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、 はい ご馳走様でした(
gr Side
tnのいる場所が分かって数週間が経った
ut「 grちゃん。これ例の情報ね 」
gr「 …あぁ、助かる 」
場所は今世界で噂となっている無慈悲と呼ばれている国
彼奴等が戦いで負けたことはない。
今すぐ助けに行きたかったが、物資が足りなくなったり向こうの行動が読み取れない
それに、もしこちら側が動いて返り討ちにされたら意味がないからだ
gr「 …はぁ 」
今日で何回目かのため息をつく
何も進捗がなく、俺は薄々諦めかけていた
それに俺は彼奴に失望されたんじゃないかとか、
無理をさせすぎたのではないかということを考えてしまっており、怖かったから
彼奴が残していた手紙の内容は見た
だが、それでも怖かった
彼奴が相談できないほど溜め込んでいたから、俺が違和感に気付くことができなかったから
……あぁ、背中が重い
俺のした過ち、他のものからの憎しみや復讐心、期待、失望
何故か、今までしてきたこと全てが俺を潰そうとしてくる
今の、完璧ではない俺を、優等生でもない劣等生の俺を、
全てを否定してくる
それが苦しい
…俺のしたことは全部無意味だったのだろうか。
その思考に達してしまう
kn「 ……____ッ__ン、_____gr!!! 」
gr「 ……あ、あぁ…knか。 」
gr「 どうした?書類か? 」
kn「 いや、書類でも仕事のことでもない 」
gr「 それ、は……どういう…? 」
knの言葉に動揺と言うべきだろうか、不思議に思いながらどこか怖くなっていた。
表ではいつも通りの俺を演じながら内側の方では1人で
「なにか言われるんじゃないか」
と思考をグルグルと高速に動かしていたその時
バンッ!
gr「 ッ… 」
机を叩かれた。
怒っているのか?俺がまたなにかガバったのか?また失望させてしまった?
kn「 お前、今自分のせいとか色々考えとるやろ 」
gr「 は、いやそんなことは 」
kn「 表情にでとる 」
gr「 ……ぇ、あ… 」
表情にでていた??
嘘、嘘のはず
俺は完璧でいなければ、皆が求める総統にならなければいけない
総統としてそんな弱々しい感情を出すわけには…
kn「 はぁ〜…その反応図星か 」
kn「 ほんま……お前抱え込みすぎなんやって! 」
バシバシと彼奴はそう言いながら俺の横まで近付き、肩を叩いてくる
地味に痛いことはここだけの秘密だゾ
kn「 ……何に悩んどってん、話してみーや 」
gr「 …いや、何もない 」
kn「 ほんまか? 」
gr「 本当だゾ 」
嘘を吐いた
吐くはずはなかったのに
身内に甘いとよく言われるが、自分的には身内も信じることが出来ていない
これが皆がいう「優しさ」だったとしたら、俺にとってはただの「恐怖」でしかない
kn「 …そうか 」
kn「 …なんかあったら絶対言えよ? 」
こいつの瞳は空のように鮮やかな水色で、覚悟を決めたのか光を灯す
本当に、俺はお前らが羨ましい
その決意が込められている瞳、冷たいがどこか温かさというか、ぬくもりという優しさがある声色
諦めずに必死に求め続けるその諦めの悪さ
gr「 あぁ、分かってる 」
そんなお前らが羨ましい
案外ツンデレの部分があるお前らのほうがかなり過保護な気がするゾ
お前らの姿を見るだけで、何処か救われたような───────そんな気がする。
嫉妬もするが、それより遥かに多い俺が抱えている感情
お前らは俺がどうのこうのとかよく言うが、
俺がお前らを勧誘したり無理やり引きずり込んだりしたのは
俺が何故お前らにこだわるのか、それは────────────
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kn Side
grが何かを抱えていると本能がそう叫び、
いつの間にか彼奴の総統室にお邪魔して「大丈夫か」と声をかけてしまった
彼奴は大丈夫だと言ってるが、多分大丈夫ちゃうやろ
顔色が異様に悪い。本人気付いとらんけどな!!!
kn「 なんかあったら絶対言えよ? 」
そう声を掛けたら彼奴は
gr「 あぁ、分かってる 」
そう返してきた
バレバレなんやぞ、嘘やって。それもお前が無理やり被っとる「優しさ」の仮面やろ
総統やからって無理に抱え込む必要ないと思うんやけどな
まぁこう言っても無理そうなんでut先生とかosに頼るとするか!!!
そう彼奴が安心できるようなことを必死に考えようと思考を動かす
……ほんま、俺らがどんだけお前のことを大事にしとると思っとるんや
俺等はお前の全てに惹かれたんや。
一言で言うと一目惚れ。あ、恋とか愛とかそういうのちゃうぞ?!
ただな、
なんで俺等が裏切らずお前について行ってるのかを考えてほしい
お前が求めているものが、魅力的やからなんやで
全員そう、命を変えてもお前の願いを叶える程の覚悟は出来てるんや
だからtnも相談せずに勝手に去って、勝手にこう囚われてるんやろ。
俺はそう思っとる。
案外俺等のツートップは鈍感野郎なもんなんやからな!!!!
いやーおもろいわ!!!!!wwwwwww
……だから、無理に自分のせいだと思わないでほしい。
これは俺らが決めた、お前を守ることでもあるから
この命を失ってもお前を支え、守り続けたい
お前の願いを全て叶えるため、俺らの願いも叶えるため
kn「 ただの心無いやつやと思わんといてほしいわ! 」
俺の使命と言うべきだろうか、それは─────
お前らの背中を押すこと。
何があっても、愛を知らない俺に愛というものを教えてくれたお前らの進む道だけは
必ず守りたい。
今までの恩返しとして。
kn『 仲良うするつもりはないからな。 』
初めて会ったとき、冷たく返したその言葉。
あの時愛を、家族のあたたかみを知らなかった俺に教えてくれた。
gr、それはお前なんやで。
gr『 ほう、ではそんな君に素晴らしい提案をさせてもらおうじゃないか 』
kn『 だから仲良くするつもりない言うとるやろが 』
gr『 まぁまぁ、そう慌てるな 』
kn『 慌てとらんねんけどな 』
kn『 …んで、提案ってなんや 』
gr『 あぁ、それはな 』
「 『 我々とついてきて、面白いものをこの目で焼き付けてみないか? 』やったっけな 」
説得力もないその言葉
「面白そう」とかそんな気持ちは無かった
ただ、
彼奴についていったら、何か分かるんじゃないか
何故こんなに惹きつけられるような魅力があるのか、何故こんなに出来る男なのか
何故こんなに、お前の言葉やその迷いのない瞳という甘い毒に侵食されているのか
それが気になった。
だから俺はついてきた。
なんの理由もない、ただお前に対しての疑問を晴らしたかったから。
仲良うするつもりなんて無かったのに、
此処に来てほんまに自分が変わった気がするんや。
他のやつが語るgrとの出会い話も聞いとると全員同じような感じなんや。
なぁ、gr
なんで皆お前にこだわるか知っとるか?
それはな、───────
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