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綾滝
長いぞ〜!!4600字↑
⚠死ネタ
⚠卒業後捏造
⚠クッソ下手
⚠サツ人描写があります
⚠時代にない言葉があるかもです
小洒落た感じに書けないです
それでも良ければどうぞ⬇
滝夜叉丸———-
忍術学園を卒業後暫くして、私はフリーの忍者になった。元同室の喜八郎は何処かの城に仕えたらしい。自由な彼奴に限って珍しいと思ったが人の心が読める訳でもないので何を考えているのかは知らないが。
…
卒業の日に喜八郎はとんでもなく悪趣味で気味の悪い事を言ってくれた。
「喜八郎はこれからどうするのだ? 」
「知らない。滝はフリーなの?」
「そうだな。」
「まぁ…滝はどうせそこら辺で早死にするんでしょ…知らないけど」
「はぁ!??そんな訳なかろう!」
「まぁ…」
酷く重そうな口を開けば喜八郎は
「滝が死んだら僕が墓を掘ってあげるから心配しないでね」
そう言った彼奴の目は光がなくて怖かった。それよりも、コイツが真面目な事を言うと、完全に外れるか、完全に当たるかのどちらかしか起こり得ない気がして不気味だった。
「そんな事御免だ。」
「あっそ…」
嬉しくも悲しくもなる卒業の時にそんな事を言われた物だから喜八郎の事を嫌いになるところだった…というか元々好きでもないが…
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
南蛮に行きたいなぁ…
私の美しさをこの国だけに閉じ込めるのはあまり気に食わん。やはりこの平滝夜叉丸…gdgd…
だが…もう遅いのだろう。既に数人殺した。私の美しさも血塗られてしまった。
自分で自分の美しさを汚すなんて。笑い話にも出来ない程の話だ。だが忍者とはそういうものだ。ならば。その血の汚さを喰ってしまう程に私がより輝けば良い。
自分で自分を悩ませてしまうなんて私は何と罪な事だろう。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
『私の美しさったらなんて罪な…!
gdgd…』
『煩い。』
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
そんな事を言っていたな…
光の無い目で、もう綺麗ではなくなった美しさを語りながら低い気分を紛らわせる。
そんな池に映る自分はあの時の 平滝夜叉丸《自分》とは思えない者だった。
水面が揺れている。自分の顔は疲れているようだった。
ガサッ
誰だ。
振り向けば誰かと目が合った。
どん、と心が鳴った気がした。
恋にでも落ちた様に。
読み物でしか見ないが、そんな事が本当にあるのだと思った。
だが
その音は恋に落ちた音ではなく。
脚を苦無が貫いた音だった。
相手は心臓を狙ったのだろうがそこは何とか躱した。
だが脚を取られてしまっては逃げられない。
嗚呼…。私はこんな所で知らない奴に殺されてしまうのか?、と思った。
諦めたくは無いが。
「…」
「は…?」
木の陰から姿を現した忍に痛みを忘れる程に混乱した。
こんなにも最悪な日はないだろう…
喜八郎と戦うことになるなんて。
喜八郎————-
忍術学園を卒業した後はとある城に就いた。元同室の滝夜叉丸はフリーで忍者をやっているらしい。関係ないけど。
殿に呼び出された。
「いるか?」
「此処に。」
「任務だ。ここの城の忍がフリーの忍者に殺された。返り討ちだそうだ。たった一人に六人が殺された。かなり強いが、其方の腕は信用している。数人同行させる。その者を殺して…」
「埋めてこい。」
「…御意。」
僕の腕は買われているらしい。
もう数人殺して埋めた。
穴を掘るのは大好きだけど埋めるのはあまり好きではない。死体を埋めるとならばより一層嫌だ。汚い死体なんかをを僕の掘った穴に埋めたくない。
僕が埋めても良いのは滝くらいだ。
「彼奴だな。」
「こちらの気配に気付かれてはいないな。
手練では無いのか?」
そんな事をほざいているが、
僕には分かる。
あれは滝夜叉丸だ。優秀だった(かもしれない)元同室。
優秀だのなんだの言っていたがそれは本当なので悔しい。
口布を上げているせいで目元しか見えないが、あの綺麗な目や髪が見える。
ずっと見てきた物だ。
「おいお前。殺せるか?」
小声で付きの男が言った。
「…」
「おい!」
「…嗚呼。問題ないです。」
「ただ。僕一人で勝てます。絶対に。」
「だから、手は出さないでくれませんか。」
「もし交戦になっても…です。」
「あ?別にいいが…調子に乗るなよ?」
「…」
調子に乗っているわけが無い。
彼奴は強い。
それよりも。
滝が最期に見る人が僕以外の人なんて。
絶対に許さない。
僕は滝が好きなんだ。腹が立つ程に。
もしも滝が死ぬようなことがあったのなら滝は僕が埋める。そう決めたんだから。
だが、いざとなると
どうしようもない感情が襲ってきた。
ワザと音を立ててみる。気づいて欲しいと言う思いが勝ってしまった。
ガサッ
振り向いてきた。
やはりコイツの目は大きいな。
心臓を貫くつもりがそこは躱してきた。
トドメを刺そうと 滝夜叉丸の前に姿を現した。
コイツは 混乱しているのだろう。
それでもいい。
殺せ。殺せ。殺せ。
僕は首を刎ようと苦無を振りかぶった。
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滝夜叉丸—————-
