デビュタントを迎えた侯爵令嬢マリエッタは、王城の庭園で"運命の人"に出会ってしまった。
その相手は、ジラール王国の王子アベル様。
けれどもマリエッタには、"黒騎士"の異名を持つルキウスという婚約者がいる。
「ルキウス様! 私と婚約破棄してくださいませっ!!」
二つ年上の幼馴染である彼に、さっそくと婚約破棄を持ちかけるマリエッタ。
けれどもルキウスは婚約破棄を拒絶。
「マリエッタ、キミはきっと僕を選ぶよ。僕もこれからは我慢しないから、覚悟しててね?」
加速する溺愛っぷりに、ルキウスへの気持ちに変化が現れ始めたマリエッタ。
けれどもアベル様からもアプローチが増えてきて……。
本当に愛しているのは。誰の手を取るべきなのか。
自分の心なのに、わからなくなってくるマリエッタ。
一方、ルキウスは昔、マリエッタがアベル様に婚約破棄され破滅の道を辿る夢を見ていた。
マリエッタの悪役令嬢化を阻止すべく奮闘するルキウスだったが、"運命"はマリエッタとアベルを惹かれ合わせていく。
「運命がいくら悲劇を望もうと、マリエッタは譲ってあげないよ」
浄化魔力を持つ聖女の不在が続き、幻獣の襲撃が増えていく最中。
マリエッタは"真実の愛"に気づき始めていくけれど――。
頑張り屋ながらも誤解されやすいぼっちなご令嬢が、"運命の人"に翻弄されながら眠れる「歌姫」の能力を開花させていくまでのお話。
同時に、黒騎士と呼ばれる青年が、愛しい婚約者が"悪役令嬢"となるのを密かに阻止しようと奮闘するお話。
※ガールズラブは主軸ではありません。
※他サイトにも掲載中です。