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【ご挨拶】
皆様どうもこんにちは。
ゲストという名のただの名無しで
御座います。
いつもは実シ兄者様の
二次創作などを
勝手ながら書いているのですが、
今回は一次創作を書いていきます。
これは実話でもなければ、
私の勝手ながらの創作物語です。
ですが、少しでも見て行ってくれると
嬉しいなと思います。
挨拶が長くなってしまいましたので、
早速本編に入ります。
『凛、おはよう。』
「…おはようございます。」
また今日もダメ…か。
私の娘、有己 凛のお母さんは、
数年前に他界してしまって、
私が凛のお父さんと再婚した。
でも凛は、私とはあまり
仲良くしたくないようだった。
凛は、昔のお母さんが大好きで、
お父さんが仕事で遅いときも、
一緒に遊んでくれていたそうだ。
きっと凛は、”代わりのお母さん”なんて
いらなかったんだろうと、
今も思う。
凛は、高校生になってからずっと
外食をするようになって、
私の夕食は食べてくれなくなって、
ある日、
「弁当いらない。」
『そんな、お腹空くでしょ…!?』
「食堂で食べるからいいってば!」
と言って、弁当も断られてしまった。
本当に、嫌われてしまった瞬間だった。
大人になってからは、すぐに出て行って、
お父さんとは連絡を取っていたらしい。
すっかり私と話してくれる機会は
無くなって、
ある日、結婚の報告に来た。
隣に居る男の人もいい人で、
凛を絶対大切にしてくれると思った。
だから私は、何も言わなかった。
凛も、私と話そうとする素振りは
無かった。
そして、結婚式。
凛はとても素敵な姿を、
私に見せてくれた。
立派になったんだと、
改めて思った。
そして、凛がマイクの前に立った。
「”お父さん、そして二人のお母さんへ”」
その一言で、手紙が始まった。
「まずお父さん。
18年間、私を一生懸命育ててくれて
ありがとうございました。
お父さんは仕事が忙しくて、
私の為に沢山の事を頑張ってくれました。
お父さんには、とても感謝しています。
私を18年間育ててくれた事、
お母さんがいなくなっても、
一人で頑張ってくれた事、
そして、今のお母さんを
見つけてくれたことです。」
私は、目を丸くした。
「天国のお母さんへ。
私の事、生んでくれてありがとう。
お父さんが忙しかったときは、
お母さんが一緒に遊んでくれて、
お父さんが帰ってくるまで
私を楽しませてくれました。
天国で元気にしていますか?
今、天国で幸せにしていますか?
私は、お母さんの事が
本当に大好きです。」
そこには、本当に大好きなんだという
言葉ばかりが詰まっていた。
昔のお母さんが、凛を本当に
幸せにしていたんだという事が
凄く伝わってきた。
「そして、今のお母さんへ。
最初は、今のお母さんの事は
好きではありませんでした。
私のお母さんはたった一人だけで、
天国のお母さんだけだと
思っていたから。
でも今のお母さんは、
中学生から私の事を
育ててくれて、愛してくれて、
迷わず私の為に尽くしてくれました。
天国のお母さんの分も、
私に愛情を注いでくれて、
私はその愛情に応えられず、
ほんとうにごめんなさい。
赤の他人に迷惑をかけたくない、
そう思ってしまう私は、
お母さんに冷たい態度をとって、
逆に迷惑ばっかりかけていました。
でも、お母さんには感謝すること
ばかりです。
こんな冷たい私を育ててくれて
ありがとう。
毎日おはようって、
ご飯できてるよって、
私受験の時も、
ご飯を部屋の前に置いてくれて、
本当にありがとう。
冷たい態度とって、
正直になれなくてごめんなさい。
本当は、天国のお母さんも、
今のお母さんも、
そして、お父さんも、
皆、皆…大好きです。」
その長く伝えられた言葉に、
私は涙を隠しきれなかった。
「私は今から、この人と
幸せになります。
その時は、天国のお母さんや、
今のお母さんのように、
子供に辛い思いをさせない、
最高のお母さんになることを誓います。
だからどうか、
どうか我儘で最低な願いを、
見守っていてください。
有己 凛。」
涙を流しながら
笑っているあなたを見ると、
本当にあの子とそっくりなのね。
天国にいるお母さんも、
隣のお父さんと結婚した時、
涙を流しながら笑っていたのよ。
あの子の代わりに、
これからも、見守るからね。
大好きよ、凛。