コメント
2件
コメント失礼します もうこういうの探してました…どストライクです…😭😭
やばい😭泣きかけた
あてんしょん
・ nmmn注意
・ ご本人様とは一切関係ありません
・ タヒネタ注意
・ 青さん(幽霊)と水くんのお話
(桃さんも出てきます)
・ 完全自己満小説の為、とにかく読みにくい
・ 続編未定です
以上を踏まえまして、
単語に聞き覚えのない方 ・ 夢女子さん は 即Uターンで。
また、続きを所望するコメントやリクエスト等はお控え下さい。主は気分屋なので書かない可能性大です。
コメント等、nmmn界隈のルールを守ってご本人様の目に入らないよう検索避けをして頂けるとありがたいです。
ご理解頂けた方のみ、本編へどうぞ
↓↓↓
昨日の夜、部屋で。
一人。
宵闇に溶けそうな、深い青の髪を揺らし
キミは━━━ 。
『Ifが昨晩亡くなった』
ないこハウスに急遽集められ、唐突にそう告げられた。
ないちゃんからそう聞いて、ボクは驚きよりも寂しさが勝った。
なんなら声も出せず泣いた。
そんなボクの背中を、唇を噛み涙を耐えながらアニキがさすってくれた。
初兎ちゃんもりうちゃんも、目を腫らして泣き喚いていた。
ないちゃんは、少しだけ泣いてた。
大嫌いなはずの、ボクの相方。
キミとはもう些細なケンカも、ゲームも、配信も出来ないなんて。
世界が一転して、目に入る全てにキミの面影を探した。
いれいすはメンバーが欠けた後、事実上の解散を発表し、ボイシングには残ったものの個人としての活動を開始。
ないちゃんは代表のお仕事に専念する為、歌い手を引退した。
これらは全て、3日間の出来事だった。
通夜が終わり、葬式も終え帰路に着く。
自宅の玄関の鍵を開け、中に入った。着慣れない喪服のネクタイを解きソファに放り投げては腰を下ろす。
「……いふくん、」
ふと、名前を呼ぶ。
『なんや、ほとけ』
なんて、返してくれる人はもうこの世には居ない。
そんな事実に今更気付いては、込み上げる感情を抑えきれず。
ボクは初めて、声を上げ泣いた。
配信上でするような、高めの声でなく、ありのままのボクの声。
「……っいふくん、なんで……っ、!」
口から出るのは責めるような言葉ばかりで。こんな時もボクは優しくない、なんて思いながら、人目を気にせず泣き続けた。
『ほとけ、』
「っ…いふぐん”、」
『なぁに』
「……っ、あいたい…!」
『ほとけ、かお…あげて?』
「っ!!……いふく …っ!」
顔を上げたって、もうキミは…… 、
…え?
「いふくん!!!」
『ん』
そこには、彼がいた。
まるで実体があるかのように、ソファに座っていたボクの目の前に、身をかがめるようにして、顔を覗き込んでくる。
これには流石のボクも驚いて、涙が引っ込んでしまった。
「ホントに…いふくん……??」
『ん、本物』
「ボク、いつの間にか寝てた?」
『起きてるやん』
でも、夢としか…
そこまで考えては、試しに自分の頬を抓ってみる。痛い。
『ふっ、あほとけ』
「はあ?!再会して早々悪口??!」
『ふふ、ごめんて』
少しだけ笑みを含ませながら、謝罪を口にする彼。まるで生きてた頃を彷彿とさせるようなやり取り。それに少し懐かしい感覚がして、先程止んだ涙がまた流れてきた。
『え、ちょ、なんで泣くん』
「うるさいばかぁ〜」
『ごめんて!ホンマに!』
必死に謝る彼に構うことなく、しゃくり上げることおよそ30分。
ようやく落ち着いては、改めてそこに居る幽霊(仮)を見つめた。
身体が透けてるとか、足がないとか、宙に浮いてるとかではない。ただ、そこに居るのだ。
勿論コレがドッキリの可能性も考えたが、先程までいた葬式場にて、確実に彼の両親であろう人達の姿をこの目で見ている。よって、その線は低いだろう。
となると、やはり幽霊なのか。
そこまで考えてはふと、とある疑問が浮かび彼に話しかけた。
「いふくん、」
『なに』
「なんでボクの家に来たの?」
