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#お友達探し
けいか🎼
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海愛
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朝、7時45分。
「……ん、朝?」
こさめは、ゆっくりと目を開けた。
窓から差し込む光。
聞き慣れた目覚ましの音 。
いつもと変わらない自分の部屋。
けれど、昨夜の出来事を思い出した瞬間、眠気は一気に吹き飛んだ。
『お前たち六人は、本当に昔から友達だったのか?』
『被験者六名。記憶改変、完了』
「……夢じゃ、なかったんだ」
こさめは枕元のスマホを手に取った。
昨夜のメールを開こうとする。
しかし――。
「……あれ?」
メールが、ない。
受信ボックスを何度確認しても、見つからなかった。
写真も、添付ファイルも、すべて消えている。
「なんで……?」
こさめは慌てて検索欄に文字を打ち込んだ。
『第六世代エージェント計画』
検索結果は、ゼロ。
「……嘘でしょ」
スマホを握る手に、自然と力が入った。
確かに見た。
あの写真も、あの文章も。
なのに、何ひとつ残っていない。
まるで、最初から存在していなかったみたいに。
ピロンッ。
そのとき、グループチャットの通知が届いた。
らん: おーい!今日寝坊すんなよ、こさめ!
なつ : 昨日あれだけ言ったのに、どうせ寝坊
してるだろ
みこと : こさめー!早く来ないと置いてく よー!
すち : おはよう、こさめくん。
ちゃんと起きられた?
いるま : もう集合時間近いぞ。急げ
こさめは、画面を見つめた。
いつもどおりの会話。
いつもどおりの仲間たち。
昨日のことなんて、誰も知らない。
「……うん」
こさめは小さく笑った。
「今、行くね!」
返信を送ると、急いで制服に着替えた。
今はまだ、みんなに話さないほうがいい。
そう思った。
けれど、心の奥に残る不安は、どうしても消えなかった。
「こさめー! こっち!」
駅前に着くと、みことが大きく手を振った。
「おはよー!」
こさめは小走りで駆け寄った。
「おっ、今日は遅刻してないじゃん!」
らんが笑う。
「えへへ、こさめだってやればできるんだ よ!」
「昨日の夜、何時に寝た?」
なつが尋ねる。
「……えっと」
「まさか、また夜更かし?」
「ち、違うもん!」
「その反応は怪しいなぁ」
すちがくすくすと笑った。
「ほら、行くぞ。遅れる」
いるまの声に、みんなが歩き出す。
こさめもその後ろをついていった。
「ねえ、みんな」
「ん?」
こさめの声に、5人が振り返る。
「もしさ……自分の記憶が間違ってたら、どうする?」
一瞬、空気が止まった。
「……急にどうした?」
いるまが眉をひそめる。
「いや、ちょっと気になっただけ!」
こさめは慌てて笑った。
らんは少し考えてから、肩をすくめた。
「間違ってたなら、確かめればいいんじゃね?」
「確かめる?」
「そう。自分が覚えてることと、実際にあったことが違うなら、何が本当なのか調べればいい」
「……そっか」
こさめは頷いた。
みことも笑顔で続ける。
「でもさ、覚えてることが全部違ってたとしても、今こうして一緒にいることは本当じゃん?」
「みことくん……」
「俺たちが一緒に笑ったことまで、なくなるわけじゃないし!」
みことは、いつもどおり明るかった。
なつも小さく頷く。
「まあ、過去がどうであれ、今の俺たちが仲間なのは変わらないだろ」
「……うん!」
こさめは笑った。
少しだけ、心が軽くなった気がした。
けれど。
すちだけは、何も言わなかった。
ただ、こさめをじっと見つめていた。
その表情が何を意味しているのか。
こさめには、分からなかった。
昼休み。
6人は、いつものように教室の隅に集まっていた。
「なあ、今日の数学の宿題やった?」
なつが尋ねる。
「……あ」
みことの動きが止まった。
「やってないのかよ」
いるまが呆れる。
「だって、昨日ゲームが楽しすぎて……!」
