結婚してください。
はあ。。そうやってまた私を喜ばせる