「ッ゛…」
ブワッ
喜八郎は苦無を振りかぶってきた。
それを手で受け止め体勢を変え背負い投げをした。
「っぐ…」
少しだけ見えた。
恐らく付きの忍が数人居るのだろう。
ドンッ
しゃがむ形になった喜八郎に脚を払われ体勢を崩した。後ろに倒れた私の両手を喜八郎は押さえ付けて馬乗りの様な体勢になった。
まずい。脚も喜八郎の脚が乗っかっていて上げられない。
こうなってしまっては勝てないかも知れない。
すると喜八郎は私の口布を下げてきた。
「久しぶり。再会が死に目なんて不運だね。」
「はっ…そうだな…」
「とりあえず死んで。命令だから。」
どうも胸が熱くなってしまう。
やはり脚を貫かれた音などでは無かった。
あの一瞬で恋に落ちてしまったのだ。
本当に情けないものだ。私情禁物なのに。
「最期に見るのがお前とは。良いのか悪いのか…。」
「御免ね。」
そう言うと喜八郎は顔を近づけて唇を触れてきた。
場違いな音に思考が廻らなくなる。
プハッ
「何してっ…!」
ぐさり。
「い゛…」
心臓を貫かれた。今度こそトドメなんだろう。
最悪だ。口吸いをされた後に殺されるなんて。ぐちゃぐちゃな感情を抑えて目を閉じる。
「はー…」
私はもうすぐ死ぬだろう。生きていたとしてもまともな死に方はしない。出来ない。それぐらいならコイツに殺してもらおう。
そして埋めてもらおう。コイツが言った通りに。
「私を…」
「埋めて…くれ。」
「喜八郎…」
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喜八郎—————–
埋めてくれなんて言われなくてもそうする。口吸いをしたのは血迷ったが付きの男達には見えていないのだろう。
そう言うと僕は滝夜叉丸を抱き締めた。
「大好き。滝夜叉丸。」
「私もだ…きはちろ…」
ぐさり。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
ザッザッ…
この男が最期に見たのは僕だ。最期に名前を呼んだのも僕だ。嬉しいのに嬉しくなんてない。例え、この男にもっと近づけていたとしても、死んでしまっては意味が無い。
でももう遅い。滝夜叉丸は僕が殺した。
そうだ。
僕が殺した。
変えられない物を変えようとしても意味が無い。だからこうして埋めている。
この男の死体は、この綺麗な死体は、僕以外もう見えない所まで埋めてやる。誰も掘り起こさないような深さまで掘って埋めてやる。
あっという間に最後の土一掛けまで来ていた。もう滝夜叉丸は見えていない。
トントン
もう誰も掘り返す事の無いように土を固めた。
もう誰にも見つかることの無いように。
そう願った。いや、呪いをかけた。
これは平滝夜叉丸という者への呪いだ。
「大嫌いだよ。滝夜叉丸。」
雲から月が覗いてきた。
埋めるのに夢中になっていたのだろう。
そろそろ報告しないとだ。
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「忍務完了致しました。 」
「そうか…次も頼むぞ。」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
滝夜叉丸の事しか頭に出来ない。
走馬灯の様に滝夜叉丸との出来事が流れて来た。
死んでも人の心を掻き乱してくるなんて最悪だ。悪趣味だ。カスだ。
『私の呪いは効いている様だな。これは笑い話になる。』
最悪だ。滝の声が聞こえて来た。忘れる筈もない。忘れられる筈もない。
そんな気持ちの悪い気分に襲われながら目を閉じた。
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「私もだ…きはちろ…」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
あんな野郎にここまで自分の思考回路がぐちゃぐちゃにさせられているのは好きではない。でもあんな一言だけでぐちゃぐちゃになってしまう程にあいつを好いていたのだと思うと仕方がないかも知れない。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
春。
「花を手向けに来たよ。」
穴の上に花を置き、手を合わせた。
『喜八郎!この美しくて…優秀でgdgd…
な私に逢いに来たのだな!』
「煩い。」
滝夜叉丸は呪いとなって私の耳に入ってくる。いや、気がするだけだ。自分の願望だと願いたい。毎日毎日gdgd…なんて言われていたらたまったもんじゃない。
「…好きだよ。滝。」
『私もだ。喜八郎。』
そう言うとその男は消えた。
でも。
背中に微かに熱を感じた気がする。
風も吹いていないのに髪が揺れた気がする。
滝の声が聞こえる気がする。
滝に心を奪われてしまった気がする。
そんな事も、滝夜叉丸がかけた呪いなんだろう。僕は今もこれからも呪われ続ける。
滝の呪いは罪悪感となって憑き続ける。
僕は滝に心を奪われ続ける。
「はは……最低だよ…滝。 」
そっと桜が頬を撫でた。
自分の涙を拭く様に。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
おまじない
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
—————–お呪い—————-