直後、口を半開きにして固まるいふくん。何か言いたそうだが口をモゴモゴとさせ始めた。
もしかしてボクには言えない事情があるのか、と思い至っては「やっぱり答えなくていい」と言い出す前に、彼が話し始めた。
『…他の奴には、見えへんかってん。俺のこと。りうらもしょにだも、あにきも、ないこも。そんで、ココに来た』
「見えないって、やっぱ…そういう……?」
『多分そう。正直、お前も俺のこと見えへんかったら、気ィ狂ってたかも』
「……」
『死んだはずの奴が突然目の前におって、怖かったやろ』
別に、そう言おうとして、やめた。
いふくんが、凄く悲しそうに笑うから。
今までそんな顔で笑ったとこなんか、見た事ない。見たくないよ。
だから、
「それでも、ボクには いふくんが居なきゃダメだよ」
そう言ってやった。
案の定、いふくんは目をまん丸にしてボクを見つめた。
イタズラが成功した子供のように、してやったり顔で笑っては、続ける。
「今度こそ、飽きるまで傍に居てくれるでしょ?」
『…しゃーなしな』
困ったように、それでもいつもよりは優しめのトーンでお決まりのセリフを吐く彼に、先程までの涙が嘘かのように微笑んでみせたのだった。
とはいえ、まずは現状確認だ。
今の彼に何が出来て何が出来ないかを知る必要がある。
それは彼も同じ考えだったようで、意外とボクの提案に協力的だった。
「まず、いふくんは他の人には見えない、聞こえない、触れないってことで合ってる?」
『ん。合ってる』
「じゃあボクは?ボクには触れる?」
そう言い手を差し出す。握手を求めると、恐る恐る手を伸ばしてきた。それがあまりにもゆっくりだったので、痺れを切らしてボクから掴みにいくと、少し驚いた声を上げながらもふんわりと握り返してきた。
「……触れる、けど」
『けど…?』
「体温がない感じがする、」
『冷たい?』
「……ちょっと違う。不思議だね」
えへへ、と照れくさくなり笑いかけると、いふくんは手を離す。なんとなく離したくなかったけど、「今はいっか」と別の検証に移った。
「次は機械だね。カメラとかマイクとか」
『せやな。とりあえずなんか撮ってみろ』
「はいはい。言われなくても撮りますぅー」
そう言いスマホのカメラを起動させると、いふくんに向ける。軽口を叩きながらもぎこちなくピースをするいふくんをパシャリと1枚撮った。
ついでに動画も少し撮ってみる。
『まだ?』
「これ動画。なんか話してみて」
『はぁ??……んー、ぽえぽえのまりょ!』
「……よし、おっけ」
『おい、スルーはやめろよ、おい聞いてんのか』
なんかいふくんが文句を言っているが、構うことなくアルバムから写真と動画を確認した。
だが、結果は思った通りで……
『どう?』
「ボクの目には映って見えるけど、他の人にどう見えるかは分かんない、かな」
『え?詰んでね??』
「詰んでる詰んでる」
『無能じゃん』
「はあ!???!?」
そのまま口喧嘩が始まる…かと思いきや、いふくんがこんな提案をしてきた。
『それ、いれいすのメンバーに送ってみる?』
「……え?」
『見えてたら絶対反応くるやろ』
「イタズラとか合成とか、言われるくない?」
『そこら辺はほとけがどうにかしろ』
「えぇ〜…」
んな無茶な…とは言いつつも、元いれいすメンバーのいるグループチャットに画像と動画を添付してみる。
夜も遅い時間だし、起きてるのは2人くらいかな、なんて思っていると4人分の既読がつく。まさかの全員起きてた。嘘じゃん。
「いふくん!なんか皆起きてんだけど!」
『ええ、寝ろよ』
「既読ついてるのに反応無い…」
『見えてるんかな』
「どっちにしろ反応に困ってるんだよきっと」
『見えてたら速攻レス来そうやけど』
特にないことか、といふくんが続けたタイミングでないちゃんから返信が来た。
“部屋片付けたの?行ってもいい?行くね?”
「……?」
『……』
2人して黙り込む。
思わず顔を見合せていると、続く2人目からの返信が届いた。送り主はりうちゃんだ。
“ほとけっち誰かといるの?”
