テラーノベル
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初投稿です。
⚠️キャラ崩壊注意 文書力の無さ注意
ご本人様とは一切関係ありません
全てご了承の上でご覧下さい。
ワンクッション
「ねぇ、終電…ないよ…」
真冬の寒い夜、そう服の裾を掴みながら言ってきたのは俺の相方だった。
スマホを見るとまだ終電より前だ。
なんでこんなことを?と思ったが、俺の服を掴む手は震えていた。寒さのせいなのか、はたまた違う理由なのか、俺には分からない。
相方は黙って下を向いているだけだ。
『…なんや?まだ終電より前やんけ』
俯く相方にそう言った。
「…終電ないって」
少し不機嫌に返された。よく見ると耳が赤い。
きっと寒さのせいだ。
『…なんや、もう一軒行きたいんか?』
「…そうじゃない」
じゃあなんやねん、と言いそうになったがやめておいた。しかし、それを汲み取ったかの様に相方は震える声で小さく呟いた。
「…わかんない?」
『…おん』
嘘だ。こいつが泣いている理由も、こいつが嘘を吐いている理由も、全部知っている。
俺とこいつはセフレ関係だった。そんな俺はこいつに、セフレに恋愛感情を抱いてしまった。
セフレ、ましてや相方に恋愛感情を抱くなんてイカれてる。
だから自分から終わらせた。自分のこの感情のせいでこいつと離れるなんて嫌だ。
それに一度意識してしまったら今までの行為全てに意識してしまいそうで__
そんなことを考えていると相方が小さな声で話し始めた。
「ねぇ、ボビー…」
『…』
「俺さ、お前とセフレになれてよかったと思ってるよ…」
俺は黙って聞いているだけだ。
「俺…ボビーのこと好きだった。…でもボビーは俺のこと好きじゃないでしょ、なら諦める。でも、今日だけは一緒にいさせt」
そう言いかけたところに割り切る。
『さっきから黙って聞いてたら、好き勝手言うなや。…俺がお前のこと好きやない?好きに決まってるやろ…』
「え…?」
やっと顔をあげた相方は豆鉄砲を喰らったような顔をしていた。
気にせず話し続ける。
『好きやからこそ傷付けん為に終わらせたかったんに…お前が俺のこと好きとか…ずるいやん…』
そう言って、気付けば地面にしゃがんでいた。
「…こっちのセリフなんだけど」
と言い、俺のおでこにデコピンをしてきた。
『…何すんねん』
とへにゃへにゃになった俺は相方を見た。
相方は笑っていた。
俺も一緒になって笑った。
「…付き合う?」
『…おん』
「よろしく…?」
『…よろしく』
みたいな会話をした。
いや、恋愛初心者か。と言いたかったが、今は幸せに浸っていたかった
コメント
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夜撫でるメロウに滅茶苦茶ハマっていた時期に書いたものです