コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
あれから数日が過ぎ、私と李斗の関係は少しずつ、でも確実に変わってきていた。毎日一緒に帰るのは当たり前になり、時々、彼が私の肩に手を置いたり、近づいてきたりするたびに、私の心臓はバクバクと速くなる。でも、それが怖いわけじゃない。むしろ、ドキドキする自分が不思議で、少し嬉しい気持ちになる。
それなのに、李斗は相変わらず無愛想で、私をからかうようなこともよく言う。たまに見せる照れた顔が可愛くて、私の胸をキュンとさせるけれど、彼は絶対にそのことを認めない。
その日も、放課後に一緒に帰る途中で、突然李斗が話しかけてきた。
「なぁ、華嶺。」
「うん?」
「今週末、俺、暇なんだけど…お前は?」
ちょっと予想外の質問に、私は驚いて顔を上げる。
「うーん…私も特に予定ないけど…なんで?」
「なら、ちょっと出かけねぇ?」
私は思わず目を見開いた。
「え、出かけるって、どこに?」
「どこでもいいけど…お前、行きたいとこある?」
そんな軽い感じで言われても、心の中ではドキドキが止まらなかった。李斗と二人きりで出かけるなんて、そんなこと考えたこともなかったから、何も準備ができていなかった。でも、心の中でわくわくしている自分がいることに気づいて、ちょっとだけ照れてしまう。
「私、特に行きたい場所は…」
言葉が途切れ、結局、私は答えを見つけられなかった。でも、出かけたい気持ちはある。
「まあ、じゃあ、当日考えればいいか。」
李斗が何気なくそう言って、私の肩を軽く叩く。その瞬間、私の胸がまたドキドキと高鳴った。
それからの数日間、私はその週末が来るのを楽しみにしていた。準備する時間はあまりなかったけれど、どうしようかと考えながらも、どこかで心が弾んでいた。
そして、ついにその日がやってきた。
「今日はどこに行くの?」
私はドキドキしながら、少しだけ緊張して李斗に尋ねる。彼はいつも通りの無愛想な顔で私を見つめ、しばらく黙ってから言った。
「まあ、ちょっと歩こうぜ。適当に。」
「適当にって…!」
「いいじゃん。お前、好きなところあるなら、言ってみろよ。」
私は一瞬黙り込み、少し考えてから答えた。
「うーん…じゃあ、あの公園に行きたいかな。」
「公園?」
「うん、最近、気になってたんだ。」
李斗は少し驚いた顔をして、でもすぐに頷いて歩き出した。
私たちは並んで歩きながら、何もない公園に到着した。周りにはほとんど人もいなくて、静かな雰囲気が漂っている。
「すごく静かだね。」
「うん。」
お互い、言葉を少しだけ交わした後、私たちは公園のベンチに座った。
少しだけ沈黙が続くけれど、その空気は嫌じゃなかった。むしろ、二人だけの静かな時間が心地よく感じてきた。
「まりあ。」
突然、李斗が私の名前を呼んだ。
「うん?」
「お前、最近、なんか変わったな。」
「変わった?」
「うん。前よりも笑顔が多くなったし、少しはリラックスしてるように見える。」
その言葉を聞いて、私は少し驚いた。でも、どこかで嬉しい気持ちも湧いてきた。
「そうかな…?」
「うん。なんだか、お前、楽しそうだし。」
その言葉が、私にとって何よりも嬉しかった。
「ありがとう、李斗。」
「別に、俺が言いたかったわけじゃないけど。」
李斗が照れくさそうに顔を背ける。
そのとき、私の心の中で何かが弾けた気がした。
「李斗、これからも、こうやって…一緒にいる時間、増えたらいいな。」
「…あぁ。」
李斗は少しだけ頷き、また少し照れくさそうに笑った。
それだけで、私は胸がいっぱいになった。
この先、どうなるのか分からない。でも、今はただ、李斗と一緒に過ごすこの瞬間が、とても大切だと感じている。