「りうちゃんには聞こえてたのかな?」
『コレ、もし俺の声入ってなかったとしたら、お前独り言ヤバい奴みたいやな』
「……!!ソレを先に言ってよ!!!」
慌ててりうちゃんに返信をする。流石のボクでも可愛い年下にヤバい奴扱いはされたくない。
“上手く声入ってなかったかも”
“なるほど”
ひとまず誤解は解けたところで、次はあにきとしょうちゃんからほぼ同時にメッセージがくる。
“ほとけなんでコレ送ってきたん”
“いむくん暇やからってグループチャットで遊ばんといて〜”
「しょうちゃん…!」
『暇人扱いされてんのオモロ』
「他人事だと思って…!!」
『だって他人事だもーん』
けらけらと笑う彼に構うことなく返信を打っていると、突然インターホンが鳴り響いた。
こんな時間に配達?、と怪訝に思いながらも玄関に行きドアスコープを覗く。
そこに居たのはないちゃんだった。
…………いやなんで??
「ないちゃん、」
『ん?ないこ?』
ボクがすぐに戻ってこなかった事を不審に思ったのか、リビングからいふくんが歩いてくる。ドアスコープを覗き固まったまま、聞き慣れた名前を紡いだのに潔く反応するいふくんを横目に、ボクはというと内心ものすごく慌てていた。
「と、とりあえずいふくんはボクの部屋!」
「行って!早く!」と特に説明もしないまま急かした後、ボクの部屋の方へといふくんが姿を消したのを確認してはようやく玄関のドアを開けた。
「ごめん、お待たせ!」
「大丈夫。こっちこそ急に来てゴメンね」
「へーきへーき!」
あんまり片付いてないけど…と、言い訳をするでもなく付け足しながらないちゃんを中に招き入れる。
リビングのソファへと促しては、ボクもソコへ腰を下ろそうとした。
『……なんや』
「……」
誰かさんの長い足が邪魔をしてソファに座れなかった。というか、部屋に居てって言ったのに!と目線を送ると、返ってきたのは少し拗ねたような声だった。
『俺もないこと居たい』
「……(ダメに決まってるじゃん!)」
『視線がうるせーな、ふん』
「……はぁ」
わがままを言いながらソファに大きく寝そべる姿は、さながら大きな子供のようで。生きてた頃のエリートサラリーマンの面影は欠片も無い。いや、生きてた頃も割とそうだったかも。
思わずため息をつくと、ないちゃんが心配そうに声を掛けてくれた。
「ほとけっち、ため息なんかついてどうしたの?」
「いや、なんでもないよ!」
「そう?俺はもうリーダーじゃないけど、相談ならいつでも乗るから」
「ありがと〜!ないちゃーん!!」
その言葉が嬉しくて思わず抱きつく。いつもは手で制され「離れろ」と怒られるが、今回ばかりは色々な事が短期間に沢山起こった為か、素直に抱擁を享受するないちゃんに甘えた。
一方いふくんはというと、ないちゃんの発言に少し困惑しているようだった。『もうリーダーちゃうん…?』などと呟いてるが、今はないちゃんが居るので説明が出来ない。
ともかく今は、
「ないちゃん」
「ん?」
「どうして急にウチに?」
流れからして先程のグループチャットでの会話だろうか。にしては突拍子が無さすぎる。ないちゃんは見切り発車が多いけど、その実凄く思考しているのはもう長年一緒に活動をしてきた仲なので分かっていた。
そんな彼が急にウチに来たのにもきっと理由があるはず…
そう思い尋ねてみると、案の定ないちゃんは先程までとは打って変わって真剣な眼差しでボクへと向き直った。
「実はほとけっちに訊きたい事があって…」
そう言いながら机の上に載せられたのは、1台のスマホだった。
機種は少し古い、でも何処かで見た事のある懐かしさのある型だ。
それに気付いたいふくんが突然大声を出し、ないちゃんを気にすることなく机に身を乗り出す。
『コレまろのスマホ!!』
そうだ、いふくんのスマホだ。
でもどうしてないちゃんがコレを?
