吉田は一人、無言でアメリカ行きの航空機に乗り込んだ。
その機体は美々華がかつて所有していたもの。吉田は深いため息をつく。
彼の心の中には、美々華の顔が鮮明に浮かび上がっていたが、今はそれに浸る時間もない。
「もう、後悔してる暇はない。」自らに言い聞かせるように呟き、吉田は前方の操縦席へと目を向けた。
飛行機が魔境アメリカに向かって飛び立つと、吉田はすぐにその地へ降り立つ準備を整える。
目の前に広がる荒れ果てた地は、まるで別世界のようだ。
霧島と魔神が引き起こした破壊と混乱の結果、ここは無法地帯と化していた。
吉田は足を踏み出し、周囲を見回す。荒れた土地の中に建物の影が不気味に揺れ、視界の隅に何かが動いているのが見えた。
彼の任務は明確だ――霧島を、そして魔神を討つこと。
足を踏み入れた瞬間から、吉田は自らが置かれている状況の厳しさを痛感していた。
霧島の力が強力であるかは、もう誰もが知っている。魔神という存在も、並大抵の力では対抗できないほど恐ろしい存在だ。
だが吉田は、前進した。誰もが見放したこの地で、戦わなければならない。
それが使命であり、終わらせなければならないことだった。
進む先に霧島の拠点が見えてきた。荒れ果てたその場所は、鬼気迫る雰囲気を放っている。
「霧島……。」
彼の心の中で、霧島の存在があまりに大きく響いていた。
自分が強くても、闘志を燃やしても、霧島との戦いがどれほど困難かは想像するだに恐ろしい。
「だが……必ず倒す。」
そう自分に言い聞かせ、吉田は再び足を踏み出した。
その時、遠くから微かな音が聞こえてきた。吉田は身をひそめ、音の源へと目を凝らす。足音が徐々に近づいてくるのがわかる。
「霧島か……。」
その予感が的中した。霧島の姿が遠くの廃墟の中に現れた。
足取りは重く、まるで全てを背負ったような圧倒的な威圧感を放っていた。吉田の心臓が跳ね上がる。
霧島がゆっくりとこちらを振り返り、その瞳が吉田に向けられた瞬間、時間が止まったかのような感覚に襲われる。
「久しぶりだな、ご主人。」霧島の声は予想通り、冷徹で感情を抑え込んでいたが、その中には確かな冷笑が浮かんでいた。
「お前が来るのを待っていた。」
その言葉に、吉田は拳を握りしめた。「待たせたな、霧島。」その言葉が発せられると同時に、吉田の体は鋭く動き出す。
突然、空気が震えるような、圧倒的な力が放たれる。
「お前を……殺す。」
その一言とともに、吉田は霧島に向かって突撃した。
コメント
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今回も神ってましたぁぁぁ!!!! 霧島っちいいいいぃ、、、どうか目を覚ますんだ!!((? こう見えてご主人まじパネェからな!!?想像の200倍は強いからな!!!!( でも霧島っちもやばいんやろな、、、大統領あんなんにするくらいやからな((( 次回もめっっっっさ楽しみいいいいぃ!!!!!!