…っ、
『どこ…ここ…?』
バンッバンバンッ!
ビクッ
『っ、怖いよ…お母さん…!』
きゅっ、
ある日私は出かけ先で戦争に巻き込まれた
突然銃撃戦が始まったんだ。
当時一般市民だった私はなす術なく、
その場にうずくまっていた
『怖い…誰か…誰か…っ!』
ザッ、
兵士「ん?今声が…」
『っぁ…』
ザッ、ザッ、
『や、やだ…っ、 』
やめて
こないで
やだ やだやだやだやだ…
ガラッ…
兵士「っ!」ジャキッ、
『っ、あ…ぅ』
初めて向けられた銃口
視界を埋め尽くしたそれは
私に激しい恐怖を植え付け
生気を吸い取っていくようだった
『…』
兵士「…っ!」ぐっ、
『っ…』ビシャッ
『ぁ、れぁ、いたく…な、』
っ!
兵士「ッグアァッ!!」
『ぇ…血、が…』べと…
?「なに女の子殺そうとしてんの」フッ、
突然現れた新しい影
先程まで向けられていたのとは違う銃口
先から出る煙を息を吹きかけて消すその人は
血を流す目の前の兵士を
軽蔑しているようだった
『…ぁ、だ、れ…』
んー?
?「大丈夫?君ここの人じゃないでしょ」
?「逃げな。すぐに。」
『ど…ゃって…』
?「…じゃ、これあげる」
サクッ、
?
ずぽっ、
『短剣…』
それね、
?「俺らの国のナイフなの。それ持って、 あっち、城の反対に走って。」
城とは反対方向を指すその人
おそらくこの人は侵略をしている方なのだろう
でも今は生きるという意思に従う他なかった
『わか、わかりました 』
ん
?「それじゃあね。またどこかで」
ダッ!!
『あ…お礼…』
やっと もう届かなくなってしまった頃に
多少の理性が思い浮かんだ
あの人より前に城に向かう人はいない
きっとあの人がリーダー格
遠ざかって行く背中に
多大な安心感を感じる
『いか、なきゃ…』ぐっ、
ずる…
すた、すた…
必死になって逃げた先で
短剣を眺める
『どこの誰だったんだろう。でも
きっと、 すごく強い人だ。色んな意味で』
お礼を言いたい。恩を返したい。
そのためには
『強く…ならなきゃ。』
あんな恐怖を目の当たりにして、
今後何も変わらずに生活なんてできない
強くないと奪われるかもしれない
伝えられないかもしれない
『…ごめんねお母さん』
私の決めた道は、きっと普通じゃないし
長く一緒にはいられない。
それでも
「おい、何者だ。名乗れ」
『あなたたちこそ誰ですか』
「…暗殺者だ。これで十分だろう。それで…」
『暗殺者さん。』
「…なんだ?」
『わたしを』
この短剣を私の相棒にする
『暗殺者に』
強くなる
『育てて』
そしたら
『くれませんか』
あの人に、お礼を伝えるんだ。
「…ほぅ、」
『…』キッ、
そして
「…いいだろう。暇してるんでね。名は?」
『…ルーシー・ダイア。18歳。女です』
あの人の世界を照らす光になりたい
コメント
2件
わわぁ!!全部読まさせていただきました!すごく面白くて、続きがものすんごく楽しみですっ!!!!!