チャイムが鳴り、給食時間が終わった。
食器を片づけると、校庭に向けて、
みんな一斉に飛び出していった。
コネシマは、サッカーボールをボール箱の中から取った。「チーノ、裏庭でやろうぜ」
コネシマとシャオロンが誘った。
「ええっ、裏庭はまずいよ」
チーノはそう答えてはみたものの、
「またこの前みたいに先輩にボールを取られたらどーすんだよ。」
とコネシマに言われては、返す言葉がなかった。
三人で体育館の裏の「裏庭」に行くと、
さすがに誰もいなかった。
突然、コネシマが「あっ」と声をあげた。
「ほら、ほら、あそこ」
コネシマが指さす方を見ると、一匹の猫が、
物置の軒下にある鳥の巣に侵入しようとしていた。巣の中には、まだ生まれてまもないひなが見えた。
(ああっ、どうしよう。)
チーノがそう思った瞬間、
コネシマがボールを猫に目がけて投げていた。 猫は、ボールに驚いて逃げた。
しかし、次の瞬間、ガシャーンという音が した。
コネシマが投げたボールが物置の天窓に当たり、ガラスがはじけた。
「コネシマ、よー助けたな。」
「でも、どーしよ。」
「しかたないやろ。ひなを助けようとしてやったことなんやから。先生に報告しに行けばええやろ。」
シャオロンは、コネシマがガラスを割ったことなど全然気にしていない様子だった。
「じゃあ、俺先生に報告してくるッ」
チーノは職員室へ行こうとした。
「いや、チーノ。そんなんあとでええよ。俺ら、ひなの命を救うという、いいことしたんだぜ。少しぐらい遊んでも罰はあたらへんやろ!」
コネシマは、ボールを蹴りながら、
そう言った 。
「いや、今行ってくるよ」
チーノは、コネシマを振りきって職員室へと向かった。 残されたシャオロンは、ガラスの片づけを始めようとした。
「シャオロン、ちょっとだけやろうぜ」
コネシマはシャオロンに向けてボールを蹴ってきた。 二人は初め、軽く蹴っていたが、
距離をとって強く 蹴り始めた。
そのうちシャオロンが蹴ったボールが、
さっきの物置の方に飛んでいった。
(しまった。)
と思った時には、ガシャーンという音がして、ガラスが割れてしまった。
見ると、さっき割ってしまったガラスの隣のガラスが、こなごなに飛び散っていた。
(どうしよ……。)
シャオロンは、そう思った。
そこにチーノが先生を連れてきた。
「先生、ここです。」
チーノは、物置の天窓をさした。
「ひなが猫に捕られそうになったので、慌ててボールを投げてしまったんです。」
チーノは、事情を説明し始めた。
「先生、コネシマさんはひなを助けようとしてやったことなんです。おかげであのひなが助かったんです。許してやってください」
シャオロンがすかさずそう言い添えて、チーノと先生の間に割って入り、事情を説明した。
「どうも、すみませんでした」
コネシマは、深々と頭を下げた。
「よし、わかった。けがをしないようにしてガラスの破片を片づけておくように。終わったら、コネシマは、職員室へ来るように!」
そう言い残して、先生は職員室に戻っていった。
「おい、どういうことだよ。ガラスが二枚割れてるやんか。シャオさんがさっき割ったガラスの隣の、あのガラスはいったいどないしたん。」
チーノは、コネシマに言った。
「俺じゃあないぜ。ちーのが職員室に行ってから二人で遊んでたらシャオロンがガラスを割ったんだよ」
コネシマは、そう説明した。
「シャオさん…。」
チーノは言った。
「ああ…。」
シャオロンは、力なく答えた。
「なんだよ、きたねえなあ。シャオロンがやったことを俺の割ったガラスに便乗させて。お前調子よすぎるぜ」
コネシマは慣慨しているようだった。
「でも、俺がうまく言ってやったから、そんなにきつく怒られずにすんだやんか。そんなに冷たいこと言うなよ。友達やん。」
チーノは、そう言うと校舎の中へ行ってしまった。
残された二人の間には、気まずい雰囲気が漂い、無言のままだった。昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
五時間めの授業は好きな英語だったが、
シャオロンは全然身が入らなかった。
授業が終わり、サッカー部の練習に行って、コネシマに会ったシャオロンは、
「俺、先生に言いに行こうと思う」
と言った。
「いいやん、そんなこと。あの場ですんだことなんやから 。」
「そんなこと言ったって…。」
シャオロンは後の言葉が続かなかった。
「いいか。俺をだしぬいて先生のところになんか行くなよ。俺の立場が悪くなるからな」
コネシマは、ボールを持って、
シャオロンから離れていってしまった。
シャオロンは、練習が終わっても、気が重かった。 次の日、シャオロンは昨日のことが気になって、足どりの重いまま、学校へ向かった。
シャオロンは、チーノに、
「俺、やっぱり先生のところに行ってくる」
と言った。
「おい、コネシマさんは……。」
チーノは、コネシマのことを気にしているようだった。シャオロンは首を横に振ると、一人で職員室へと向かった。
脳溶けしてて文章おかしいです。
長編小説書いてる途中。
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