そんなボクの考えが伝わったのか、ボクが尋ねる前にないちゃんはポツリポツリと話し始めた。
「これ、まろのケータイなんだけどさ。パスワード、誰に訊いても分からなくて。メンバーとか家族の誕生日だったり、活動に関する記念日とか、考えつく限り色々入力してみたんだけど…」
「まあ、……本人にしか分からないよね」
「その通り。ほとけっちは何か心当たりないか聞きに来た」
そんな話を聞きながら、チラリといふくんの方を見る。
いふくんは今にも泣きそうなないちゃんに、寄り添いたいのか、いつの間にかソファを離れないちゃんの隣に居た。
どれだけ寄り添いたくても、彼はないちゃんには見えないのだ。
存在を認知されない、悲しすぎる彼をとてもじゃないけど見ていられなくて、気を紛らわすように机の上のスマホを手に取った。
電源を入れてみると、パスワードの入力を指示する画面が映し出される。
「うーん…分かるかな」
「まろ、何か言ってた?」
「え?」
ないちゃんの質問の意図が分からず、聞き返すと「そのパスワードについて」と、補足される。特に心当たりは無かったので頭を横に振ると、彼は少し落ち込みながらも「ありがとう」と力なくお礼を述べた。
何か力になってあげたかったな、なんて思いながら再度いふくんを見ると此方に気付いたいふくんはボクの隣に来ては唐突に口を開いた。
『123467』
「え?」
「ん?どうした?」とないちゃんが心配の声を掛けるのを軽くスルーしては、今しがたいふくんに言われた数字を入力してみる。
すると、パスワードが認証されたのかホーム画面へと移った。
「いふくん…」
「え、なに。どしたのほとけっち」
「いふくんだけ、居ないじゃん……」
「え?」
そう、彼に言われた数字の意味。
『5』はいふくんを表す数字だというのに、彼だけがいなかった。
『俺此処におるしな』
「バカじゃないの…」
『うるせ』
少し哀しくて、でも何も状況を掴めていないないちゃんを置き去りにしていふくんを問いただす訳にもいかず、パスワードが解除されたスマホを静かに彼へと手渡した。
「え、解けてる!ほとけっち分かったの?」
「いふくんああ見えてバカだから、すぐ分かった」
「……数字、何だったん?」
「123467。いふくんだけ、居ないの」
「っ……」
ボクの言葉にはっとしては、涙を堪えるよう顔を歪めるないちゃん。肝心のいふくんはというと、パスワードが解けた後さっさとボクの編集部屋へと姿を消してしまった。
ボク何したらいいんだろ、
そんな思いでないちゃんの頭を撫でようと近付くと、逆にないちゃんから頭を撫でられた。
あまりに突然の行動に目を白黒させていると、ないちゃんは未だ涙を堪えながら静かに話し始めた。
「…まろとほとけっちと、俺で、最初に組んでさ。”初期組”なんて呼ばれたりしてさ。6人で『いれいす』だったけど、なんでだろうね」
「…そうだね。いふくんやっぱりバカだよ」
「はは、今回ばかりはほとけっちが正しいな。まろが居なきゃ『いれいす』じゃないのにな」
「……うん」
「……ほんとっ、何処で……っ」
━━━━ 何処で、間違えたんだろうなぁ。
そんなないちゃんの心の叫びが、ボクの心臓を確かに突き刺した。胸の奥がヒリヒリと痛む。そんな感覚に陥って、一瞬だけ息の仕方を忘れた。
ないちゃんがここまで傷心しているのは、本当に見ていられなかった。出来ることなら目を逸らして今すぐ布団に潜り込みたい。
でも、そんな事をしたらいよいよボクは薄情者扱いをされるだろう。
声を押し殺して俯くないちゃんに、そっと寄り添いながら心ではこんな事を思ってる自分に嫌気が差した。いや、いふくんの葬式で涙も出なかったあの時からボクはおかしかったんだろうな。
なんて思いながら、隣に居る彼の頭を抱き込む。素直に抱擁されてくれるないちゃんが落ち着くまで、ボクはそこを離れられなかった。
暫くして落ち着くと、ないちゃんは再びロックされたいふくんのスマホと、自分の荷物を手にボクの家を後にした。
玄関を出る直前、ないちゃんは少しだけ悲しそうに「またね」と零した。
ボクはそれにいつも通り「ばいばい」と返し、ないちゃんを見送った。
人気の無くなったリビングに戻りソファに腰を下ろすと、自然と瞼が落ちてくる。
今日は流石に疲れたな、と独りごちてはその眠気に抗うこと無く意識を飛ばした。
