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朝の光がカーテン越しに差し込み、薄い金色が部屋を優しく包んでいた。
すちはまだ眠っているみことの髪に指を通し、そっと撫でる。
その動きは柔らかくて、まるで壊れ物に触れるような優しさだった。
しばらくして、みことが小さく瞬きをして目を開ける。
ぼんやりとした視界の中で、真っ先に飛び込んできたのはすちの穏やかな笑み。
「おはよう、みこと」
低くて落ち着いた声。
今までの冷たさとはまるで別人のような、いつもの“やわらかいすち”だった。
みことの胸がふっと軽くなる。
その顔を見た瞬間、昨日までの不安が全部溶けていった。
すちはみことの頬に手を添え、そっと額を寄せる。
「ずっと一緒にいようね」
微笑みながら落とされたその言葉は、とても優しく、穏やかで…
それだけで胸の奥がじんと熱くなる。
そして——
「愛してるよ」
すちはそう囁き、みことの唇に、ふわりと優しいキスを落とした。
みことは驚きで目を瞬かせたあと、その柔らかい温もりを確かめるように目を閉じる。
胸がぎゅっとして、涙が出そうになるほど嬉しい。
「……すち……」
以前の、優しくてあったかいすち。
自分を守ってくれる、そばにいてくれるすち。
戻ってきた——。
その事実がたまらなくて、みことは幸せそうに笑う。
「うんっ!♡ おれも……すちのことあいしてる!♡♡」
みことは勢いよく体を寄せて、嬉しそうにキスを返した。
すちは少し驚くも、すぐにふわりと笑い、みことの背中を抱き寄せる。
「もう誰にも奪わせないからね…♡」
朝の静けさの中で、二人は何度も何度も優しいキスを交わした。
そして二度とみことを外に出すことはなかった。
__𝐹𝑖𝑛.