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「あのっ、何処にっ、行くんですか?」
私の腕を引っ張り、風を切り抜けていく背中に声をかける。
足がついて行けず半分引きずられている。
日本人(私)の足が短いのか、外人(アメリカ)さんの足が長いのか…絶対後者ですよね…多分
「ん?君をみんな合わせるんだ!きっと仲良くなれる」
能天気な解答が返ってきた。この人、心強そうに見えて何も考えてないだけ…?もしかして
「あっ、おーい連れてきたぞー!お礼は、イギリスの顔面に10発でー!」
(イギリス!?…確かにアメリカがいるなら、イギリスや他の国も変じゃないかも………?)
運動不足が祟ったのか、息が切れて足と肺が痛い。今にも倒れそうな体を、膝を押さえて支える。なんとか前を見ると、公園が見えた。針葉樹林が、風に揺れて紅葉した葉が落ちる。小さい頃、よく遊んだ公園だ。
「何さらっと、人の顔面殴ろうとしてるんだよ。やめてくれ」
困り顔でこっちに近づいてくるこの人が、多分イギリスさん。アメリカさんと同じ金髪にオレンジ色の瞳
「この子が日本か、よろしく。あいつ(アメリカ) 、多分何も説明して無いだろ?色々話すから来てくれ。大丈夫だ、みんな今日突然国に一人だけ取り残されたんだ。」
疲れた私の歩幅に合わせ歩いてくれる姿を見ると、これが【英国紳士】と少し感心。
(国に一人。じゃあ、日本には私以外の日本人は……)
他の方も、国に一人取り残された私と同じ人達。