目が覚めると、見慣れた景色が目に入る。と同時に窓から差し込む陽光に目を細めては、硬くなった身体で伸びをした。
昨日は疲れてソファでそのまま眠ったのだった。時計を見ると朝の5時過ぎ。ボクの普段の生活からすると、流石に早く起きすぎた。部屋に戻って2度寝をしようか。
なんて考えてはソファから降り、ベッドのある寝室へと向かう。
扉を開け、いつも通り一直線にベッドへとダイブする直前で、いつもとは少し違う光景に気が付いた。
ベッドの毛布の中に、何かいる。
驚いて、でも頭はそれだけじゃ覚めてくれなくて。コレは夢か、なんて思いながらその物体を無視してベッドに横になった。
直後、物体がもぞもぞと動き出しては毛布から顔を覗かせ唸り声をあげる。
『……んぅ、う』
眠そうな顔でボクを見つめるのは、つい先日死んだはずのいふくんだった。
昨日は少し疲れていた事もあって、あんまり頭が働かなかったけど、冷静に考えたらボク幽霊(仮)と同居してるんだな…
そんな感じで悟りを開いていると、何も言わないボクが少し珍しかったのか、いふくんが先程よりも少し目の覚めた顔で声を掛けてきた。
『ほとけ……?どしたん…?』
「別に?眠いなぁって、」
『……ふぅん』
『あっそ』と零してはそっぽを向いてまた寝ようとするいふくん。はぐらかされたのが気に食わなかったんだろうな、なんて考えながらも向こうをむいている彼に手の先で少しだけ触れる。
一瞬だけ驚いたものの、それ以上何も言ってこないことを許容と受け取り今度は手のひらで頭に触れてみた。
少し寝癖で跳ねている髪を整えるように優しく撫でていると、規則正しい寝息が聞こえてくる。
ボクもそれにつられるようにして、再び目を閉じたのだった。
次に目が覚めた時、隣にいふくんは居なかった。やっぱり昨日のことも全部夢だったのか、なんて考えながらカーテンの方を見る。
隙間から日差しが入り、今が昼間だと否が応でも分からせてくるのが腹立たしい。ベッドから降りてPCを立ち上げると、ないちゃんと初兎ちゃんからメッセージと不在着信が届いていた。
そういえば今日は出社日だったな、と漸く時間を確認すると14時ちょうどだ。今から行って用事を済ませたら帰ってくる頃にはちょうど夜ご飯のタイミングだろう。久々に自炊でもしようか、と冷蔵庫の中を確認する為にリビングへと出た。
ふと、ソファに青が映り足を止める。そこには横になり目を閉じたいふくんが居た。
「……良かった」
口からそんな言葉が零れて、慌てて口を抑える。良かったってなんだ、どういう意味で…
当初の目的など完全に忘れては、いふくんに恐る恐る近付く。
棺の中にいるような、生気の無い顔。底の見えない海のような深く暗い青の髪。微塵も上下していない胸元へと視線を注げば、首元から提げられたネックレスがキラリと光る。
生前の姿のまま、死んだように横たわる彼に得体の知れない恐怖を感じては起こしにかかった。
「いふくん、起きて」
『……』
「…起きてよ」
『………』
身体を揺さぶるも、目を開く気配は無い。
まさか、本当に……?
「ねぇ、起きてってば!」
『…………』
「……また、置いてくの」
「酷いよ…」
弱々しい呟きは誰にも届くことなく消えて。
頬に水滴が一筋伝って、床へと落ちた。
目の前が涙で一杯になる。
すると、目の前の彼が唸り声を上げ目を開いた。
『……んぅ、ほとけ?』
「いふ、ぐん…っ」
『なに、また泣いてるん?』
『お前ホンマに泣き虫やなぁ』なんて、呑気に笑ってはボクの頬に伝う涙を手で拭ってくる。
「っく、しんじゃったかと、おもったぁ…っ」
『……ごめんな』
「だってっ、ゆすっても…っ、こえかけても全然ダメで……!」
『…気付かんかった』
「いきしてないって、おもって、それで…っ」
『俺もう死んでるしなぁ』
「っ…うるさいばかぁ、」
こっちは凄く焦ったんだ、ばか
そんな気持ちを込めて一発ぐらい殴ろうと思ったのに、力が全然入らなくて。寧ろ手を掴まれてはそのままいふくんの胸へと引き込まれた。
「泣ける時に泣いとけ」なんて頭上から優しく声を掛けられ、いふくんの心音が聞こえない事とか服汚れちゃうなとか、色々考えることはあったはずなのに沢山泣いた。
目を真っ赤に腫らして、ハツカネズミみたいだ、なんていつか親友と歌った歌詞を思い出しながら。