滉斗side
活動再開から2年、りょうちゃんと付き合ってから3年がたった。
今でも同居は続けている。
あるオフの日、出かけていったりょうちゃんが夜中になっても帰ってこなかった。
日付を回ったため流石に何度もLINEを送ったが、既読が付かない。
そして夜中1時を過ぎた時、りょうちゃんから電話が来た。
滉斗『もしもしっ!りょうちゃん今どこ?!』
◯◯『若井滉斗さんで間違いないですか?』
しかし、携帯から聞こえてきたのは知らない男性の声だった。
滉斗『若井ですけど…誰ですか?!りょうちゃんは?!』
○○『遅くにすみません、私は都立警察の間宮と言います。藤澤さんですが、事故に遭われまして今病院に搬送されました。携帯電話をお借りしまして、連絡を差し上げた次第です。』
滉斗『うそ、りょうちゃんが事故…?!』
○○『はい、詳しい状況は直接説明させていただきますので、病院の方にお越しいただけますでしょうか?✘✘病院です。』
滉斗『分かりました…っすぐ向かいます、』
『あの、りょうちゃんは無事なんですか?!』
○○『今のところ命に別条はないそうです。ただ後遺症などは分からないそうです。藤澤さんの容体についても病院で詳しく説明していただけるかと思いますので。』
『それではお待ちしております。』
りょうちゃんが…
どうか何事もなくあってくれ、
滉斗『りょうちゃんッ”…!!』
点滴に繋がれて眠るりょうちゃん。
頭や腕の包帯が痛々しい。
あまりに静かなものだから、
もしかしたら瞬きする間にすっと光に溶けてしまうんじゃないかって不安になる。
滉斗『守るって言ったのに……っ』
警察の人によると、りょうちゃんは小さな子どもを助けようとしたそうだ。
ながらスマホ運転をしていた車に轢かれそうになっていた子どもを。
俺はりょうちゃんすら守ってあげられなかったのに、君は知らない子どもをも助けられるんだね
凄いよ、貴方は。
犯人は逃げていったそうだ。警察が全力で追っている。
りょうちゃんは6日間目覚めなかった
頭を強く打っていると聞いたので心配だ
今日は7日目、
そろそろ目を覚まさないと危ないらしい
このままなんてこと、ないよな
俺を置いていくなんてこと、ないよな
滉斗『起きろよっ……いつもあんなに笑ってたくせに、、』
『こういうときに限って、俺に笑いかけてくれねーの…?』
『いつもみたいに、好きだよって笑えよ…っ』
まだ確かに生の温もりを感じる手に、軽く口付けをする
涼架『……………ビクッ』
滉斗『?!りょうちゃん、今…っ、』
涼架『泣いてるの、…?』
滉斗『りょうちゃんッ”…!!!よかった、泣』
涼架『……なんなの、近いんだけどっ。』
『誰なの、貴方……なんで俺はここにいるの、ていうかここどこ?』
滉斗『……は、?』
どういうこと、?
誰って何?
一人称 “俺” ?
滉斗『誰ってりょうちゃん……なんのつもり?!俺だよ?!』
涼架『そっちこそなんのつもり?俺は貴方のことなんて知らない。その “りょうちゃん” ってのもなんなの?』
『急に来て…貴方は俺のなんなのッ?!……っう”、ゲホッゴホッ…』
滉斗『大丈夫、っ?……とりあえずお医者さん呼ぶね、』
涼架『はぁっはぁっ……』
滉斗『記憶、喪失…?』
○○『はい。若しくは、 “記憶置換” かもしれません』
滉斗『置換、?それはどういう…』
○○『その読みのままです。記憶が書き換えられている可能性があります。定かではないですが…』
滉斗『となると俺や元貴、ミセスのことは……』
○○『恐らく覚えていらっしゃらないかと、、』
りょうちゃんが、記憶喪失になった
俺のことも、元貴のことも、ミセスのことも、忘れた
あんなに幸せに暮らしてたのに
一瞬にして崩れ去ってしまった
滉斗『もう一度話させてくださいっ、』
○○『もう夜が明けてしまいましたし、藤澤さんも今は薬で眠っておられますのでまた午後にいらしてください。』
滉斗『…分かりましたっ、、』
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