「僕ポートマフィア辞めるよ。」
辞めるにしちゃァ明るい声。
「そりゃ 妙に現実味のある冗談だな。
こんなにブラックじゃ転職を考えたくなるのもわからなく無いぜ」
「そーゆーのじゃないよ!
もっとこう…、人助けが出来る仕事に就くんだ」
希望を孕んだ明るくてデケェ声。
冗談にしても気持ち悪ィ
「今も出来てんじゃねェか
この世に要らねェ屑を消す掃除の人助け。」
「だァー!!だからそーゆーのじゃないんだってばー!!中也のあほ!
僕本気で人助けできる仕事に就きたいの、!」
もっと言ったら、ここと敵対してる組織とかがいいな。 君と立場的にも対立するだなんて
清々するじゃない」
「…誰の入れ知恵だ。」
「……、私の、…唯一の友人。」
あー…何となく察していたが…、聞きたくなかった答えだ。
「そォか、なら、勝手にしろ。」
吐き捨てる様に呟き、中也は執務室を出た。
太宰は虚ろな目を濁らせて、窓に映る反射した己の姿を見つめながら
「引き止めてくれるの、期待してなかった。って言ったら…、嘘になるよなぁ 。」
とぽつりと呟いた。
あ”ー…やッちまった。
執務室を背に、腕を組みながら中也は自責の念を募らせていた
「引き止められりゃなァ」。
時は4年後。
皮肉にも太宰の話したことが全部現実になっていることを
再確認した月曜日の昼下がり。
見てしまったのだ。自分と対になるように明るく輝く、光に生きる手前を。
自分なしにも、仲間に囲まれ、自堕落にも幸せそうな手前を。
だからって嫉妬だとか。そんな思いは微塵と無い。
だって、オレは待っているから。
光に焼かれ朽ちて、自重で体を支えられなくなってやがて闇に沈んでいく。
自分に見合わぬものは、それが如何に幸せであろうと苦しかろうと、
いつか。いつか限界が来るのだ。
其れを空白の4年間。ずっとそれを見つめてきた俺にだからこそわかるのだ。
いつか、こちら側に堕ちてくる。
その日まで。
どうかどうか。幸せにありますように。
ハッピィエンドだなんて、手前には似合わねぇ。
コメント
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めっちゃ好きですッ... フォロー失礼します!