「昨日も同じこと言ってただろ!」
らんが笑いながら、みことの肩を叩いた。
「みこと、あとで見せてあげるよ」
すちが優しく言う。
「すちぃぃ! ありがとう!」
「いや、甘やかすなって……」
いるまがため息をつく。
「いるまも一緒にやろー!」
「俺は終わってる」
「えっ、ずるい!」
「ずるくねぇよ!」
いつものやり取り。
いつもの笑い声。
こさめは、みんなの顔を順番に見た。
らん。
みこと。
なつ。
いるま。
すち。
誰もが、いつもと変わらない。
本当に、何も変わっていないように見えた。
「……ねえ、みんな」
「今度は何?」
なつが顔を上げる。
「小さい頃の写真って、持ってる?」
「小さい頃?」
みことが首を傾げた。
「うん。幼稚園とか、小学校のときの!」
「あると思うけど……なんで?」
「いや、なんとなく!」
こさめは笑ってごまかした。
らんがスマホを取り出す。
「俺、昔の写真なら何枚かあるぞ。見る?」
「見たい!」
らんがアルバムを開いた。
そこには、幼い頃のらんが写っていた。
公園で遊ぶ写真。
家族と出かけた写真。
誕生日にケーキを囲む写真。
どれも、ごく普通の思い出だった。
「わぁ、らんくん小さい!」
「おい、今も小さいみたいな言い方すんな!」
「ふふっ、かわいいねぇ」
すちが笑う。
こさめは画面を見つめながら、昨夜の写真を思い出していた。
あの写真には、6人がいた。
知らない研究所で。
知らない服を着て。
そして、誰かが記憶を改変されたと記されていた。
「……らんくん」
「ん?」
「俺たち6人が一緒に写ってる、小さい頃の写真ってある?」
らんの指が止まった。
「……6人で?」
「うん!」
らんはアルバムを確認した。
スクロールして、スクロールして。
しかし、6人全員が一緒に写った写真は見つからなかった。
「……あれ?」
らんが首を傾げる。
「俺たち、昔から仲良かったよな?」
「え?」
みことが顔を上げた。
「いや、今はめっちゃ仲いいけどさ。小さい頃からって……いつからだっけ?」
誰も答えなかった。
なつがスマホを取り出す。
「……俺も調べてみる」
各自が、自分の写真を確認し始めた。
数分後。
「……ない」
なつが呟いた。
「俺の写真にも、6人で写ってるものはない」
「僕も……」
みことの表情から、笑顔が消えていた。
いるまは黙って画面を見つめている。
すちは、静かにスマホをしまった。
「……変だね」
すちが言った。
「みんなで一緒にいる写真が、一枚もないなんて」
その言葉に、こさめの胸がざわついた。
そうだ。
おかしい。
毎日一緒に過ごしているのに。
あんなに仲がいいのに。
どうして、昔の写真が一枚もないのだろう。
「……気のせい、だよね?」
こさめは、誰に向けるでもなく呟いた。
誰も、すぐには答えられなかった。
放課後。
こさめはひとり、学校の図書室にいた。
学校の記録を調べれば、何か分かるかもしれない。
そう考えたのだ。
古い卒業アルバム。
過去の学校新聞。
入学当初の資料。
一つずつ確認していく。
しかし、6人が同じ学校に入学した記録はあっても、それ以前のつながりは見つからなかった。
「……どうして?」
こさめは、資料を閉じた。
そのとき、机の下に一枚の紙が落ちていることに気づいた。
拾い上げる。
古い紙だった。
端は黄ばんでいて、文字もかすれている。
そこには、こう書かれていた。
『第七研究所・被験者管理記録』
「……っ!」
こさめは息を呑んだ。
昨夜見た言葉と同じだ。
紙の下部には、小さな番号が記されていた。
『管理番号:06』
その横には、誰かの名前が書かれていたはずだった。
しかし、黒いインクで塗りつぶされている。
こさめは、震える手で紙を裏返した。
裏側には、鉛筆で書かれた短い文章が残されていた。
『七人目を忘れてはいけない』
「……七人目」
こさめは、紙を握りしめた。
その瞬間。
ガラッ。
図書室の扉が開いた。
「……こさめ?」
振り返ると、そこには――。
「すちくん……?」
すちが立っていた。
「何してるの? もう下校時間だよ」
「……あ、うん。ちょっと調べもの」
