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レイチェルの怠惰な恋愛模様

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レイチェルの怠惰な恋愛模様

7 - 王太子の興味(王太子side含む)

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2024年01月15日

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「は!」


気のせいか。


「って、え!?」


何で私馬車で寝てるの…?


「あれ…?なんか私忘れてる?」


あのあと何かあったっけ……




そうそう、何か視界が揺れてると思ったから別の部屋に移動して…。


それで、ソファに座って、近くの丸テーブルに突っ伏したんだ。


………あれ?



そこから記憶無いぞ…?


え?


「ねぇ!」


馬車の中から御者を呼ぶ。


「は、はい!」


「あのさ、私を馬車に連れて来てたのって誰?」


「えっ、あ〜…えっと…その、」


すると、急にしどろもどろに話す御者。


「どうしたの?」


「その……口止めをされておりまして」


「口止め?」


私は曲がりなりにも公爵令嬢よ?それを相手に口止めって…


あいつじゃん!!


十中八九あいつじゃん!!



え、私なんか失礼なことしてないよね…?


寝言とか言ってないよね…、ね?


や、やばいかも。



背中に冷や汗が流れる。




……寝よ。






王太子side



うんざりだ。



「殿下!今日はまた一段と麗しゅうございます!」


「殿下、恐れながら私と一曲踊ってはくださいませんか?」



派手なドレスにメイク、香水のむせかえる甘い匂い。


気持ち悪い。



早く夜風に当たりたい…。



そう思っていた頃、目の端にひたすら料理に食いついてる女を見つけた。


女はこちらには目もくれず、料理とジュースを頬張っては満足げな表情を浮かべていた。


俺はその姿に、ほんの少しの羨ましさと、


「お前何しに来たんだ?」


という素朴な疑問を抱かざるを得なかった。




女はそれからずっと食べ続け、ある時席を外したかと思うとどこか別の場所へと消えていった。


俺は気になってその場を後にし、女を探すと…


「すー…すー…」


ささやかな寝息が聞こえてきた。



部屋へ入ると、ちょうど一人の男が手を出そうとした。


「貴様、何をしている?」


「はっ、こ、これは殿下!?失礼いたしました…!!」


理由も言わずに立ち去っていく男を気にもとめず、女を見やる。


女は相変わらず油断しきった表情で寝ていた。


「はぁ、今襲われそうになっていたというのに…」


………


アントネラ公爵家の娘か…


あそこは変人が多いと聞く。納得だ。



「君、起きなさい」


声だけの警告は全く彼女には届いてないようだ。


「ふへへ…おいし…」



なんだ、夢の中でまだ食ってるのか。


俺はつい笑ってしまい、今後の料理にもう少し手を加えてみようか、と考えた。

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