今回は奏永病という奇病のお話を書いていきます。苦手な人はここで中断することをおすすめします。
♯3 奏永病
僕は藤澤。皆に囲まれながらキーボードを弾く事がマイブーム。
今日も練習がある。楽しみだ。
m.「うん。そこよくなってる!」
r.「え、嘘!?嬉しい」
h.「俺もそこいいと思った」
褒められると嬉しくなり、つい笑みがこぼれてしまう
もっともっと褒められるように練習しないとな
数日後
今日はなんだか体が動かない。なんでだろう
その硬直状態は演奏をやめることで解消された
やっぱり、
キーボードを弾くと体が動かなくなる。
何かおかしい
そう思いスマホを手に取り調べる
r.「あ、」
僕と同じような症状の記事を見つける
それをタップし、内容を確認する
奏永病~美しい音楽を奏でると同時に石化する病気。
r.「なんだそれ。そんなん辞めればいいじゃん」
いや、辞める?無理じゃん。僕は今は人気バンドのキーボードだよ?弾くのも楽しいし。辞められるわけないじゃん。なにこのまま僕石化しちゃうの?
頭の中をグルグルと回す。何を考えても、2人の悲しむ顔が思いつく。
ダメじゃん。隠さないと。
すると、スマホがポコンッと音を立てた。
元貴達からだ。
m.「あのさ、新曲なんだけどさ。
ピアノを多めにしたくて、
だから涼ちゃんに頑張って欲しいんだけど
大丈夫?」
と入っている。
ピアノ多め?でも、僕体動かなくなっちゃうし。でもでも、頑張りたいし。
自分では決断ができない。
どうしようとスマホをオロオロと見つめる
そして出てきた決断は「OK」の2文字だった。
練習1日目
いつもより体が動く。治ったのかも。
これで弾けるぞ。やっぱり思い込みなんだろうな…
練習1日目から何週間か経った。
最近はあの症状は出てこない。
またピアノを弾く事が楽しくなってくる。
楽しくて辞められない。
でも、若井に止められちゃった。
今日は遅いから帰りなだってさ。
僕は否定したが、若井は聞いてくれない。
そのまま帰ることになってしまった。
その時の若井の表情はどこか悲しげで、
何かを隠しているようだった。
レコーディング当日。
弾く事が楽しい。辞められない。
そう思うとまた体が固まる。
でも指は動き続ける。
誰か僕を止めて。
そう思いながら、
石化することを受け入れた。
最後に聞こえたのは、僕の弾くピアノの音と、2人のありがとうと言う感謝の声だった。
最後まで見てくれてありがとうございます。
ちょっと没にしようとしたんですが、
載せてみることにしました。
やっぱり儚い系難しい。
でも頑張りますんでね??
ではまた。
コメント
2件
神作爆誕か!?
いやぁ…めっちゃ良い、このあとの2人の感じとかも良かったら見たいです…