『学校に行きたくない。』
そう思ったのは,今日で何回目だろうか。
底辺の人間で,優等生とか言われてる僕も
とうとうおしまいなのかな。
『学校やめようかな。』
そんな呟きは、雨音にかき消され消えていった。
学校に着き,先週の期末テストの順位を見に行くことにした。
『一位 夕凪 奏多』
珍しい。なぜ、僕の名前が一位なんだ?
いつも,40位とかだぞ?僕
よし、今日はいつにもまして,推しの配信がわくわくで見れそうだ。
さてさて、帰って、新しいお菓子でも買おう。
そう思いながら,教室に戻った時だった。
あの惨状を見たのは。
僕の机に置かれた百合の花瓶。
『底辺くん』と書かれていた僕の机。
そして、そこで全てを悟った。
僕は、一位を取ってはいけない人間だったんだと。
この学校では。理事長の息子が全てだったんだと。
おかしいよな、こんな世界。
そう思った僕は、走り出していた。
人の目のない方へとひたすらに。
誰の目もないところに真っ直ぐに。
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