テラーノベル
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坂本さんは私に言葉を言った後、またみんなの居る場所へ戻っていく。…なんだったのだろうか。あの見透かされている感覚は。
私は自分の左手を見ながらそう思った。
それから私はフットサルに参加したり、さっき言われたことを考えたりしていると、いつの間にか体育館の使用時間一杯になった。
モップを持ってきて掃除をしたあと、大学生らしいと言えばらしいのかもしれないけれど、飲み会というか打ち上げみたいなものに行くことに。
本村さんが予約していた店にみんなで向かう。…場所は大学の近くにある、またしても私が「いつかいってみよう」と思っていた場所だった。
飲み会。とは言いつつも、飲む人はそんなにいなくて、どちらかと言うとご飯がメインだった。
店主に出されたおすすめの料理。確かにそれはおいしかったのだけれど、今の私はそれよりも坂本さんの言葉が気になって仕方がない。
「あれは…」
そう考えていると、坂本さんが隣にやって来て、座り込んだ。
「ねえ、藤咲さん。さっきの話なんだけど」
「あっ…はい」
私は少しだけ何故か身構えると、坂本さんの方を見た。
「私、昔からそうなんだけど、人の目線、視線が気になるの」
「…そうなんですか」
「そう、この人何を見てるんだろうって」
「はぁ…」
全く読めない。なんでこんな会話をこの人が持ち出してきたのか。…でも何だろう、感覚的に分からなくもない気もする。私も利き手なんか他の人が気にしないことを気にするわけだから。
坂本さんは周りにいるサークルの仲間たちを少し見渡した。
「…でもね、最近の事」
「最近…?なんですか」
「うん、最近さ、人が見ているであろう景色が〝みんな同じものを見ている〟ってわかったこともあるんだよね」
「同じものを…」
「そうそう、見ている動画とか、映画とか、音楽とか」
なるほど、そういうことか。
「だから私、藤咲さんが気になるんだよね。ああ、この人は別の世界を見ているんだって」
「そんな大したことなんですかね?」
私は思ったことを口にして聞き返す。
「大したことかどうかは、私が決めること。それで、藤咲さん。少し提案があるんだけど、今度の週末空いてる?」
というと私は坂本さんと連絡先を交換することになった。
コメント
1件
ああ〜、このエピソードめっちゃ良かった!!😭💕 坂本さんの「別の世界を見てる」って言葉、めっちゃ刺さった…。左利きの主人公が、自分だけ違う角度で世界を見てる感覚、すごくわかる気がするよ。人の視線とか、見てる景色の違いに気づく坂本さんも面白いキャラだね! 最後の「週末空いてる?」からの連絡先交換、この先どうなるんだろ…!?次の話が待ち遠しいよ〜🌸✨
#四角関係
柿の木七味
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