あの日、イギリスは生きていた。
屋上からの転落は奇跡的に一命を取りとめた。
でも、目を覚ましたとき――あいつは、僕を忘れていた。
医者の言葉は淡々としていた。
医師「衝撃による記憶障害ですね。本人にストレスを与える可能性があるので、刺激的な過去の話は避けてください。」
つまり、僕は――“知らない人”になった。
それでも僕は、病院に通い続けた。
毎日、花を持って。
あの日の約束を、勝手に、守り続けた。
今日はサンダーソニアを持っていく。
仏「……やぁ、また来たよ」
英「こんにちは。……その花、可愛いですね」
仏「うん。“助けて”って花言葉、知ってる?」
英「へえ……少し切実すぎますね」
仏「でもさ、誰かに助けてって言えるのって、本当はすごく勇気いるんだよ」
英「……そう、なんですか」
僕を見つめる目は、もうあのイギリスじゃない。
でも、その優しい口調も、手の置き方も、ふとした瞬間に昔のままで。
仏「……ねぇ。君が全部思い出した時に、もし僕のことが嫌いだったら……その時は叩いてくれていいよ。何発でも」
英「なんでそんなことを?」
仏「君がどれだけ僕を傷つけても、僕はそれでも、君を――」
言葉は途中で喉に詰まった。
今の君には、伝わらない。
あの日の“助けて”も、怒鳴った声も、抱きしめた腕も。
仏「……ごめん。冗談。今日は、もう帰るよ」
英「……また来てくれますか?“フランスさん”」
その一言に、僕は泣きそうになった。あのときと同じ。
仏「ああ。もちろん。また、花を持ってくるよ。」
花を渡す日々が続く。
でも君は、いつまでも僕を知らない。
優しく笑ってくれるけど、僕のことを「初対面の訪問者」だと思っている。
それでも僕は、君に花を渡す。
サンダーソニアも、ポピーも、チューリップも――
だって、忘れててもいい。
僕が覚えてるから。
僕の中に、君がちゃんと生きてるから。
それだけで、もういいんだよ。
……そう言い聞かせながら、今日も僕は病室の扉を叩く。
次回ハッピーエンドですよ―――――――!!!!!!
楽しみにしておいてください、、、!!
2025/06/03 21:30
公開にしましょうかね、、、でも寝る人はねてくださいねっっ!!!!
さようなら~
コメント
17件
もう心粉砕された、ハッピーエンド見て治るのか…
フライギは神……!!!!! ぁぁぁ切ないよぉぉ!!でも最高だよぉぉ!!!