こさめは慌てて紙を隠した。
すちは、こさめの手元を見た。
そして、ほんの一瞬だけ表情を変えた。
「……何を見つけたの?」
「え?」
「その紙」
こさめは、答えられなかった。
すちは、いつもの優しい笑顔に戻った。
「……無理に聞くつもりはないよ」
そう言って、こさめの隣に座る。
「でも、ひとつだけ覚えておいてね」
「……なに?」
すちは、こさめの目をまっすぐ見た。
「分からないことがあっても、ひとりで抱え込まないで」
その声は、いつもと同じ優しさに満ちていた。
こさめは、小さく頷いた。
「……うん」
すちは微笑んだ。
けれど、こさめが紙を鞄にしまった瞬間。
すちの視線が、その鞄へと向けられた。
ほんの一瞬。
本当に、一瞬だけ。
その表情から、笑みが消えた。
夜、21時52分。
こさめは自分の部屋で、昼間に見つけた紙を広げていた。
『第七研究所・被験者管理記録』
『管理番号:06』
『七人目を忘れてはいけない』
頭の中で、何度も言葉が繰り返される。
七人目とは誰なのか。
なぜ、自分たちの記録が隠されているのか。
そして、なぜ自分は何も覚えていないのか。
「……調べるしかないよね」
こさめはスマホを手に取った。
検索欄に**『第七研究所』**と入力する。
しかし、結果は何も出てこなかった。
地図にも、新聞記事にも、公式記録にも。
存在しない。
まるで、この世界のどこにもなかったかのように。
「……そんなの、ありえないよ」
そのとき。
ピロンッ。
スマホに、また通知が届いた。
差出人不明。
件名なし。
本文には、一枚の画像が添付されていた。
こさめは、ゆっくりと画像を開いた。
そこに写っていたのは、古い研究所の廊下。
そして、壁に並んだ七つの名札。
六つには、それぞれ名前が書かれている。
こさめ。
すち。
みこと。
いるま。
らん。
なつ。
そして、最後のひとつ。
そこには、黒い文字でこう書かれていた。
『第七被験者』
画像の下には、短い文章が添えられていた。
『君たちは、あの約束を忘れてしまったんだね』
こさめは、スマホを握りしめた。
「……約束?」
その瞬間、頭の奥に何かがよぎった。
幼い自分。
誰かと手をつないでいる。
隣には、見知らぬ子ども。
そして、自分の声。
『絶対に、忘れないから!』
「……っ!」
こさめは頭を押さえた。
思い出せない。
顔も、声も、名前も。
ただ、胸の奥がひどく痛かった。
まるで、大切な誰かを失ってしまったかのように。
「……誰なの?」
こさめは、震える声で呟いた。
「君は……誰なの?」
返事はない。
画面の中の七つ目の名札だけが、暗闇の中に浮かんでいた。
そして、その画像も数秒後には消えてしまった。
『このファイルは削除されました』
こさめは、しばらく動けなかった。
自分たちの過去には、何かが隠されている。
それだけは、もう疑いようがなかった。
けれど。
誰が嘘をついているのか。
誰が本当のことを知っているのか。
まだ、何ひとつ分からない。
こさめは、グループチャットを開いた。
そこには、いつものように5人のメッセージが並んでいた。
らん: 明日、放課後ゲーセン行かね?
みこと : 行く行くー!
なつ : 宿題終わってからな
いるま : どうせみことは終わらないだろ
すち : ふふっ、明日も楽しみだねぇ
こさめは、ゆっくりと文字を打ち込んだ。
こさめ: うん! 楽しみ!
送信。
そして、スマホを胸に抱きしめた。
「……みんなは、こさめの友達だよね?」
誰もいない部屋に、こさめの声が響いた。
「……信じていいんだよね?」
答える人は、いなかった。
ただ、スマホの画面だけが、静かに光っていた。
コメント
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おおっと、2話も読んだわ!こさめの不安がじわじわ広がってく感じ、めっちゃリアルだよね。特にすちが途中で笑顔消すシーン、ゾッとしたよ…。七人目の存在っていう謎も気になりすぎるし、約束って何だったんだろ。仲良しグループなのに過去の写真が一枚もない不自然さが不気味で、続きが気になって仕方ない🔥