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[ 主人公 視点 ]
” アクティラス帝国はたくさんもうけた
子どもの中から最も強い者を即位させる ”
” つまり それが意味するところは ”
” 互いに命を取り合って生き残った者が
皇帝の座に就くということだ ”
” 皇帝の子どもの中で末の皇子は ”
” 「 血の継承式 」の期間に自分の
兄と姉を全員始末し ”
” 皇子は死んだ兄姉の首を斬り
全員の髪を結びつけて ”
” 皇帝の元にズルズルと引きずっていった ”
” その姿を見た皇帝は末の皇子の強さに感服し ”
” たいそう喜んで 彼を褒めたたえた ”
” 突然飛んできた短剣が皇帝の胸を貫通した ”
” 血を吐く皇帝を前にニコニコと笑っていた
幼い皇子は ”
” 皇帝にこうつぶやくという ”
「 待つのはかったるいし 」
「 俺の上に立たれるのも目障りだから 」
「 今すぐ即位したかったんだよね 」
” ラニエロ・アクティラス だ ”
” そして ・・・ ”
『 お二人は健やかなるときも病めるときも ・・・ 』
『 ・・・ 真心を尽くすことをアクティラスの神の前で
誓いますか ? 』
” 私はまさに今 ・・・ ”
” そのイカれた皇帝の妻になろうと
しているところだ ”
( コホン!
( は っ
【 ひぃ っ! 】
【 今すぐ答えないと刺されそうな勢いで
にらまれてる! 】
( ギロ ッ
「 は ・・・ はい ・・・ 」
( う っ
「 まぁ ・・・ 」
「 いいだろう ・・・ ただし
俺が飽きるまでの話だけどな 」
( ビク ッ
『 で ・・・ では! 』
『 指輪の交換を! 』
” 落ち着くのよ ・・・ ”
” 絶対に落とさないようにしないと ・・・ ”
” もし落としちゃったりなんかしたら ”
” 5 分後にはもう私の命はないかもしれないわ ”
( ゴク ッ
( ブルブル ・・・
( 相手 指輪付
『 では ・・・ 』
『 次に 』
” ウソでしょ ・・・ ”
( ビク ッ!
” ホントにするのね ”
( ? ?
( シ ー ン
【 あれ ・・・? どうしたんだろう ・・・ 】
【 やっぱり省略するってこと? 】
( 顔上
” わぁ ・・・ ”
” 不思議 ・・・ ”
” こんなキレイな男性がいるなんて ・・・ ”
( ニヤ ッ
「 よかったよ 」
” な ・・・ 何がですか ー! ”
( ス ッ
( グイ ッ
( ビク ッ!
「 ! 」
” どうしてこんなことになったんだろう ”
「 あと 5 秒目を開けるのが遅かったら ・・・ 」
「 退屈でウンザリしていただろうから 」
” 信じがたい話ではあるけどここは小説の中の
世界で ”
” 私は ・・・ ”
” このイカれた悪役陛下との結婚式 ・・・ それも
バージンロードを歩いているシーンで憑依
してしまった ”
第 01 話
” ここでいう「 花 」とは ”
” 小説のヒロインである聖女セラフィナを
意味しており ”
” 「 地獄の底 」とはこのアクティラス帝国を
指す ”
” 「 征服 」を唯一の趣味とするアクティラス
帝国の皇帝ラニエロは ”
” いつものごとく領地争いに精を出していた
ある日 ”
” 皇帝は透き通った聖女の瞳に映る血塗られた
自分の姿を見て ”
” セラフィナに強烈な愛憎を抱くようになる ”
” その後 強引に彼女を帝国に連れて帰った
皇帝は ”
” 自分と同じように彼女を汚そうと試みたが ・・・ ”
” そんな中皇帝の執着は目を追うごとに激しさを
増していき ”
” 聖女の初恋の相手である聖騎士のエデンの命
まで奪ってしまう ”
” エデンを殺されたことがどうしても
許せなかった聖女は暴走し ”
” ここまでが「 地獄の底にも花は咲く 」の
プロローグで ”
” 物語には他にもさまざまな人物が
登場するが ・・・ ”
” 私はその中で最も存在感の薄い皇后に憑依した ”
” 一夫一婦制のうえ離婚が禁止されている
アクティラス帝国では ”
” 死別だけが再婚できる唯一の方法なのだ ”
” そのため聖女を拉致してきた皇帝は ”
” 真っ先に皇后の首を斬ってしまう ”
” そのため名前すら登場する間もなく ”
” 皇后は物語の始まりと同時に命を落としてしまう
のだ ”
【 原作者さん ・・・ 】
” もしかして私のレビューが辛辣すぎたから
こんな仕打ちを ・・・? ”
⚠ 星違 ⚠
★ ☆ ☆ ☆ ☆
《 ラブストーリーをうたってる割には恋愛要素
ゼロですよね? もはや詐欺では? 》
xxxx 年 xx 月 xx 日 ◯◯◯ 様
【 そりゃあ転生ものはよく読んだけど ・・・ 】
【 普通は憑依するなら悪女じゃない? 】
【 悪女に転生して悪事を働かなくなるから原作に
ねじれが生じるっていうか ・・・ 】
” なのに私は ・・・ ”
” 悪女でもなんでもないただの脇役に憑依した ”
” むしろ悪女に憑依してたら ”
” 原作とは真逆に動いて賭けに出ることも
できたけど ”
” こういう場合はどうすればいい? ”
” せめて憑依したのが結婚前だったら結婚しない
ために悪あがきもできただろうに ”
〝 崖の上から馬車を落下させて死んだように
見せかけるとか ・・・ 〟
『 中に誰かいるのか !? 』
『 ああ っ 馬車が !! 』
” あ っ それか逆に皇帝を手なずけちゃう
とか? ”
《 よしよし
《 ゴロニャ 〜
” いやいやないないない! ”
《 ああ っ !
” なんだってあの悪名高い皇帝よ? ”
” 自分を手なずけようとしてるのに気づいたら
何されるかわかったもんじゃないわ ”
” 憑依したとはいえ命はひとつしかないんだから ”
” そんな危険な賭けに出るのは絶対ムリ! ”
( ぐ っ
” 残された道は一つだけ ”
” たしか結婚式後にラニエロが皇后を訪ねることは
なかったはず ”
” 原作の皇后はそのことを遠回しに指摘したことも
あったみたいだけど ・・・ ”
” そうやって事あるごとに皇后が自分の存在を
アピールしたものだから ”
” 聖女を連れ帰った途端に始末されちゃったのよ ”
” 私は絶対そんなことにはならないようにしよう ”
” そしてラニエロが神殿に行く日 ・・・ ”
( ぐ っ
” 死んだと見せかけて逃げるのよ! ”
【 どうせ皇后が死んだかどうかなんてわざわざ
確かめもしないだろうし 】
【 皇后を殺したのはただ聖女を妻に迎えるため
だったんだから 】
【 それにそもそも皇后が存在感を消していれば
そんなのこにはならなかったはずだしね 】
〝 ・・・ あれ? 〟
【 でも待って 】
【 もしかして ・・・ 】
( パァァ ッ
” 思った以上に余裕かもしれない! ”
” 意外とスムーズに事が運ぶ気がする! ”
【 私ったら心配しすぎ ・・・ 】
「 ひ っ ・・・ ! 」
〝 くは っ 〟
( ビク ッ !!
「 俺を前にしていつまで無視するつもりだ ? 」
「 俺の存在を ・・・ 」
” 終わった ・・・ ”
” 息を潜めて暮らそうってたったいま心に誓った
ばかりなのに ”
つづく